鈍獣〜DON-JU〜
作:宮藤官九郎/演出:河原雅彦
闘うんだと思ってた。
ポスター以外全く予備知識無しで行ったんだけど、
物語の主軸は舞台はある地方都市で
東京で作家になったイジメられっ子が
かつてイジメていた同窓生を登場人物に作品を書き、
それを復讐にとった同窓生が報復に彼の殺害を企てる、
そして、その作家の愛人だった編集者が真実を突き止めるために
その地元の街に訪れる
と言う、「ほぼ、火サス」な物語。
そんな物語を宮藤さん特有の「過剰気味のキャラな人達」
がちょっと神経質なくらいギャグを織りまぜながら進めていきます。
前半で人物説明と失踪した作家の追求、
後半で同級生の殺害を追っていくと言う感じ。
江田(古田さん)地元で飲食業を営む実業家典型的なボスキャラ
(生瀬さん)江田の同級生だが舎弟扱い、警察官だったりする
凸山(池田さん)元いじめられっ子の作家キャラ的には超人的な天然キャラ
ジュンコ(野波さん)ホステスで江田の愛人チィママキャラでノラとは仲悪い
ノラ(乙葉さん)ジュンコの後輩でホステスやっぱり江田の愛人。
江田に凸山を骨抜きにして小説を書けないように指示される、媚びキャラ
静(西田さん)編集者で凸山の元担当で愛人、この物語進行役。
凸山に他紙で関係をバラされたりして会社クビになったりしてる <
だもんだから真相を突き止めるために来てるんだが理由はどちらなのかは不明。
凸山(キャスト無し)凸山のアダ名の由来になった人物、中学の時に江田達と遊んでいる間に列車事故で死んだとされている。
この物語のキーマン、結局小説を書いたのが池田さんの凸山なのかコチラの凸山なのかは最後まで明らかにならない。
で、前半でさんざんとぼけてた江田達は静の身の上を知り、
前半終了間際に簡単に殺意を認める。
そして、とにかく後半は凸山殺しに明け暮れる。
が、死なない。
もう、猫イラズでも農薬でもトリカブトでも車で牽いても、死なない。
「もうおしまい?」必ずエレベーターから現れる。
そして、終盤にその計画は静がやってくる寸前まで繰り返されていた事を知る。
25年前同様の列車事故に見せかけ凸山は今マサに殺されようとしていた。
間に会わない事を知りつつ助けようとする静、罪悪感よりも疲労感が勝ちつつも惰性で静を止める江田達、
やがて始発は動き出し計画は虚しくも遂行される…
はい、死にません。
もう、手とか足とかもなくなっちゃってるけど、なんか血塗れだけど
「もう、おしまい?」
彼は毒にも薬にもならないフランクさでエレベーターから現れる…
そして、最後までドチラの凸山なのかも
「どうでもいいよ」
そんな疲労感の中、物語は終わります。
で、感想。
まず、予算。「タクシーにもなる移動式キヨスク」と終盤の凸山を襲う「電車」、
その制作費だけで公演できたであろう当時を知るファン及び関係者各位は感無量でしょうね、
「8000円頂いてますから」
そんな律儀な予算組みです。
そしてファンの期待を裏切らないギャグの量、約2時間半の公演に
ギッチリとは言わないまでもこの量はチト、他の人(松尾さんも含む)
には無理でしょう。好き嫌いは別にしてね。
で、休憩も挟みつつの公演で飽きさせない演出なので
時間はあっと言う間に経ってしまうんですが…
モノ凄く、役者さんの疲労感が感染ります。
特に、西田さんの前半のテンションはもう、西田ファンである私は泪目です。
西田さんをアタマに女優さんの
「キッチリ役を務めてみせる努力」
がコチラにモノ凄く伝わり、その内容が内容だけにモノ凄く無理があって
結果モノ凄くコチラも疲労します。
「疲労グルーウ゛」そんな感じ。
じゃあダメなのか?
つうとモチロンそうじゃなく、制作費同様、
「8000円頂いてますから」な律儀で健気な姿勢がファンを
「実家の母親」にしてしまう訳ですね。
私は主に「西田さんの母親」になってましたが、
そんなそれぞれがそれぞれの母親になりつつ
そして、それぞれがそれぞれの心配を持って
会場を後にしたんじゃないだろうか?
「尚美、また少し痩せたみたいだけど大丈夫なの?チャンと食べなさいよ」
2004.8.19/渋谷パルコ劇場
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茶の味
石井克人監督
渋谷のシネマライズで「茶の味」観てきました。
「鮫肌男と桃尻女」とか「PARTY7」とか撮った監督なんですが
まるで日本映画のような(邦画じゃなくて
吉永小百合さんとか高倉健さんが出てくる様ななんか大作な感じ)
ロケーションと風景描写+いわゆる、お得意のシュールなコメディの
「石井センス」の融合(大げさか?)
