・Gさんの小学校時代

[学校生活]
私は幼少の頃から運動が出来ませんでした
そして、保育園時代や小学校三〜四年時はハブられてました
保育園は自分から人と接しようとしていなかったから、
三〜四年時はそれまでの自分に対する反動で暴れてばかりいたからです

五年の時に空手を始めました
中一の時の地区大会で優秀な成績を修めました
でも中二で辞めました

[小学校時代のオタク趣味]
小一の時にスーファミを買ってもらい、
その後小六にプレステを買い
中三までゲームはやっていました

小六の時に親父の買ったパソコンに入っていたフリーウェアにハマりパソコンに傾倒する
中一で家にあったiMacを独占しMac狂になる
中二、エミュやMAD、動画圧縮、動画編集にもハマる
ゲームラボでKanonを知り感動
中三から俗に言う美少女ゲームにどっぷりハマる



・Gさんの中学校時代

[学校生活]
中一は荒れていました
暴力事件を数件起こし
公共の物を破壊してしまいました
今思えば小五六が楽しくなかったことの反動ですかね
二人に告白しましたがフラレました…
中二は楽園でした
オタク全開でオタクキャラだけどクラスの中心に居られました
楽しかった
GTOの菊地みたいにパソコンを使える凄い人といったカンジだったんでしょうね
実際エミュやMADはウケましたし
無理してやってたんじゃなく(今思えば)自分の技術を皆に認めてもらうことが出来る上に
(意識はしていませんでしたが)喜んでもらえるので
朝自習の時に某ギャルゲーのノベライズ本を読んでいて取り上げられた時もみんな笑ってましたし
女のコなんか勝手に読んでましたし
でも、睡眠障害状態になったのもこの頃で
まあパソコンのやり過ぎで
度々学校に昼から行っていました
で、オヤジにバレて実家に連れて行かれた後チャリで逃亡
結局、県境まで逃走
学校で伝説になりました
そして中三…
中三はまじ担任がクソでした
自分の価値観を押し付けてくる腐ったオトナでした
この頃から夜中に脱け出して遊ぶようになる
この頃の仲間が今の地元の仲間で今でも頻繁に遊びます
この頃はクラスの中心ではなかったですが、居場所はありました
担任がクソで反抗しまくりでした
この頃から学校以外ではワックスを付けだす
学校は校門チェックがあるので×
昼から行っていたのがバれ、また親父に強制送還されました
今度は一週間缶詰されました…
この時の衛生状況の悪さで一気にニキビが
ニキビというのはヒドいもんで
ニキビがあると本気で人前に出たくなくなります
結局高校入学前の二〜三月まで異常な程のニキビが
この頃チェックに引っかからないくらいに眉毛を調整

塾にはちゃんと行っていたので、担任に学校に昼から行っていたため絶対無理だと言われていた、
偏差値60の私立の一番人気高に合格
To Heartばりの恋愛を夢見る

[この頃の音楽]
中一では幅広い音楽を
iTunesも出てすぐでしたし
中二で某パンクバンド(バンドブームの台風の目のバンドですね)との運命の出会い
もうそれまでの人生観が変わりました
中三、よりパンクに
中学が異常に厳しかったんでパンクバンドの倍加作用で反骨精神付きまくりでした
一応、バンド結成したんですが、全く練習しなかったんで不発でした



・Gさんの高校時代以降

[学校生活]
高校へ
そして、初めて、オタクが受け入れられない世界へ

入学して早々イジられキャラに
(人気高だったのでやたらイジるヤツばっか)
生まれて初めてでかなりやる気をなくす
女子のウザいヤツに喧嘩を売り女子からも総スカン
運動もついていけない
(これもカッコつけのスポーツマンばっか)
勉強もついていけない
朝も早い

