パレオパラドキシアの黎明

BHU第19回公演

言い張る人が多い昨今、自分だけが正しくて他は全て間違ってるという論理を展開するグループも多々ある。
そんなはずはないだろう。
絶対に間違わない人、絶対に意見が変わらない人などいなかろう。不自然だろう。
その辺り、ちゃんと自分のお脳を使ってよく考える必要があるんじゃないかね?という事だ。一度だけじゃなく何度でも繰り返して考える必要があるんだよ、と。ね。

2009.10.31/テレプシコール

印獣

"ねずみの三銃士"第2回企画公演

疲れなかった、良かった。

前作の「鈍獣」で疲れ切ったのがトラウマになりかけており、今回はおそるおそる出かけたのだけれど疲れなかった。途中に休憩が入ったとか関係なしにね。

根底に流れているテーマや時間の経過が必要なあたりは共通してたが、多少軽やかに仕上げてくれてありがとう、という感じ。

しかし、次男がアレな三田佳子を持って来て例の「辱め」発言をさせるとはやりたい放題の最上級じゃなかろうか。遊ぶところはとことん遊んでるなぁと感心しきり。

成志さんのポンポンにもほれぼれ。いやいやまったく。

すごくどうでもいいけどね、わたしが観た回では、生瀬さんがついうっかり岡田くんに「岡田!」って言ってた。小島やん、彼。

2009.10.25/パルコ劇場

ガス人間 第1号

脚色・演出:後藤ひろひと

幕が開いたらいつもの大王のご挨拶から開始。
今回は「まぐろの鳴きまね」を放り出された。もうね、一度でいいからオチを言ってみて。ぜんっぜん面白くなくてもいいから。

予備知識(出演者含む)ゼロで出かけたわたしは、なにやら「テレビの人」が沢山出てくるので序盤から何となく驚いていた。それくらいの知識は持って言ってもいいと思うんだけど、ちらっとフライヤを見ただけじゃ忘れちゃうお年頃なので仕方ない。忘れていたお陰で子供の頃から拝見していた三谷昇さんが登場した時にとても喜べたので良しとしよう。

南海キャンディーズの山ちゃんが登場したシーンで、すぐ隣の席の女子どもが「わーぁ」とか言いだして少々鼻白んだ。ストーリーと無関係な音出しは勘弁願いたいものだ。


お話は切ない。大王ならではのべったべったのラブストーリーだった。たぶん、そう。
どちらも命を懸けるんだもの。

2009.10.17/シアタークリエ

蛮幽鬼

劇団☆新感線2009秋興行

参りました。

舞台の仕掛けが凄い。
いつもはせいぜい出演者が板上で自分たちでくるっくる回す程度の舞台装置でお芝居を観ているため、あの音響と仕掛けだけでも圧倒された。

橋本じゅんが凄い。
あれっだけ重たいお芝居中に客席とコール&レスポンスやるなんて。その前にアクシデントとは言え、すべって転ぶなんて。なんておいしとこ取りなんだろう。遊び部分を独り占めしてた。

堺雅人が凄い。
最後の最後まで息切れ一つしていないように見えた。もしかしたら汗すらかいてなかったのかも、と思わせてくれた。

もちろん上川さん、高田さん、粟根さん、稲森さん、早乙女さん、とにかく全員すごかった。あの音と光と舞台装置に負けない力をそれぞれが放っていた。途中に休憩を挟まないと観ているコチラが疲労困憊しそうな凄みだった。そしてあのラスト。もう圧倒されすぎて涙の出る幕などなかったけれど、ずっしり響いた。

そういや劇場に入ったら目の前に井上さんが立っていらした。なんともラフな感じで。以前居酒屋でバッティングした時もあんな感じだったなぁと思ったもりした。

2009.10.10/新橋演舞場

サッちゃんの明日

大人計画

久しぶりに大人計画のチケットを青息吐息でゲット。本当に大人気で大変。結構前でそれほど端でもない席に着くことが出来てよかった。んが、だ。
隣の男2名がいやらしい感じだった。
男A「おれさー、今日二回目なんだけどさー、こないだ来た時は蒼井さんが来ててさー」
男B「え?蒼井さん?」
男A「あぁ、蒼井優ね」
しゃらくせぇーーっ。黙って待っとけ。業界人自慢か?慣れてますアピールか?鬱陶しい。客じゃなく板の上観ておけ。がーおー!

