みんな昔はリーだった

作・演出/後藤ひろひと

今年最後のお芝居は大王で。なんだか良い感じで年の暮れを迎えるじゃないか。
わたしにとって「高価な」お芝居を観ることにすると、何故だか池田成志さんが漏れなくついてくる。じゃなく、出演している。きっとそういう位置の方なのね。
暮れも押し迫って師匠も弟子も走り回っている時期に、お芝居を観るなんて。とても贅沢な気分で渋谷へゴー。空いてる!路面が見える!驚いた。 まぁ、観劇を終えた夕方からは込み合ってきたのだけれどね。

座席はF列といい場所。そして東京公演の楽日。とことんいい感じ。
幕が開く前かどうかって瀬戸際からお芝居が始まった。こうやって観客を異空間へさらっと導いてくれるのね。ありがとうよ、大王。
幕が開くなりビックリするほどバカにしか見えない池田さんが登場。 早くも大笑いしてしまった。

小ネタは無表情でとんでもない事を言い出す板尾にピッタリだった。
「ジュンでーす、長作でーす。もうひとり誰だ!」とか、「夜のお菓子うなぎパイを朝食べるのは罪かっ!!」とか”絶対ストーリーに関係ないだろっ”という部分が心に染みる。これはわたしの体質か。

さて本題のストーリーについてだけれど、「とても当たり前だ」と思った。
大王の作品をそんなに沢山観ている訳でもないけれど、以前に観たときには概ね「よくもまぁこれだけベタなストーリーを膨らませてこんだけ泣かせてくれるなー」というような感想だった。同じ場所にいるけど中空から俯瞰している感じでいられた。
今回は余りにも身近すぎて、「泣く」みたいな演出っぽい反応が出来ないんだ。自分のことに置き換え過ぎちゃって、深く浸みるけどすぐに反応出来ない感じだった。
これは子供達に観て欲しいなぁ。もしくは子供を育てている親に観て欲しいね。何が大切なのかって事かな。たっけさんがヒーローみたいに誰も彼もを助けるんじゃなく、だめゆきが本当にダメな訳じゃなく、河田が見事に悪い訳じゃなく、ヨットくんが原因でもなく、桑島が勇気がない訳でもない。かみ合ってしまったりする。
かみ合ってみえるけど、おかしい。狂ってる。それに誰かがちょっとだけ波風を立てる勇気を出すか、その必要性を感じるかどうかにかかってるんだな。

いま現在、だめゆきのような立場にいる子には「かみ合っちゃった」なんて言い訳は通じないだろう。でも、そうなのかもしれない。少しだけ勇気を出して、だめゆきみたいに20年経った桑島にも思い出せるような「声」を出すことも必要なのかもしれない。

大人になった(ヨットくん以外)彼らが当時の自分たちについて語るのが良かった。河田がだめゆきにした事、自分の事なのにエラクお怒りだったのも良い。そんな風に反省しなきゃダメだよ。

わーわー泣いたりしなかったけど、静かに静かに染み込んで来た。「少し遠くからだけど大王が応援してくれているよ」と、伝わるといいのに。

2006.12.30/パルコ劇場

そこそこ黒の男

表現・さわやか/第3回公演

チケット発売当日に前売りをゲットしたんだもの、もちろん待っていたともさ。
指定席だってんで、余裕ぶちかまして開演30分前に到着。並ぶ間もなく開場。さっそく席を探しに入ろう・・・お?
しんぺーさんが入り口すぐの座席にちこーんと座っていた。ああぁぁぁ、しんぺーさぁあーーん!!と激しく動揺したが、そこはソレ。大人なので慌てず騒がず自分の席へ着いた。

えらい男前(伊藤明賢)が化け物状の踊り子さん達に叱られているストリップ劇場楽屋。ここからストーリーが転がり出す。
「いい声」をさんざっぱら無駄遣いしたところへイケテツ登場。ものごっつい化粧。付けまつげバリンバリンで、ひっくり返りそうなハイヒール。似合ってるのよ、なんだかね。相変わらず脚がキレイでイヤになっちゃうね。

オープニングで伊藤明賢さんがピヨーンとジャンプする度に「頭ぶつかるぅー」と冷や冷やしていた。みんなはジャンプ抜きでダンス。イケテツはそっとヒールを脱いでいた。

「どこからつっこめばいいのかしら、この、宝石箱っ!」byカトリーヌ
「動きに見とれて情報が伝わってこねーよ」byナカッチ
「ウォーーーターーーー!!!」byサダッチ
「いなばうあぁ・・・」by荒川静香
「かっこいいじゃねぇか。ふっ」byヤリマン先輩
「生きてる事は噛む事なり」by鳥居さん

