美少年オンザラン

表現・さわやか/第5回公演

初回公演だけ見逃しているっぽい「表現・さわやか」の公演も今回で第5回目だ。年に1度の公演だから、わたしが下北沢へお芝居を観に通いだしてから4年は経過したということだろう。表現・さわやかで計るこたぁないと思うけれどね。

前回の公演で客演だったサモアリ佐藤さん、そのまえのそこそこ黒で客演だった明賢さんがそろって登場してくれるという、たいそう贅沢な仕様となっていた。

例によってオムニバスなので、つらつらと思ったことを。

菅原くん、痩せた! すっきりしたわ。猫ホテ公演ではメタボっぷりに驚いたので、今回は素敵に変身していてなんだか嬉しくなっちゃった。
ご挨拶ダンスのイケテツはもちろん女装。もう女装抜きでイケテツを語れない。佐藤真弓さんがおっちゃんでイケテツが女装。これでいいのだ。
モーターショーが最高だった。恒例の栗駒におけるアミューズメントコーナーが今回はホンダのモーターショーとなった。ホンダて。
そして究極のモンド・セレクション。助けてください。お腹が痛いです。
そこそこ黒あたりで、いけしんが長渕の真似をしつこくしていたのがそのまま採用されたのか、今回は長井大ではなく白州黒次郎が登場。長井大の不在は少々悲しかったが、白州さんもよかった。残念だけど彼はアホっぽくないのだ。いけしんのアホ顔マニアとしては一抹の寂しさを感じてしまったが、長井大が登場すればしたでイライラするのよねぇ。

目の前に座った女子が規格外のガタイの良さだったうえに、わざわざ髪の毛を頭の天辺のちょい横で結んだうえにでっかくてまぁるいポンポンみたいな飾りまでつけてくれてて・・・。えぇ、舞台が見にくかったっすわ。見えなかったすわ。相変わらずの外れくじっぷりを発揮してしまった。

2008.11.29/下北沢駅前劇場

七人は僕の恋人

ウーマンリブ/VOL.11

成志さん万歳!な感じ。もう、成志さんだらけ。とはいえ、今回は星野さんもじっくり拝見できた。

とりあえず、成志さんのしょっぱなは「がまん汁先輩」だもの。もういろいろ卒業していいキャリアを持ってして「がまん汁先輩」だもの。日サロキャラだったよ、先輩ったら。いつどこで日に焼けるんだ、と小一時間問い詰めたいくらいだった。

とにかく笑いっぱなしの2時間をありがとう。

「パチンコ伊勢志摩」が実現したなら、ギャンブルにめっぽう弱いわたしも挑戦したいと思って止まない。 そしてズッキー。ズッキーのハイテンションなダンスにめろめろ。ダンスの度に吹き飛ぶヅラは、ファンがそっと頭に戻すのが慣わしとなっている様子。いまからでもファンクラブに入れるのだろうか。なんとか頼みたい。一から覚えるのでよろしくお願いしたい。
最後に娘に「来年も」というあたりがしっとりと良い。人は楽しみのために生きているのよね、などと思ったり。少々無理をしても楽しむってのは本末転倒なような、本来の姿のような。

とにかく、良かった。ブラックレイン2009もお楽しみに!

2008.11.15/下北沢本多劇場

115

作・演出・出演 腹筋善之助

Piperの一員としてお芝居を観ることはあったけれど、一人芝居は今回初見だった。以前に腹筋さんを観たときは「ニューロン」にはまったが、まただ。もうすっかりジャンパーに夢中。でも、クモは嫌い。ごめん。

主役は115。もしくは116。もしくは武蔵。はたまた小次郎。もう誰でもいい。誰というか、どれも人ではない。
人間は汚れまくったいやな奴だけが登場する、と言いたいところだけれど、一般的な人間が登場するだけだと思う。他の生き物の目線なので、とてつもなく腹立たしい邪魔な存在だ。人間自体の存在が邪魔なのだよなぁ、と改めて悲しく思ったり。

養鶏場にいる116に会うために115は命を懸ける決意をする。ただ会えればいい。それだけだ。

わたしは祈っていた。会わせてあげて、と祈っていた。「鶏肉大好きぃー!」なクセに何を言うのだ、と思いつつ祈っていた。だらだら泣いていた。もう泣きっぱなし。
で、ついでに笑いっぱなし。もうどうしていいかわからない。
それが腹筋さんの一人芝居なのだ、と思った。

