恋愛、男、女の格言 
煩悶するふたつの魂の神秘 




 [恋愛・男女について]


 ・恋は甘い花である。しかしそれをつむには、恐ろしい断崖の

  はしまで行く勇気がなければならない。

                            スタンダール[恋愛論]



 ・紳士も、狂おしい恋はする。だが、愚かしい恋はしない。

                     ラ・ロシュフコー[人間についての箴言集]



 ・どんなことが真理とか寓話とか言って、

  数千巻の本に現れて来ようと、

  愛がくさびの役をしなかったら

  それは皆バベルの塔に過ぎない。

                        ゲーテ[温順なクセーニエン]



 ・恋をすると、すぐ身近に、しかしいくら願っても手の届かない

  巨大な幸福があるような気がする。しかもその幸福は、ただ一つの

  言葉、一つの微笑にのみ左右される。

                         スタンダール[恋愛論]



 ・あますぎる果実を――戦士は好まない。それゆえ彼は女を好む、

  どんなあまい女もやはり苦いのである。

                 ニーチェ[ツァラトゥストラはこう言った]



 ・真の男性は二つのものを求める。危険と遊技である。だからかれは

  女性を、もっとも危険な玩具として、求める。

                 ニーチェ[ツァラトゥストラはこう言った]



 ・自分の心をたのしみ、真に恋するためには、孤独が必要である。

  しかし成功させるためには、社交界に出ていかなければならない。

                      スタンダール[恋愛論]



 ・私の手には他のどんな名もうまく書けない、

  私の紙には何一つちりばめられない、

  私の筆に描かれるあなたの美をほかにしては。

                       ロンサール詩集より



 ・無邪気な娘などどこにいるというのか。産着を捨てた

 時から娘は誰しも、美しく装い男を惹きつける術や、

 惹きつけながら殺す術を学んでいるし、どの武器が

 傷を負わせ、どれが死をもたらし、どれが傷を癒して

 命を蘇らせるのかも知り抜いているのだ!

                   タッソ[愛神の戯れ]



 ・求愛の日々をできるだけ大事にしな、若者たちよ、そして、

  それらの日々を汚れのないようにすることだ。なんといっても、

  この人生の中に詩とか美とかいったものが入り込んでくる望みの

 ある時期といったら、それらの日々を除いてほかにないといっても

  いいんだから。

                         ローソン短編集より



 ・若い者は女を欲求することと恋とを一つに見ている。

 女の運命を第一に気にするのが恋で、自分の欲望を

 満たそうとばかりするのが肉欲だ。

                        武者小路実篤[友情]



  ・本当に、その道の大先生方が欲情を抑えるには、求める相手の

  身体をくまなく見よと教え、恋愛を冷ますには、愛する者を

  じろじろ見さえすればよいと教えていることも、一考に値する。

                       モンテーニュ[エセー]



 ・私が結晶作用というのは、つぎつぎに起こるあらゆる現象から、

 愛するものの新しい美点を発見する精神作用のことである。

                            スタンダール[恋愛論]




 ・事情が変わればおのれも変わるような愛、相手が心を移せばおのれも

  心を移そうとする愛、そんな愛は愛ではない。

  とんでもない。愛は嵐を見つめながら、揺るぎもせず、いつまでも、

  しっかと立ち続ける灯台なのだ。すべての小舟をみちびく星なのだ。

  その高さは測れようとも、その力を知ることはできない。

                          シェイクスピア[ソネット集]



 ・とにかく恋は罪悪ですよ、よござんすか。そうして神聖なものですよ。

                             夏目漱石[こころ]



 ・愛人に操を立てていても、それがやせ我慢の結果なら、不貞より

 さほど値打があるわけではない。

                ラ・ロシュフコー[人間についての箴言集]



 ・恋の翼を借りてこの壁を飛び越えてきました、

  石の壁なんかに恋を閉め出す力はありません、

  恋はやってやれるものならすべてをやろうとするもの。

                   シェイクスピア[ロミオとジュリエット]



 ・女と酒を愛さない者は一生を阿呆で過ごす。


                         マルチン・ルターのことば



 ・恋は富よりもはるかに強い。恋は財宝よりも豊裕よりもはるかに強い。

 けれど恋はそれらの力を借りねばならないのだ。

                         アベ・プレヴオ[マノン・レスコー]




 →一つ前のページにもどる