そんな、不思議な見応えの映画でした。
かなり長い作品なんですが見終わった後に尻の痛さで
2時間30分の上映時間に気づく程笑いっぱなし。
舞台は栃木県の片田舎、ソコに暮らす春野家の人々それぞれの
シュールだったりモヤモヤしたとらえどころの無い問題
そして、ちょっと、どうかと思うキャラクターの人(お得意の若人あきら)
そして、これまた石井監督お得意の浅野忠信さんの
演技だか素だかわからない系の演技&ギャグ
それぞれがそれぞれに過ごし、それが少しづつ、ほぐれ、
一つの時間が終わり、その終わった時間は家族に優しい優しい愛を遺す。
そして、最後はみんながこれまた優しい優しい夕焼けを見て
優しい優しい時を過ごす…
全体的に流れる牧歌的な描写とか正直、私、
苦手なんですけど疲れてたからか心でも入れ替えたのか
口元がゆるみ、非常に良心的な気持ちで観続けられました。
疲れてる時やストレスを感じている時なんかに観ると
非常にスッキリする映画です。
「癒し」とかそう言う言葉、私あまり好きではないのですが
ココは潔く負けを認めます。
「不覚にも、癒されちまった」
2004.8.13
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サマソニのレポ
サマソニ行ってきましたぁ、ええ、ええ、あたりまえですが暑かったです。
3回着替えました。
最近、流行ってもいるし夏フェス行くからと思って
「バンドTシャツ」着ていったんだが
「おまえ…頭脳警察はねえだろ?第一、出ないし」
他持ってないんだよ…おかげさまで悪目立ち。
で、午前中は流して軽めの「ロストプロフェッツ」から
ステージ前に乗り込んだのだが いやあ、甘かったッス。
もういきなりヒートアップしやがって結構センチな曲なのに叫ぶ叫ぶ…
もう、ガンガン後ろからモッシュの嵐で…良い運動だったよ、
コチラの年齢も考えやがれ
で、「NERD」は椅子に座ってゆっくり観よォとか思って戻ったら…
問題発生。連れの「かっこいい方のアベちゃん」が
「気が付いたら血だらけなんだよ」
…ユーの右足、血がピューピュー言ってるね、
応急処置して紹介状書かれて「病院送り」となりました、
はい、連れて行きました。みんな素面じゃないし。
で、途中抜けて病院行ったら5針も縫ってやんの、
明日から仕事大丈夫か?アベちゃん(かっこいい方30歳)
そんな心配をよそに「HIVES間に合うよな?」
ドコまでもやる気満々なアベちゃんをつれて戻り…
「頼むから、はねないで。」踊るか心配するかどちらかにさせて、お願い。
とまあ、「田舎臭いけど野太さでメロメロ」なHIVESを観ながら
「踊る、止める、叫ぶ、でも押さえ込む」というなんかよくわかんない
無駄なテクニックを駆使しつつ無駄な出血もなく、トリのビースティに
まあ、足切ってない俺もここらでヘロヘロだしピューピュー血ィ出したアベちゃんも
「遠くでゆっくり観る」としおらしく
「最近のhiphopなビースティはやっぱ馴染めないねえ」とか爺くさい感じでやりすごしてた。
DJはさすがに門外漢の我々でもわかる凄さだったけどね
2004.8.8
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ハイジャック専門学校'04
新宿ミサイル第8回公演
かなり、シュールな設定のこの物語は
「ロープロ形式を用いてハイジャックを実践教育する」
と言う拍子抜けするくらい真っ当に始まる。
伝説のテロリストの教師
不登校や引きこもりを経験したありがちな生徒(1)
全くの一般的で逆に怪しい謎の生徒(2)(3)
テロリストの優秀な助手
登場人物も少し物足りないくらい破常なく、オーソドックスだ
「30すぎて少年誌がやめられない」
そんな主宰の背景を感じる
そして、物語は
かつて、教師の起こした伝説のテロを下敷きに
それぞれの生徒がダメを出されていく
「役者を生かすも殺すも教師次第」
と言うかなり教師役に頼りきった展開だ
その期待に応え、実に見事に演じていたと思う。
まあ、状態で言えばこれからの劇団にはありがちな状況な訳だ
一人の看板役者が皆を引っ張る、
それが成功しているいい状態だと思う。
そして、その伝説のテロは
「他国からのテロを防ぐ為のテロ」で生徒(2)はそのテロの犠牲者の息子、
生徒(3)は生徒(2)を利用した公安官、
誤解の解けた生徒(2)
裏切る生徒(3)
どこまでも「少年ジャンプ」な展開で
観る者のヒロイズムはくすぐられっぱなしだ。
誤解の無い様に言っておくが
この一連の物語は
ありがちだがそれを感じるコトなく進んでいる。
わかっていてもキチンと物語に引き込まれる、
その力量は脚本にも一部の役者にも既に、ある。
あぁ…だからだろうか?
この物語が助手の妄想と言う「夢オチ」な事、
そして、
「本当はもっとこの本は長いはずだ」
と言うのが残念に感じてならない。
予算、役者の数、そして、各位の時間の拘束。
このドコの劇団も抱えてる「縛り」ではあるが
コレをここまで惜しいと思わせる劇団は少ないのではないだろうか?
例えるなら
明治維新前に飢饉の為泣く泣く吉原に売られていく姉を
少し離れた丘の頂上から唇をかみしめ
「早く大きくなって助けに行くから」
と誓う幼い弟。
そんな、よくわかんない妄想が爆発するくらいに惜しい。
…伝わっているか不安だが
これから徐々に大きくなって行くのを見守り続けたい、
どうにか出来る金なんかもちろんないから
せめて、見守りたいと思う
あぁ…またあの切ない妄想が…
2004.1.10/下北沢駅前劇場
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