最後に残念なお知らせ。心当たりはないのだけれど、笑ったり泣いたりすごく集中していたにもかかわらず、途中でいきなり前触れもなく寝てしまった・・・。なんだろう、コレ。お年頃なのかなぁ・・・。寝てしまったことに気づいて驚きおののきつつ、最後まで泣き笑いで終了。また観る。
エンドロールで「死汚り(り、だけ漢字わからず)」の名前が抜けていたのでドキドキした。

2008.11.15/笹塚ファクトリー

びっくり校長先生

動物電気2008秋公演

他の予定がぽつぽつと入っていたので、すっかり諦めていた今回の公演だったのだけれど、なんとか最終公演にたどり着くことが出来た。
ウキウキお席に向かったら誰か座ってる・・・。ぬ? 「席、間違えてませんか?」と普通に尋ねたら、座っていた人というよりお隣のおばちゃまがイキナリ逆ギレた。「指定席なのっ!わかんないじゃない!」その態度はいと下品だったことよ。

なんとか席に着くと、数列前に中村靖日さんがすーっとやって来てチョコンと座った。華奢な人だなぁと思いつつフライヤーをパラパラしていると、目の前にオレノグラフィティさんぽい人が座ったのを隣のY氏に教えようとした刹那、「ほらほら」と目線で何かを知らせてきた。なになに?えええええっ!
ぽい人じゃなくて本物だ。いっちゃん前の席にオレノグラフィティさま。すてき。でかい。お洋服赤い。

そんなこんな騒いでいる間に幕が開き、いきなりコバケンが歌いだした。待ってました!
最初っからぶっ飛ばしてて、「人前で裸になるなんておかしいよーっ!」とコバケンが叫ぶ。自らを全否定するその台詞に大爆笑。

校長先生はコバケン。コバケンのおウチがお寺で、何かといっちゃぁ人が集まる。そこが今回の舞台。新任の先生は下宿するし、近所の不倫カップルの逢引の場所になるし、にぎやかなお寺だ。昔ってそうだったかな。お寺ってそういう場所だったのかもな。ま、不倫の逢引に使っちゃいかんとは思うけれどね。

ずーっとお腹抱えて笑いっぱなしだけれど、いい。とてもいい。暖かくて懐かしい。すっかりその存在を諦めかけてる良い大人がたくさん登場する。田舎のつながりってメンドクサイけど有難いもので、そういうのを思い出しながら観ていた。

例の「面白いこと」が大変なことになってた。コバケンばかりかゲストの山田伊久磨の壊れっぷりも相当なもんだった。もう本気で二つ折りになって笑わせてもらった。て、先週は今奈良さんが客演してたし、実はエッヘ強化月間なのかも知らぬな。

だのに、最後がいい。あんな大騒ぎの後なのに、きちっと締まった。すばらしかった。藍子先生が言うように「綺麗なものだけ見て生きていたい」けど、そうは行かないって知ってる。知ってるけど、どうにかならないかなぁって思ってる。そんなことをぐるぐる考えてしまうのだった。

やっぱり大好きだなぁ、動物電気。辻君がお休みで少しだけ寂しかったよ。

それと、公演終了後にロビーにいるオレノさんに群がっている女子たちは、どういう訳だか何処かに赤を取り入れたファッションだったよ。オレノさんカラーなのかしら。謎だ。

2008.11.09/下北沢駅前劇場

電車は血で走る

鹿殺し第18回公演

今日も今日とてお芝居を観る。かなり短いタームで新作をドカドカ提供してくれる鹿殺しな人たちなのだけれど、どう表現すればいいのか己の力不足を実感しつつ言うと「ぶれない」感じがしている。そしてその芯にあるまだ掴めていない何かが気に入っているんだと思う。

あーっ! 帰宅後ゆっくりパンフ見てわかった。どっかで見た人だと思っていたら、秋桜ジュラ姉さんったら今奈良さんだったんだ。すまん、気がつくのがこんな遅くで。ホントすまん。

少々難解で咀嚼しきれない感がつきまとうのに、それでも毎回涙してしまう鹿殺し。今回は小学生の鉄彦が主人公だからか、深遠なる言い回しよりもストレートな台詞が多かったように思う。
チョビさんがどんな言葉を選ぼうと、理由は自分でも理解しきれないまま涙が流れるのだ。

いつもより優しいラストだったように思う。わたしの勘違いでなければ、だけれど。

わかる、わからないなんてきっとどうでもいいんだ。心のどこかに何かが伝わってきたらそれでいいんだ。
おバカさんなわたしはそれで大満足なのだ。

あ、そうそう。「実家」。狙われるから気をつけてっ!

