峯享男の磯釣り論

公開年月日:2012/ 8/12


4年に一度のうるう年・・猛暑

 50余年間、竿を持ち続けた人生の中で、今年の夏のような暑さに出会ったのは初体験のような気がします。

 加齢的な面もあるとは思いますが、あわや熱中症の一歩手前で生き返る程の暑さです。

 海の暑さを避けるため、例年であれば、このような時期には清流のアユと楽しんで来たのですが、今年の各河川は出水が多いため、水は濁り、コケの付きが悪くなり、アユの成長も今一です。

 海の場合には波が収まれば即、竿出しが出来るが、河川は一度大水が出ると川の相が変わりアユが食べるコケが付着するまで一週間以上の時間が必要となってしまいます。

 今年のような各地でのゲリラ豪雨には鮎釣りには最悪の夏となっています。

 お盆が過ぎると、朝夕の風も一変するので、もう少しの我慢と思いエアコンのお世話になりながら、日々みねうきを削っております。

 一方、海の方に目を向けると、特に和歌山県下南紀側は黒潮の接岸による反転流によって、乗合船で沖に出れば5kg前後の本鰹の回遊で賑わい、磯の近くにも本鰹は少ないもののスマ鰹が回遊しています。

 このように、暑ささえ我慢できれば、磯場でもグレやアイゴ、鰹等々と結構竿を曲げてくれる状況です。

 今年の秋は青物を始め、グレ、特に南紀、宇和海は昨年同様の釣りが期待できると思われます。

 今年は4年に一度の「うるう年」。暑かった反動で冬は寒いかもしれませんが、太平洋側を流れる親潮の離岸や接岸の状況に左右されるもののグレは好調と思われます。

 海水温の上下が激しくなる寒グレシーズンは、ウキの選択が釣果を大きく左右します。

 激しい潮流や波、強風の影響をほとんど受けないみねうきは、鮮明な当たりを視認することができます。さらに魚に違和感を与えないため、うきは一気に海中に吸い込まれていきます。

 
  何故、みねうきが激しい潮流や波、強風の影響をほとんど受けないかと言うと、中通しウキはウキの頭から道糸が出ているので、道糸が風に吹き流され、潮に乗る撒き餌と同調できなくなります。さらに付け餌がタナまで落ちづらくなります。

 みねうきの場合、水面下に17cm程度の足が伸びていて、その最下部に道糸が通ります。そのため、仕掛けは潮流に乗りやすく、道糸の風の影響もほとんどなく、仕掛けの馴染みも早く自然にできます。
  そのため、仕掛けは撒き餌と同じように流れやすくなり、結果、初心者でもウキがスパーッと消える当たりに感動してもらえます。

 名のある釣り人が「このウキの当たりは心臓に悪い」と表現されたので、私は「じゃ〜、うきの当たりを見ないで下さい」と言うと、その名人さんは「いや!見たい」・・・。

 中通しウキで名を通している名人なので今更、みねうきに替える訳にはいかない!・・・。と苦笑いしていました。

 ただ、私が手作りしているみねうきの唯一の欠点は、大量生産ができない事です。
  機械では絶対に再現できない微妙なアールや、細足に込めたオモリの細工等々、これらは私の指先のコンピューターしか作ることができません。

 一本一本、心を込めた削り出しのみねうき、50余年削り続けてきましたが、加齢と伴に削れる本数も少なくなってしまいました。その分は時間を長くして補っております。

 各地にいらっしゃる釣り人に、このみねうきで感動と喜びを味わって頂き、喜んで頂いている笑顔が唯一、私の元気の源となっております。

 

以上

2012年 8月12日

全国峯友会主宰 峯 享男

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