あー、もう学校ダルいなー
一回中退しとくのもパンクで良いかー、って軽〜く考えて辞めました…

…まあ、後で後悔しましたが…………

入学当初は入学当初はワックスがつけられないくらい短髪だったのに(男子校に入れられるはずだった)
メルアド聞かれたりして
で、好きなコのメルアドもたまたまゲットして
でも、さすがにオタ趣味を披露は出来ませんでしたねー
その前にもオトコ共だけのときに私の携帯を勝手にイジられて某アニソンの着うたと某
ギャルゲーキャラの目覚ましアラームを発見されてオトコ共にドン引きされてたんで
メールで告ったんですけど、所詮、文明の利器ですからね〜
フラレましたよ
付き合ったことがないころって誰でも良いから付き合いたいんですよね〜
そんで、掲示板にアドレスを載せてメールがきたコと付き合ったりもしました
そのコが凄い写メマジック使うコで…
結局付き合いましたけど…
次に付き合ったコが小六の頃の同級生で
このコは中一の時に告ってフラレたコです
で、このコというのがマドンナ的存在でありながら腐女子なコで
当然オタク趣味にも理解がありました
このコは最終的にはジャンプにマンガで名前が載るんですが
しかし、私はその頃、学校を辞めて引きこもりと化していたんで愛想尽かされてフラレました
その後、にちゃんで知り合った女のコに熱を上げたりしつつも次の高校に入学

[この頃のオタク趣味]
一学期は忙しくて、部活にも入っていたのでほとんどパソコンをさわれなかったのですが
部活で芽が出ず辞め、夏休みに入った途端、今までギャルゲーを我慢していたのですが糸が
切れたのかどっぷりつかり込んでしまいました…
高校を辞めてからは引きこもりと化して、もっと悪化しました
穴ぐらでギャルゲーばっかりやっていたのですが、そんな私にも転機が訪れます
次の高校の入試一ヶ月前頃にPCのHDがオシャカになったんです
それで一時期、プログラマーやシナリオライターを目指していたPCに対しても意気消沈し
…、その後、PCに対しては意欲が失せていき、だんだん音楽オンリーにシフトしていくように

[この頃の音楽]
夏休みに入ってからはしきりに中学の頃聴いていたパンクバンドの後継バンドばかり聴いていました
このバンドのパンクさにもうメロメロで
学校がダルいのと、ギャルゲーにどっぷりハマってたのと、頭髪、容姿のことで担任から
「学校辞めろ」と言われたのに、パンクバンドが合わさって学校は辞めました
オークションをするようになり廃盤CDを集められるようになりもっとどっぷりと音楽にハマりまくりました
そして、そのバンドのライヴ…
感動しました
最前列でハネまくりましたよ

[学校生活]
それまでは私服は親父の持ってくるものばかりだったが(親父がオシャレな人だったのでそれまで見た目でオタだと言われることはなかった)
さすがに私服登校の高校だったので着る服がなく困る
→適当に量販店で
→イメチェンもした
→親父センスのオカゲで見た目でオタはギリギリ回避
新しい高校ではやたらとアドレスを聞かれました
オッパイをすりつけてくる人もキてかなり焦りました(汗)
そして、ある日、学校で友人からセンスのことを指摘され、一年経ち今に至る
最近の趣味はファッション、音楽、本、インテリア

[この頃の音楽]
高校に入り直し音楽の趣味が合うに人と出会いまくる
いろんなジャンルのロックを聴くようになる
パンクバンドがほとんど活動をしなくなり
某無名系バンドで一番有名なバンドにハマりまくる
傍役の歌う歌が心に響きまくる

[この頃のオタク趣味]
この頃にはPCをほとんどやらなくなっていた
そして、いざ決心し、ギャルゲーを全て売却!
ウン万に
そのお金でセンスを指摘されたのもあり服を買いまくる
買いまくる
買いまくる
買いまくる
最初はスマートのファッションが理解出来ませんでした
「脱オタクファッションガイド」や「いちからはじめるファッションマニュアル」や「2ちゃんねる ファッション板」を参考にし、脱オタ完了
その頃にこのサイトの存在を知る
体験談やオタクのアイデンティティーについて考えさせられる