2008.11.01/青山円形劇場

ベントラー・ベントラー・ベントラー

作・演出/後藤ひろひと

まったくもって久しぶりの大王もの。嬉しい楽しい大好き。
会場に入ったとたんに楽しませてくれる。宇宙服のあの人が開演前の会場をチェックしていた。記念撮影もどちらかといえば強要する方向性だったよ。

そして幕が開いた!と思ったら大王。ここにワンクッション来るのね。大王の言った「Suika茹でたらどうなるのか」の答えを知りたいわよ。今だって知りたいわよ。なんだったら茹でたいわよ、と思うわたし。

なにがどうやら、誰が誰やら。細かいことなどどうでもいいの。面白かったの。

とりあえず、金星人には気をつけた方がいいらしい。「電波出さはるから、脳がきゃっきゃっきゃってなるねん」とひろゆきが言ってたから。もう「きゃっきゃっきゃっ」に夢中なわたし。自分の脳も「きゃっきゃっきゃっ」方面なので心に染み入ったと思われる。

当日急に会場にいけなくなってチケットを譲ってくれた見ず知らずのどなたかへ感謝しつつ楽しく楽しく観てきた。
最後に腹筋さんの一人芝居のチケットも購入。抱き合わせ販売の罠に注意。

2008.10.11/スペース・ゼロ

その男、アゼルバイジャン

BHU第17回公演

何がきっかけで何が始まるのか。自分でもさっぱり予測がつかないから面白い。わたしが小劇場へ通うようになったきっかけもどこかにあったはず。公演の度に必ず追っかける劇団に出会ったのも何かの縁。そして、BroaderHausUnit(BHU)にはネットのとあるサービスで出会った。
わたしにとって劇団に出会うには珍しいケース。それでももちろん出会ったからには観に行く。
お芝居って、DVDなんかで観ても面白いけどやっぱりライブが一番だなぁと本当に思う。地方に住んでいて観ることができなかった時代の自分がお気の毒に思えてくるくらい。

初めての小屋で初めての劇団。勝手がわからずまごまごするも、とても良い座席をキープすることができてご機嫌なわたしの前でお芝居が始まった。

ありふれた日常に突然舞い降りた非日常。なんだそら?な出来事に、意外と淡々と向き合う奥前田一家の物語。

奥様の恵さんがいい。役者さんの見た目もセリフに合ってる気がしてくる。これぞ演技力なのか。
繰り返しに弱いわたしの心を捉えたのは「おくまえだー」。これ、スルメ的に面白くなってきた。昨日より今日が面白いかも、という逸品。
そして、「投げっぱなし」と「槍っぱなし」に行きたくてしょうがない気持ちにさせられた。
帰り道の同行者との会話にはすでに「あぜるばいいじゃん」が組み込まれていた。次回も楽しみ。

2008.10.04/テルプシコール

世界の博覧会

劇団ワンダフルズ第3回目公演

いつか行こうと思いつつ、タイミングを逃し続けていたサモ・アリナンズ。結局サモアリの公演は観ることが出来ないまま倉森さんが逝ってしまった。

その後もやっぱりタイミングが合わず・・・ようやくワンダフルズで観ることができた。

しょっぱなのウェルカムダンスから既に腰が砕けるほど笑った。以下、最後まで笑いっぱなし。何が何でも笑う。

舞台暗転中の父と息子の会話も良かった。明らかに嫌がっている息子を連れ回す妙に滑舌がいい父親。分裂してるしね。そして良々はやっぱり最高に面白かった。ヘレン先生の顔芸なんて彼しか出来ないというか、彼だからこそ面白いのではないかしら?と思う次第。

映画館やら劇場というのは暑さ寒さがまちまちで、今回も寒かったら最悪だと思い少々暖かめの服装で観劇に望んだため、後半はどんどん暑くなり大汗かきながら大笑いしてさらに体温が上昇する・・・というすてきなループ現象により汗だくで終了した。

終演後、ハンバーグ佐藤さんによるバイオリン演奏の中、どんどん客が引けていくのが面白かった。「ならでは」感がとてもよかった。
劇場で初めて拝見した浅野和之さん。テレビで観るひとだー!と思いながら観ていたら、もちろんネタにされてた。学校の先生の役ばっかりやって「○○さん」の悪口を言ってるらしい。誰の悪口かは劇場に居た人はきっと覚えているはず。