心に残る名言が盛りだくさんで、どれもこれも面白かった。
前公演に引き続き長井大が登場。なんだかスターになってた。
余所で話してる間、本気でバカとしか思えない顔でいる長井大に幸あれ。

場面は、ストリップ劇場楽屋>スカウトのキャンプ場>紫綬褒章授賞式会場>ナナと靖輝の新居>さかもとパン屋>オーディション会場>牛丼屋>ファミレス>ストリップ劇場外・・とサクサク変わって行く。

それぞれの場所に目玉が用意されているのがスゴイ。

さかもとパンの坂本先輩とヤリマン先輩は以前、栗駒でUSJを経営していたハズ。今は”山パン祭り”を執り行っている。

実は、この山パン祭り見たさに会社を早退して当日券でもう一度観た。だって伯爵が歌って、坂本先輩とヤリマン先輩がパン持って踊って、間奏で伯爵が何故かタップダンスを披露して、そしてパンの山車持たされるナカッチとノモヤン。面白過ぎだよ。2日目は「山パンっ!」て唱和したよ。
山パンCDとかDVD欲しいよ。バカだな、つくづく。

耳元ランデブーでお馴染みのマイケルさんも登場したし、長井くんはこっそり「サミュエル、エルサイズ・・」と言っていた。ここで「クヒヒ」と笑った人は、ランデブー聞いてるよなぁ。
もうバカバカしいこと甚だしいんだけど、でもなんかね、ラストがいいんだよ。妙にしみじみなんだよね。楽しかった、ものすごく。

2006.11.25 & 2006.11.29/下北沢駅前劇場

イヌの日

阿佐ヶ谷スパイダーズPRESENTS

勝手に敷居が高い気がしていた阿佐スパを、ようやく観ることができた。朝から掃除洗濯荷物の受け取り等々、雑用をきっちりこなしての出陣。多少出遅れたので劇場に到着したのは12時半頃だった。しかも電車が遅れたしね。「お急ぎの所を申し訳ごさいません」って言ってたけど、ホントっすわ。出社よりも数段急いでたっすわ。間にあって良かったっ。
最近は生意気に前売りを購入する事が多く、久しぶりの当日券並びだった。みなさん通路の方が良いとのことでパイプ椅子とはいえ一番前の座席をゲットした。

芝居が始まって解った。これ、再演だから知ってる人は少し後ろで観るのね。お二階でお芝居開始だもの。お首痛いもの、ちみっと。

阿佐スパは初見だけど、伊達さんは「腑抜けども・・」で一度観ていた。あの時も、なんかこう身内の愛情でごちゃごちゃした役所だったな、となんとなく思ったりもした。

いきなりセックス場面から開始。慣れたね、大人計画で色んな事にさ。直後の隣室には「タバコとあたしとどっちが好き?」というナイスな質問を投げかける女が登場。いきなりこの台詞にシビレた。

金をせびる明夫に「この間貸したじゃない」という陽子。だが、明夫が言うには「この間借りたのはこの間の分!!」らしい。見事な開き直りに襟を正す思いだ。

所々でというか、明夫が登場する場面が多いが「ここで息抜きしてね」てな具合に小ネタをちりばめて笑わせてくれる。
それが無いと息が詰まるじゃないかってくらい重たい話しだ。

ヒトはお母さんを大事にしたいんだよな、基本。きっと愛してるし、当然愛されたいんだよな。例えどんな目に遭わされたとしても。
唐突だが世の男子よ。
今でこそお母さんはお母さん星から来た不思議な生き物だが、元はキミの隣に座ってる女子のような生き物だったんだ。お母さんも人間で、そして女なんだよ。
ほんの少しだけ女でいることを許してあげられないだろうか。そう、キミもそろそろ大人になったのだろうし。

いろんなことが色んな風に巻き起こる夏の日。とても暑い日。たった一人見つかったのは宮本君かと思われるが、どうだろう。いろいろ解らないけど、それでいいんだろう。

久しぶりに観た美保純は良かった。テレビドラマの時も好きだったんだよね。あと、「虎ノ門」でのビデオ鑑賞コーナーも好きだったよぅ。
とうとう観れた八嶋智人。きっちりイライラするむかっ腹の立つ人物だった。流石だよ。
大堀こういちもなんかこう、ずーっと胡散臭いの。胡散臭さを人型にくり抜いた感じ。
とにかくまた観たい。切実に観たいな。

