生きててよかった 外伝6 「KENSUKE」
Episode-00 【前書き:物語までの流れ】
サードインパクトにおいて、少年はリリスとの融合を望まず、他人の存在する世界を選んだ。
彼が最も望み、そして再生した最初の他人はアスカだったが、望んで全てが上手くいくはずもなく。
シンジはアスカに嫌われる事を恐れるあまり首を絞めてしまい、
アスカもまた、シンジに対する嫌悪と恨みを前に拒絶を示し‥‥‥全ては破綻を迎えたかに見えた。
だが、誰もいない環境であるがゆえに、心弱き二人が互いを頼り会わずに
生きていく事など出来る筈もなく、結果としてそれが大きな転機となる。
紆余曲折の果てにようやく二人は共に暮らし始めると、孤独を嫌う
二人の気持ちが強い潤滑油として働き、錆びきった二人の心の歯車は ゆっくりと回り始めた。
今まで抑制してきたためか、急速に惹かれあう二人。
そして互いを無二の存在として認めあった次の日の朝、転機は訪れた。
リリスの巨大な姿は消え、徐々に人々が還りはじめた。
世界は傷だらけになりながらも、かろうじて二度目の復興を目指して動きはじめたのである。
それから3年後。
まだ災害復興の続く第二新東京市を舞台に、ある一人の少年の物語が始まる。
少年の名は、相田ケンスケ。
第二新東京市深志高校の2年生であり、世界を救った少年少女の親友でもあった。
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