現在はほぼストレスフリーのわたしだけれど、もしもストレスがたまっていたとしたら綺麗さっぱり洗い流されたであろう逸品だった。また観たい。

2008.09.20/下北沢駅前劇場

ぐるりのこと。

あぁ。リリーさんに惚れてしまったかも知れない。

「イイコでいよう、きちんとしよう」と言われて育ったわたしだ。
翔子の気持ちはよくわかる。今でこそかなりだらしない生き物に成り果てているが、その昔はやたらと頑張りすぎてハゲちゃったりもしたものさ。
「力を抜いていいんだよ」と言ってくれる人がいても、それでいいと信じることができなかった。いつでも力を込めて歯を食いしばっていないとダメだと思ってた。今でも少しそう思ってるけれど、努力していい加減をやってるところがあるけれど、そのうち本当にいろいろな事にいい湯加減に緩いババァになれるんだと思ってそっと生きてる。

翔子ママの子供っぷりに激しく共感した。娘がボロボロに傷ついているにもかかわらず、自分の要求だけを押し付けるママ。気づけよ、と。ひっぱたいて目を覚ましてやりたいと思った。
しかしだ。だからこそ、ラストのママに落涙するのだ。

わたしがここにいていいのかわからない
わたしはわたしのカナオさんが現れなくとも、優しく微笑むことができるだろうか。それとも・・・。

2008.07.19/シネマライズ

轟きのうた

劇団鹿殺しオルタナティブズ Vol.3

初めてのハコ、下北沢楽園。狭いぞぅ。想像以上に狭いぞぉ。
もともとエコノミー症候群なスペースなのに、わたしときたら右隣と前に基準値を大幅に超えた体格の人を配置されてしまい、そらもう大変だった。身動き一つできないぜ。

『神の科学 創世記 6月号』の付録にて、地上に人は作られたのだという。聖書より少々早めで3日で出来るよ、という出だし。

いろいろと難しいのだけれど・・・。
ヒトはヒト。自分は自分。
とか
ヨソはヨソ。ウチはウチ。
というような気持ち。これを徹底しようよ、自分にも他人にも。というような気持ち。
ちっとも伝わらないと思うんだけど、こんな気持ちになったのだ。

誰かと比べても仕方ないよ。比べたって悲しくなったり尊大になったり羨んだり勘違いしたりするだけだよ。と、言いたいのだろうな、わたしは。

2008.07.12/下北沢楽園

栄冠は君に輝く

シベリア少女鉄道の再放送

忘れた頃に届くシベ少からのメール告知では、いつもメール着日の翌日から「24時間以内にチケットを予約せよ」という指令に終始するため、他人の予定を勝手に埋める羽目になる。
今回の告知メールは少々様子が違い、「再放送します」だった。まぁ、予約は24時間しか受け付けてもらえなかったのは同様だけど。

フィルムコンサートにも行ったことが無いし、お芝居の上映も始めての経験だった。
かなり初期の作品で、さすがのY氏も見逃しているとのことで相変わらず連れ立って出かけた。

ここ最近の公演ではお会いできない藤原さんが登場しただけで嬉しい感じ。
相変わらずの芝居っぷりだけど、そんなことはいいの。

いや、もうね。面白かった。やっぱりシベ少ね。シベ少ならではだった。生じゃないのにあれだけ自由に客席が笑ってるのも楽しさ倍増だった。

ラストの藤原さんのパフォーマンスには、お腹がよじれそうだった。あれは芸だと思うよ。
わたしからは10点で。

2008.06.21/新宿シアター・ミラクル

すすめ!!観光バス

動物電気

公演期間が短いせいか、ついつい行きそびれていた動物電気を久しぶりに堪能することができた。

しょっぱなから強烈な富永一家に押しまくられる。
金魚吐かないと思う、たいていの人は。

富永家の一粒種「陽介ちゃん」がいい味出していた。あの構われ過ぎでイライラする感じ、よくわかる。
富永家のお母さん、どうみてもオッサンだったはずなのに途中から本当におばちゃんに見えてきたのはマジカルだった。
これが芝居ってヤツなのね。

個人的にツボだったのは、サキエちゃんの「部屋にねずみの死骸、置こう?」っていう発言と兄(辻修)が「キミたちには常識というものがないのか」と言ったところ。
辻くんに常識について講義される日が来るとは思わなかった。ちなみに今回も信長で登場するという基本は外していなかった。

富永父と母の着水事件後の会話で、わたしは落涙。なんてこった。動物電気なのに!