2006.11.23/本多劇場

木更津キャッツアイ ワールドシリーズ

イヤッホーー! 木更津キャッツアイ!!!
全部観たさ。テレビシリーズ開始前から待ちに待って、一度も逃さず隅から隅まで観たさ。
日本シリーズも観たさ。当たり前さ。あぁ、一人で観たさ。何か?
で、ワールドシリーズ。観ない理由がわからんね。

いきなり韓流ドラマから開始。・・・眞露かよっ!
ものごっつウェットに仕上がってるところが本当っぽい。 韓国でリメイクしたら、きっとあんな風になってるだろうと思うよ。

ウッチーの本名が『内山はじめ』だった驚き。
『山ほたるダンシングモール』って本気でどっかのアホなおっさんが命名しそうだという恐怖。
ゾンビ長という役職が存在するのだとういう事実。
死んでからも時々黄泉がえると『結婚詐欺』と呼ばれるという真実。
項目別では、このあたりにグッと来たね。

バカみたいにずっと笑ってるクセに切ない。コウスケにコウヘイ君が見えない理由を考えたりもしてた。最後に「お父さん」て呼んだから、「ありがとう」って言えたから見えないのじゃないかしら。 見えないのじゃなく、見る必要がないという意味なのじゃないかしら。
そんな事は関係なく会いたい(見たい)と思っているコウスケの切ない表情がたまらなく良かった。

美礼先生はオジーにもコウヘイにもお香典は一万円ずつ払ったらしい。これは適切なのか誰か教えて欲しい。
山口先輩が作ったヘルスって、昔ローズさんが踊ってた場所よね? ナイス。
「ビールが好きです! 死ぬほど好きです!」と言うオジーはもう死んでるのよ。
モー子が猫田と結婚するにはどんなストーリーがあったのだろう。んで、モー子父が「船越」。宮藤マニア向けサービス。あ、あと「チビT」もサービス出演だな。

月日が流れる、というのは残酷だったり優しかったりするものだ。ぶっさんとほかのキャッツ達との距離が開いていく。その分だけ、悲しみは和らぐ。そんな風に暮らしていく。

時間が流れたからこそ最後に会いに行けなかった後悔と向き合えて、何が辛くて会えなかったかを自分が理解できて、そして「ばいばい」と言えるようになった。
現実にも同じことがある。3年後くらいに会いに来てもらえる制度があればいいのに、とバカな事を思ったりもした。

ホントに「言いたくないけど、ばいばい」そのままなキャッツだった。

2006.11.11

ウーマンリブ先生

ウーマンリブ/VOL.10

チケット発売当日にウッカリ寝過ごしたため、手に入らないだろうと諦めていたのになんとか入手したこの作品のチケット。観ない訳にはいかないキャストだもの。 松尾ちゃんと古田さんが並んで写ってるのよ?
どうして観ずにこの先過ごすことができようか。
ただし、寝過ごしたため手に入ったチケットは二階席だった。思ったより遠かった。動きは見えても顔の細かいところは見えなくてかなり残念だった。古田さんが髪を耳にかける時、絶対薬師丸ひろこの物まね顔になってたハズなんだけど、見切れなかった。それだけが心残り。

いきなりだった。とにかく「女がいっぱい死んで」た。あっちを開けてもこっちを覗いても「女がいっぱい死んで」た。数字的にも状態的にも「いっぱい」死んでた。
そして幕が開いた。

「先生」と呼ばれる程のバカには成りたくないものだ、と常々思っている。今回は「先生」が「先生」と呼ばれている。なんだかとっても楽しい予感。大人計画な人が「先生」と呼ぶことにするなら、何かある。
宮藤さんはサイトのお悩み相談への返答で「誰かに”頑張って”と言うのは相当心がこもってないか会話を終わらせたい時」と言っている。ナイスだ。この感性による「先生」発言だもの。
これでもか、という位のダメでイヤミな「先生」ぶりも良し。どうしようもない屋敷の編集ぶりも良し。「着信アリ・ファイナル」は観てない。きっと宮藤さんも観てない。観てるんだろか?

