【はじめに】

 服装などは、服を買ってきたり本を読んだりすれば幾らでも改善させる事が出来る。時間やお金に伴うリターンの予測と期待が比較的容易と言って良いだろう。しかし内面はというと、そうもいかない。侮蔑されるオタクの中には、例えば外見上は何の問題もないが、誰彼構わず自らの知見を披露してまわり、それが原因で軽蔑と忌避のまなざしを向けられ「ウザオタ」のレッテルを頂く例や、口べたでおどおどしているせいで損している例などがみられる。いや、別にこれはオタクに限った問題ではなく、人付き合いが不得手である全ての人に言える事だが、このページでは対象をなるべくオタクに限定して論を進めていくつもりである※1

 オシャレがかなりのレベルなのに話してみて魅力がない場合、むしろそのオシャレさゆえに一層煙たがれ、性格の悪さを強調するという事もあり得る。ファッションは文字通り修飾であり、一定レベルを下回る事で悪影響をもたらす事こそあれ、それ単体で魅力を構成する事は稀である。特に男性は見た目だけではどうにもならない傾向が強い。また、ファッションは初対面時に好印象を与えやすくする(=プラスの偏見)事が期待出来る一方、長く付き合えばその優位性など脆くも消えてしまう。

 この章ではファッションなどではカバーできない、しかし一層重要なコミュニケーション要素について改善する方法について考察を試みる。例えば性格であり、行動パターンであり、表情であり、話術であり、余所の人が指摘するところの「その人の内面」といったものである。

 なお、ここで指す「内面的なもの」とは、オタク当人の心の中にあるもの全てを指したりするわけでない点に留意して欲しい。あくまでコミュニケーション能力※2のうちで、服装や髪型のような物理的経済的努力によって直接改善が見込めるような分野を除外した、話法・知識や物腰や察しの良さなどを指している。他人とのコミュニケーション、という観点のみに絞って書くなら、どれほど素晴らしい内面を持っているかより、その内面の財産をどう外部に表現し他者にプレゼントしていくかが大切なので、あなたの心の実際の美しさや頭のよさやらだけを問題とするのはお門違いである。さらに、このような外部他者にプレゼントしていく諸々のなかで、あくまでオタクとして侮蔑されないようにする為の「コミュニケーションの可否に関係した事柄」にのみ議論を絞っていく事を断っておく。

 ただし、私自身もこの分野の改善方法について知りたいぐらいのもので、以下に私が示した各論は実に貧弱な内容であると自覚せざるを得ない。こんなお粗末なコンテンツになった原因は私の情報不足と私自身のコミュニケーションスキルの不足に由来する※3。ゆえに、コミュニケーションがある程度できている人間から見ると幼稚に見えたり滑稽に見えたりする事があるだろう。

 このほか、読んでみて「抽象的で理想論に過ぎない」「そんなのどうにもならん」と思われる方が大勢いらっしゃることと思うが、今の私の能力の問題や現実の厳しさを思うと、今回ここに書いた以上の事を書く事は出来ない。今後文章は何度も修正を繰り返してアップデートしていく予定だが、読者の過半数を満足させるだけのものを提供する自信は私には無い(2005年現在においても、である)

  断っておくが、「ダメなものはやはりダメな事もある」と思っている。どんなに頑張っても最早手遅れで、諦めて妥協点を探っていくしかない場合もある事も、断っておく。(弱気だけど仕方ないじゃん)


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【※1限定して論を進めていく事にする】

 範囲を限定したほうが少しでも問題を取り扱いやすくなるのではないかという儚い望みを託す。また私自身がオタク趣味をこよなく愛しているからこそ、オタクにおける問題について考えてみたいという願望も反映している。



【※2あくまでコミュニケーション能力】

 そう、能力、である。能力自体に善悪はないし、能力が高い事低い事自体に善悪はない。あるのは優劣のみである。“能力自体はよく切れる包丁のようなものであり、それ自体に善悪は無い。善悪は、包丁で人を刺すか料理を造るかする、行為者の側の問題である”と例えれば理解して貰えるだろうか。しかもこの優劣も、状況や相性、対象などによって変化しやすい、捉え所のないものである。唯一、汎用性の高さはあらゆる局面における有利さを反映するかもしれないにせよ。

 この章ではオタクに欠けがちなコミュニケーションのhow toについて言及するが、別に無能力である事についてその善悪を云々するつもりはない。能力無き者は悪という見方をする人が稀に存在する事を私は知っているが、このページではこれら善悪という概念を直接的に取り扱うつもりはない。能力が無いと、困ることはあるかもしれない。だが、それが悪いこととイコールかというと、激しい疑問を私は感じざるを得ない。善悪という概念は、そういうものを取り扱うのが好きな人達のページやスレッドで議論して下さい。お願いします。



【※3コミュニケーション能力の不足に由来する】

 この先の文章を読む人は、その事に留意した上で読んで欲しい。私には完璧に近いものを造り出すだけの経験も技能も表現力も無い。出来る範囲で出来る事をやるだけである。繰り返しになるが、自分の限界性を自覚した上で私は論を進めていく。