自分のことば 
自分自身への戒めも込めて



[比較的短いもの1]


 ・旅と同じく、読書も行き当たりばったりでは迷子になる。

 少なくとも、当初の目的地に辿り着くのは期しがたい。



 ・感謝が、あたかも通貨のように流通する事がある。



 ・登山も、権力も、知恵も、高く登れば登るほど遭難の危険も高くなる。



 ・どうせ付き合うなら、長所短所のはっきりした面白い男がいい。

  長所からはもちろんのこと、欠点からも学ぶ事ができる。

  同じような人間が百人集まったって、大して勉強になるもんか。



 ・名声を与える事で、個人の器量は測定することが出来る。



 ・経験は、畢竟鉱石のようなものである。

  どれだけ役に立つかは、製錬技術と加工技術にかかっている。



 ・目的化したセックスは、パンだけの食事のようなものである。

  飢えは満たせるかもしれない。だが、ただそれだけである。



 ・敬愛の土壌が無ければ、恋愛は大輪の花を咲かせない。

  かびのような性愛がはびこるだけだ。



 ・多忙は天才を殺す。



 ・真の恋愛は保有しないし保有されない。

  支配もしないし支配もされない。

  この恋愛公理に気づく為に、私は多くを要したが、

  気づいただけでもまだ運の良かったほうらしい。



 ・群としての大衆は模倣しても創造しない。

  群としての大衆は欲望しても節制しない。



 ・「人類みな兄弟」

  こんなセリフを気安く吐く奴は、無能者か、何か独善的な主義者か、

  我々を油断させようとしているか、ともかく、信用するにはあたらない。




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