女性陣のすばらしさ。
伊勢さんの朗読(+ロード)。なんとも言えない。
池津さんの豹変ぶりと意味なく上手なフラダンスも良過ぎ。
紙ちゃんのバカっぽくしゃべってるけど本当は理屈っぽくて、更に若さを鼻に掛けた腹立たしい様子も良かった。
大人計画の本公演では「全員登場させるので精一杯」な感じがするし、観ているコチラも「全員確認するので精一杯」な状態なのだけれど、落ち着いて芝居を楽しめる人数だったんじゃないだろうかと思ったりもした。

芝居を観ていていつも思うのが、言葉で説明仕切れない感性の部分。朗読の時に必ず『ロード』をかける。『J-WALK』を登場させる。『若い頃の曙と相原勇』にまで言及する。ただ、言ったり流したりするだけでそれにまつわる空気というか感情を共有できるかどうかで、面白いと思えるかどうかが決まるんだと思う。

今回は三船美佳さん的には朗読の部分が納得いかなかっただろうな(余計なお世話)。

宮藤マニアにはサービスとして「フナコシ」も登場。バカ受け。
グロさは少し抑えめにして、エロはあくまで笑える範囲内に抑えて、芝居の後に色々考えて、やっぱり最高に面白かったと思う。

2006.11.04/サンシャイン劇場

宇宙戦争

男子はだまってなさいよ!/VOL.5

特に何の用事もなかったし、本当なら別の日の方が良かったかもなのに何故か金曜日にお休み。
理由は社長がお休みだから。社員も休んじゃえってだけのこと。こんな会社でいいのか。こんな社員でいいのか。ごめんね、社長。

せっかく時間ができたんだから、様々溜まった用事を一気に済ませて、いそいそと下北へ。狙っていたお芝居の当日券をゲットした。
行ってみようと思いつつ時間が作れなかった『男子』。まずはロビーでの物販を物色。TVBros売ってるよ。毎号買ってるからここで買わなくていいよ。もっと華やかなモノを売ろうよ。

しょっぱなから良々がゆるーいブリーフで登場。とにかく全体的にユルイ。どうでもいいことだけど、良々がボクサーショーツとかカッコ良さげなおパンツで登場したらショックだろうな、とくだらないことを思う。
「隊長、迷惑メールへの返事を書きますので失礼しますっ!」と妙にハキハキした良々のメールの内容がいい。 ”大変よいお話をありがとうございます。今回はおうけできませんが、女社長さんへよろしくお伝え下さい。”って。一度返事してみたいね。足のつかないドメインでもゲットできたらしてみたい返事だよね。

その後、お父さんがいきなりUFOにさらわれて、ぐちゃぐちゃになる。

そもそもストーリーの連続性など期待しないわたしだけれど、細切れに次ぐ細切れで、多少息切れ。それと、客が寒い。平日の昼間ってこんな感じなのだろうか? 劇場慣れしてないのね。なんとなく。

小ネタでは、アルフィー・しょんべんテスト・ゾンゲリアン・金・メリージェーン・原田芳雄・番長・パラボラマン(かみかみ)などが良かった。

わたしのせいなのか、劇場のせいなのか、客のせいなのかわからないけど、とにかく寒くて寒くて終盤は物事の理解が困難になる程寒かった。帰ろうかと思っていたくらい。

そんなわけで、スズナリでやってた『白鷺の舞い降りる森で。(ベンガル)』と『宇宙戦争(斉木しげる)』と迷った末の決断だったが良々が面白いのも、池津さんがステキなのも近藤さんがあんな感じなのも知っているので純粋に”斉木さんが見たいかベンガルか”という選択だったが、「ベンガルにしときゃ良かったのか?」と軽く後悔する程の寒さだった。
ここ2年程、下北の劇場には通い続けているが、平日のマチネは初めてだった。平日のマチネっていつもこんなに寒かったり暑かったりするのだろうか。お芝居の感想を述べるどころではないし、風邪を引いたもよう。

2006.08.11/本多劇場

電界

猫のホテル

待たせてもらったよ、本公演。久しぶりさ。「土色の恋情」ぶりだよ。
あまりの久しぶり加減にやっちまったさ。とうとう禁を破ってイケT買ったよ。ついでと言っちゃ失礼だけど罪と罰のCDも買ってしまったさ。サイン付きだよ。

とりあえず、開演前にさんざっぱらグッズ売場で大騒ぎをやらかして ようやく鑑賞の運びとなる。いつものわたしのパターンだ。

ガンツさん、お久しぶりっす。いつも映像でお会いしてまっす。うぃっす。
まことさん、ちみっとだけですけど、めだか師匠に似てませんか? いや、そんなことないですよね。まさかね。