その涙も乾かないうちに、父による「おもしろいこと」が開始され別の涙も出てきた。もうどうにでもして!という感じ。
無事コバケンも裸体を晒して終了。よかったよかった。一時はどうなることかと思ったけれど、無事脱げてよかったね。

そんなこんなで笑って泣いて、やっぱり面白かった。

2008.06.07/下北沢駅前劇場

けんか哀歌

猫のホテル

国中が連休で沸き立っているど真ん中に観劇をすることが自虐的と言えないこともない年中行事になってきた。
今回ももしかしたら嫌がっているかもしれないY氏を誘い出し、わくわくと下北沢へ向かった。

チケットのメール予約がトラブっており、 発売日当日に予約したのだが、後ろから数えた方が早い席になってしまった。嘆いても仕方ないのでおとなしく着席するが・・・ ここのところ激しく視力が弱っているわたしには少し辛かった。

さて本題であるストーリーの時代は「ザ・戦後」。「はい、いま終わりましたぁー」な戦後。御上の思惑にキリキリと回される市井の人々やら、妹の思惑に振り回される兄やら、妻の思惑が掴めない夫やら。更には『女性も参加して話し合いで解決をする忠臣蔵』も登場。

もう戦後じゃないと言われていたりいなかったりするが、結局は御上の思惑に振り回されているのは同じだと思う。
団結して戦ったり、どうしても手に入れたいもののために何かを捨てたりする気力すら無くなってしまっているのが現代なのかしら、と思ってみる。

いつもは菅原さんやイケテツに釘付けになりがちだけれども今回は岩本さんの抑えた感じにグッと来ていた。ずっと。

なんと悲しいことに、いつもの携帯がならなかったご褒美小芝居は抜きだった。千葉さんを見ないままの終演となった。
が、おしまいのご挨拶が佐藤さんでお得だった。ものすごくとっちらかった佐藤さんが楽しくて、小芝居抜きだったことに気づくのが遅れてしまったくらい。

もう一回くらい観られるといいのだけど、どうかなぁ。

2008.05.04/本多劇場

Lost Lost Lost

[松]Box公演

とあるルートの紹介で観に行ったダンス&パフォーマンスの公演。

不思議だった。ものすごく不思議だった。
で、悲しかった。とても悲しい気持ちになった。
いろいろと散らばってしまって、かき集めても指の隙間からサラサラと零れ落ちる感じだった。

もう少しでつかめる何かを想っていた。

で、帰宅後改めてフライヤーを観て気付いたのがタイトル。Lost Lost Lost だった。あぁ、感じたことは概ね意図に沿ってるね。

11月、父、休み過ぎ。
あと、コンビニ行き過ぎ。お金もったいないから。

と、感想まで不思議なまま放置。

2008.02.09/プロト・シアター

勝、新

はえぎわ第19回公演

何度もフライヤーと握りしめて行こう行こうと思いつつ、公演期間の短さに出会いを阻まれていた感のある「はえぎわ」。
初はえぎわなのだけど、主役がいけしんさん。猫ホテなのね。

まずはいけしんさん。
わたしの中で彼はどうしても表現・さわやかにおける『長井大』であり、そこのところが色んなことを邪魔してしまうのだ。
おそるべし、長井大。

肝心の「勝、新」については消化不良かと。
たぶんわたしの消化力が足りないのかと思われる。
もう少し欲しいところに言葉がなく、そこはいいやという箇所に説明が多いと感じてしまった。

だからといって否定はしない。 芝居の途中で大騒ぎして帰って行ったおっさんのように。

みんなが同じお金を払って観ているものだ。あなたが嫌いだったからと言って、他の人の邪魔をする権利までは買ってないんだよ、おっさん。
それくらいのことが判らないような年寄りには成りたくないな。

2008.01.26/下北沢ザ・スズナリ

百千万 [ももちま] 2008改訂版

劇団鹿殺し

衝撃的なフライヤーとの出会いからもう1年。
ようやく気になりまくっていた鹿殺しに会えた。

口上の「ファッションセンターしもむら」でひと笑い。 過日より友人と盛り上がっていたスポットだったし。

歌って踊って不条理で。そして多分不必要な裸体さらし。
いいなぁ、こういうの。わたしは好きだなぁ。裸族なんて、放課後電磁波クラブみたいだったもの。なんだろうあの衣装。特注なのだろうか。衣装ってか、なんてか。

あんなにとっちかってるのに、たまに説明過多でもあった。
このアンバランスな感じもまたワクワクなんだけどね。

わたしときたら、カンパネルラ君とのお別れで滂沱の涙。何故だろう。そんな重くないし、くどくないし、解説もほぼ無しなんだけど丸尾丸さんの芝居にグッと来たのだろうか。あんな格好だったのに。あんな格好の若いオトコを凝視して泣いているおばちゃんという絵は、端から見ると恐ろしいと思う。
誰にもバレていなけりゃいいな。

好き嫌いのハッキリする芝居だと思う。わたしはまた行きたい。同行のY氏はわたしに黙ってもうずいぶん通い詰めている。負けないぞ。

2008.01.14/下北沢駅前劇場

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