恋愛、男、女の格言 
煩悶するふたつの魂の神秘 




 [恋愛・男女について2]


 ・恋ほど、自己への愛が厚かましくのさばる情念は、ほかにない。

  だから、いつも自分の心の安らぎを失うくらいなら、愛する人の

  平安を犠牲にしようとする。

                 ラ・ロシュフコー[人間についての箴言集]



  ・愛というものと、一夫一婦という堅い形式との間には、明らかに、

  幸福な偶然によってのみ解決するような矛盾がある。

                          ジンメル[断想]



  ・ひとは女に生まれない。女になるのだ。‥‥文明の全体が人間と

  雄と去勢物の中間のものを女性と呼んでいるのだ。

                       ボーヴォワール[第二の性]



 ・愛して愛されないのは恐ろしい不幸である。しかし

  もはや愛していない女から熱烈に愛されるのは実に

  大きな不幸である。

                        コンスタン[アドルフ]



  ・春かぜに  花ひらく  かの人の来るらし。

  春かぜに  花ぞ散る  かの人の去りゆくらし。

                           朝鮮詩集より



 ・自分は愛されている、と思っている女はいつも魅力があるものだ。

                            伊藤整[変容]



 ・婦人たちよ、これから地獄めぐりをするのだ。ドレスのすそをからげなさい。
 
                        アレン・ギンズバーグ[吠える]



 ・愛または憎みと共演しないとき、女は凡庸な役者だ。

                          ニーチェ[善悪の彼岸]



 ・復讐と恋愛においては、女は男よりも野蛮である。

                          ニーチェ[善悪の彼岸]



 ・はづかしきもの。色このむ男の心の内。
  
                          清少納言[枕草子]



 ・女の愛は食欲に似ている。深い心の働きからではなく。口淋しい

  だけのことだ。満腹すれば、すぐいやになり、吐き気を催す。

                         シェイクスピア[十二夜]



 ・恋はその作用の大部分から判断すると、友情よりも憎悪に似ている。

                     ラ・ロシュフコー[人間についての箴言集]



  ・恋をしながら、不可抗力でしばられないうちに、攻撃をあきらめたものこそ、

  軽蔑にあたいする。

                             スタンダールのことば



  ・われわれを恋愛から救うものは理性よりもむしろ多忙である。

  恋愛もまた完全に行われるためには何よりも時間を持たなければならぬ。

                             芥川龍之介[侏儒の言葉]



  ・あたしはあなたの病気です

                             寺山修司[疫病流行記]



  ・あなたの目は、こっそりと私の心を盗む。

  泥棒!泥棒!泥棒!

                              モリエール[贋才女]



 ・恋の情熱において最も驚くべきは第一歩である。そのとき男の頭の中で

  起こるきちがいじみた変化である。

                            スタンダール[恋愛論]



 ・女は恋人を見つめる、点検はしない。

                               ルソーのことば



 ・結婚というものは、男子の魅力がどうのこうのといったことよりは、

  男子の思慮分別の有る無しのほうが、ずっと大事な問題なのよ。

                           マリヴォー[愛と偶然の戯れ]



  ・私がいま、このうちの誰かひとりに、にっこり笑ってみせると、

  たったそれだけで私は、ずるずる引きずられて、その人と結婚

  しなければならぬ羽目におちいるかも知れないのだ。女は

  自分の運命を決するのに、微笑一つで沢山なのだ。

                              太宰治[女生徒]



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