パンいちイケテツ登場。あ、靴下履いてたから、少しウソ。かなり変態チック。そして、足が長いよ、イケテツ。パンツがお似合いよ。

かなり気になっている俳優、松重豊さんが客演。やっぱりステキだった。
常に飄々としたあの風貌。するりと長い体躯。なんだかとても似合っていた。「サイトウ」に。

身近な宝物に気が付かない・・・そう。何が大切で何が大切じゃないのか。たいてい失ってみるまで気付かないようなものが大切だったりする。
いくら気を付けていてもウッカリしてしまう。
どうしたかったのか。どうしてきたのか。どうなったのか。何をしたのか。しなかったのか。
わがままは美しくないが、どれを大切に思っているのかを見失わない程度にわがままでいたい。埋めてくれなんて頼まないように。

イケテツの自主練に爆笑。「ひとりでできるからっ!」という悲痛な叫びに涙した。

おまけ - 終了後にお得意の下北駅前おトイレに行ったわたしを待っていた同行者は「あ、いま第一漁協のお酌好きの人、通ったよ」と言う。ガンツさん・・・見逃し・・・

2006.08.05/本多劇場

初恋のひみつ

ドナインシタイン博士のひみつ学会/§3

なんだって1日に2本芝居を観るのか。しかもシベ少に続けてこんな面白いのをっ。さすがY氏。ぐっちょいっ。

今度は新宿。参加メンバーが1名増えて、当日券に並ぶ。
なんだか女子が多い。だのにわたしだけおっちゃん2名に囲まれている。喜ばしいのか悲しいのかちょっと判断に困る。

とりあえず、レポートの提出から開始。思い出せってさ、初恋を。
無理よ、そんな昔のこと。戦後のゴタゴタですっかり・・・(いつよ?)

何が起こるかわからないまま腹筋さんに突入。もう「ニューロン」でいっぱい。汗ダクの腹筋さんに飽きたかなぁと思っていたものの、今のところ個人的に一番流行っているのが「ニューロン」ごっこ。どんなだよ。
続いてカリカのネタから「今の俺はさっきの俺じゃないから」というセリフ。
どうもピンポイントで観た人だけにしか受けないところがひっかかりどころ。

それと粟根さんから「ファイナルファンタジーは1から3までやらなければならない」ということを学んだ。
さすが学会。なんとも勉強になるじゃないか。

しばらく後引くこと間違いなしなのは、やっぱり大王の「レッツ、絵!」助けて、面白すぎ。

あ、真面目に1つ。”愛”は一緒にあることで、”恋”は一緒にいないことらしい。そんなにかけ離れたことだとは、ちぃとも知らなかった。

2006.07.15/新宿シアターモリエール

残酷な神が支配する

シベリア少女鉄道/vol.16

久しぶりのシベ少観劇。勿論おデート。
数カ月ぶりにいつものY氏から「チケットあるよー」とメール。 何もかも投げ捨てて駆け寄る。 (用事が無かったとか、どうせヒマだったんだろとかの穿った考えは良くない。捨てたまえ。)

急なお誘いをいただいたため、例によって予習なしで出かけた。
劇場へは迷わずに行けたが、その珍しさのためか電車も止まる土砂降りになった。 そのために開演時間が40分程遅らせるることになった。
ってことは、なに? 開演時間が遅れたのはわたしのせいか?

何はともあれ開始。何故だか静かに穏やかに緩やかに。
いつ仕掛けられるんだろう?と身構えているコチラとしては 「え? なに? もしかしたら最後までずっとこの調子?」とか余計な心配ばかり。

大丈夫。回ってるから、きっと大丈夫。

思った通り回ったけど、回ったけどね、山内兄が「少し気分が悪くなって来ました」と言った通り回りすぎ。
実際観ていたわたしも最終的に「少し気分が悪くなって来ました」。

久しぶりでもやっぱりシベ少。文句無し。

もうね、フライヤにある偉くカッコイイ画像の意味など問わない。何も問わない。それがシベ少。笑ったから。
猪木ね、そう来るかっ

2006.07.15/吉祥寺シアター

まとまったお金の唄

大人計画

なんだかものすごく早くにチケットを手に入れたが、その時チケピのおねーさんに「いつでもいいから土曜日ください!」と言ったところ「ホントにいつでもいいんですかっ!(半ギレ)」と聞かれた。「いいですけどっ!(キレかかり)」と言ったものだが、そらそぅだ。
おねーさんが正しい。黄金週間のまっただ中にお芝居ってあぁた。あたしゃ行くけどね。おねーさんの心配も正しいわな。だからってキレる必要はないがな、おねーさん。