今では立派なファオタに



・Gさんの総括

私にはちゃんとした脱オタする理由なんてなかったですけど
脱オタするのは良いことだと思います
周りの人の印象が違う
本当に
まー、お金に余裕が出来たらギャルゲーも本当に作品として価値があるものは買い戻すつもりですけど
ただ、若いウチから何か「だけ」になってしまうのは本当に怖いことだと思います
若い頃はちゃんと他の若い人もやっているようないろいろなことをやってみて本当に自分に向いていることを探してみるのも良いと思います
それでもやっぱり一番好きなのが美少女ゲームなのであれば、それはそれで良いと思いますけど
脱オタをする上で助かったのは
私のまわりには
「とにかく自分をホメてくれる女のコ」や
「恋のライバル」、
「服のことが解る友人」がいてくれたことですね
私がファッションの系統を変えたり、新しい服で来たり、髪型を変えたり、染めたりする
と、すぐに反応して、私のことをホメてくれる女のコがいました
そして、好きなコをめぐってライバルもいました
そして、服の知識もあり、おかしければ適切にアドバイスしてくれる友人もいました
そういう人たちのおかげで
また、優秀な脱オタ・ファッションサイトさん、掲示板さんのおかげで
私は約3ヶ月という短い期間で脱オタを完了させ、ヘアースタイル、コスメ、ファッションの知識を吸収することが出来ました
今の私がいるのは紛れもなく他の皆さんがいてくださったおかげです



 Gさん、貴重な経験談ありがとうございました。

 シロクマ注:

 Gさんはまだ年齢的には若く、様々な意味で可塑性の高い、そして未だ不安定でもある思春期の只中にあります。文章の様々な所から、私はその若さを感じたように思いました。Gさんは僅か三ヶ月で脱オタに成功しています。

 このGさんのケースで特に印象的だった点を二点挙げてみます。

 まず、Gさんが行った“脱オタ”は、オタク趣味から音楽・ファッションへの文化的シフトを介して行われているという点、です。多くの脱オタ者がそうであるように、少なくとも脱オタ遂行時点においてはGさんはオタク文化に耽溺した日々から脱却し、オタクじゃない人とのコミュニケーションに供することの出来る(あるいはオタクじゃない人にも効果を発揮できるリソースと言い得る)文化圏にシフトしちゃっています。Gさんが心血を注いだ分野は、エロゲーなどのオタク分野に比べれば他人とのコミュニケーションに好影響を与えやすいものだと言えます。ファッションなどはその最たるものでしょう。理論上、オタク趣味に十分浸かりきりながらコミュニケーションや適応シーンを向上させることは無理ではないでしょう。しかし、個人にとって限られた時間・お金・体力を考慮した場合、脱オタ革命を起こす時にはやはりオタク趣味よりも非オタクとのコミュニケーションを支えてくれそうな分野にエネルギーを注いだほうが効率的だと思われますし、事実Gさんはそうやっています。Gさんが高校進学時における不適応な状態から体勢を立て直すにあたって、この文化転向は十分な意味を持っていたんじゃないかと思われます。

 もう一点は、Gさんのフットワークの軽さです(おそらく若さだけでなく、中学校まではスクールカーストの中で比較的良い位置にあったことが要因でしょうけれど)。僅か三ヶ月間で、Gさんは極めて大きな文化転向を遂げて、Gさん個人の適応ポジションを大きく変えています。この素早さは、若さとエネルギー、十分な時間、運、などが無ければ到底達成出来るものではありません。若いということは、蓄積が無く移ろいやすいという不安定さを持つ一方で、まずい状態を何とか挽回するのにも向いています。これまで再三再四主張してきたように、脱オタ者にとって若さは重要なpositive factorです。Gさんがあと十年先に同じことをやろうとしたとて、そんなに事は簡単ではなかったでしょう。ただし逆に、Gさんの思春期はまだまだ続くでしょうから、今得られた適応上のポジションなりコミュニケーションスキルの技術力なりがいつアドバンテージを失うかわからない、とも言えます。Gさんは文化転向を通して見事なまでに適応上の問題を克服しましたが、Gさん個人の“戦い”はまだまだ続くのです。前途には、困難な状況や挫折すら待っていることでしょう。それでも、“あの時、俺は短期間で脱オタしたんだ!”という成功体験は常に背中を押してくれるに違い有りません。ある程度成功した脱オタは、単に適応状況を変化させるだけでなく、“自分が困難な状況を克服出来た”という自信をも与えてくれます。確かに脱オタは色々大変ですし出来ない人には無理かもしれませんが、もし上手くいけば、得るものは決して少なくないと私は確信しています。

 →オマケ:Gさんによって書かれた、二つのテキストを読んでみる


 ※本報告は、Gさんのご厚意により、掲載させて頂きました。今後、Gさんの御意向によっては、予告なく変更・削除される場合があります。ご了承下さい。