待ちに待った当日。自慢の従姉妹を従えて劇場に突入した。例の「座布団席」について講釈をたれたり、お手荒いに走ったりと大忙しのわたし。
そろそろ始まるわね、わくわくするわっ! なわたしの目に飛び込んできた信じ難い光景。 一つ前の列に座ってる男子の”ホワイトバンド2個着け”。
おぃ、それは無いだろ。
何が無いってさ、大人計画にだけはホワイトバンドは無いだろってハナシだよ。それは間違ってるだろ。ホワイトバンド巻いちゃうならキャッツ観ろってハナシだよ。偏見か? これは偏見か?

そんな衝撃的な事件を乗り越え、鑑賞体制を整えていたわたしの隣で「座布団席」の女子が携帯の電源を切るどころか電池パックを取り外してる。
そこまで繊細なのか? 外さないと鳴るのか?

そんなこんなで始まる前から勝手に疲れているわたしの事などお構いなしに幕が開く。

舞台は万博で沸きたつおおちゃかのとある貧乏一家。これでもかーな衣装を身につけた登場人物たち。
そして来たよ、ウンコ。いきなりウンコ。葬式なのにウンコ。
おなかいっぱいウンコだった。最初っから最後まで。

今回は、華やかな客演と地味な客演とが入り乱れていた。わたしの愛する猫ホテから菅原さんが参戦。 いつもの通り、軽くマニア臭をまき散らしていた。ナイス。

ウンコ・乞食・びっこ・おかまとカラフルに総出演させての松尾ちゃん節。見事に松尾ちゃんなテイスト

「何度もおとーちゃんが死ぬんだよ」というおかーちゃんの一言のためにもしかして2時間半があったのかしら。

あ、あと、サンタは脱皮するから。ね。覚えておいて。

2006.05.06/本多劇場

Vフォー・ヴェンデッタ

なんだか今年は気ぜわしいというか何というか、 どういう訳だかちっとも映画館に行けなかった。
ようやく時間ができて取りあえず劇場へ行ったものの・・・何を観るつもりでもなく、ぶらぁっと鑑賞。

当たり。そういえばミスタースミスが出るんだけど 一度も顔が見えないと言っていたな、と思い出した。

ストーリー自体は、どこかで観たことがあると言えばある。んが、ナタリーが愛らしいのでオッケィ。
それにしてもナタリーは、レオンの時と同じ状況だと 思わないか?(あ、ネタバレ?)
なんだってそんな面倒くさいおっさんにばかり惚れる? やめとけよ。今後は爽やかな青年と恋愛をしてくれ賜えよ。あぁ、老婆心だとも。

それにしてもあの人を食ったようなマスク、ラストでとっても活きていたことよのぉ。

2006.05.03

約三十の嘘

かなり前から気になって気になって公開中に見逃してしまったことを後悔したりしていたこの作品。
ようやくレンタル出来て、のんびり鑑賞。

田辺誠一。最近この人をやたらと観る。
お芝居に行っては観、映画借りては観。 お目当てが別にいたハズなのに、気が付くと彼に釘付けとなっていることが多い。
今回も彼のキャラクターはとってもすばらしい。
牧場は無いと思うよ、ホント。あからさまに騙されタイプの詐欺師。大成しないこと請け合い。

そんな田辺誠一演じる久津内くんの言う「お祭りに参加できない人」達が、自分の家族を作っているように感じた。
きっとお祭りに参加できない人は、自分の肉親のお祭りにすら参加できないんだと思う。どこかで俯瞰している自分を捨てきれないのだ。
我を忘れて夢中で何かを欲しがる・喜ぶ・悔しがる・・・といったごく当たり前の行動の中に、何故だかほんの少しの劇場性を見い出してしまう。
拗ねてる訳でも達観している訳でもない。ただ<自分はあの中に入れない>ことを知っているだけだ。
そんなお祭り出来ない人々の、ちいさいお祭り。少しだけ羨ましく思った。
そして、「パインちゃん」と呼びかける姿に涙するわたしだった。

『BeRLin』の時にとてもとても素敵だと思った中谷美紀が「なんとなくテレビの枠からはみ出ているなぁ(ケイゾクを除く)」と思っていたのだけれど、見事にハマっていた。当たり役だったと思う。
美人全開で男前で、素敵だった。

2006.03.19

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