と、2回目というヤツに激しく嫉妬しつつ開演をじっとり待つ。かなりじっとりフライヤーを眺めたりしつつ待つ。これがまた楽しいのよね。

ばばーんとサッちゃんが登場。自転車で颯爽と登場。歌う、さっそく歌うんだ。サッちゃんの明日を歌い上げるんだ。

松尾ちゃんはたて笛を伴って登場。もういい。吹くといい。思う様練習するといいと思った。
そしていっきなり沼田くん(重い身体障害を持つ)の登場。松尾ちゃんだ。正統派松尾ちゃんだ。さらに松尾ちゃんは彼をこう評する。「体が不自由で心が自由なおじさんだよー」と。赤ん坊に向かって話しかけるんだ。これだけ聞けばもういいかもなって思うくらいの言葉だった。

観ている間はゲラゲラ笑ってるんだけど、随所にずしずしと刺さる言葉が散りばめてあって、本当に観に行けてよかった。大嫌いな行列に並んだだけの価値はあった。
簡単に「やさしい」などと言ったりすることは嫌い、障害者は全員いい人みたいなくくりも大嫌い。それはきっと本質を見ないように目を背けて「あぁ、はいはい、やさしいやさしい」と言っているとしか思えないからなのだなぁと、自分の感情に落とし前をつけてみたりした。

これを観て「下品だ」だの「笑ったー」だのとしか感じられない人には『大事に育てられなかったんですね』という皆川さんの台詞を贈ろう。

2009.09.26/シアタートラム

斎藤幸子

パルコ・プロデュース

粟根さん、中山くん、コバケン、きたろう、さらに千葉雅子が出演という個人的に垂涎の作品だった。松村さんも好きだったよそういえば、などと思いつつ鑑賞。

もう首振りくんに夢中。ちょっと真似してみたんだけど、あれだけ振ったらフラッフラするよ。すごいねぇ、役者って。と、とんでもなくバカなことで感心したりした。

最初から最後まで中山くんが普通の人であるのが面白かった。斎藤家の人間でもお隣の富山家の人間でもない中山くん(彼だけ役名じゃないな)が全般的に登場し続けたのは、彼が『いわゆる常識』としての役割を担っているからだと思う。その違和感がまたたまらなかった。中山くんが常識て!

いつもは脚本家の方を観ている千葉雅子さんを完全に役者として観るのは実は初めてであったのだけれど、面白かった。ついつい注目しちゃった。酸いも甘いも噛み分けまくったお年頃の独身女の笑い方としては「へっへっへっへ」が最適だと言う理屈には激しく納得したものだ。わたしも今後は「へっへっへっへ」でいくべきだと心に決めたりした。

そしてきたろう。観たかったきたろう。いいなぁ。12人の優しい日本人ごっこやら「いたこごっこ」など、ツボが満載だった。鋭くなさそうなところがいいのかねぇ。味ってこういうのを言うんだろうか。

そして、コバケンがいつものコバケンのままで登場しており、そのまま役柄に似合ってるところが面白かったな。

『すべてがここにあるから何処にも行かない。』参った。参りました。

2009.08.29/ル テアトル銀座

夢+夜(ゆめたすよる)

少年王者舘/vol.33

お芝居仲間のY氏がかねがね「観るべき!」と言っていた少年王者館をやっと観た。

いやぁ、不思議不思議。不思議以外の言葉は浮かばない。
台詞まわし、動き、踊り、ストーリーの全てが不思議だ。それでも飽きない。
何にひっぱられているのかグイグイのめり込んで観てしまう。

何度やり直しても同じ事をしてしまう男。これは何度でも繰り返す歴史にも似ている気がする。悲劇も繰り返す。悲劇だからこそ繰り返すのか。そんな悲劇の時代に翻弄されたのが彼なのかも。

なんというか、理屈なんて考えないでその時間その場所にいて目の前で繰り広げられる夢の世界を楽しむのが少年王者館なのだと思う。楽しかった。

観劇後は夕沈さんの話し方にハマり、ついつい真似しちゃうのはわたしだけでは無いはず。また行きたい!
「今? 客席!」って言いつつ観たい。

2009.08.22/下北沢ザ・スズナリ

赤とうがらし帝国

劇団鹿殺し・回帰/第二十回公演

相変わらずの鹿殺し。濃い。とにかく濃い感情がぎゅうぎゅう詰めに詰まってる。
相当に悲しいおハナシなんだけれど、ちりばめられたネタに観客は救われる。
ゴスニーランド然り、ハゲザイル然り。

それでも生きていくべきなの? という疑問に答えが出てはいないと思うけれど、このおハナシから答えを導き出すのも一つの手だよ、とは思う。
みんながこう考えたら救われることも多いだろう。

『願えば必ず夢は叶う』って言葉は大嫌いだけど『赤とうがらし帝国にお願いする』ならば、受け入れられるような気がするなぁ。意志の力か。なるほど。

いつも通り劇中歌が盛りだくさんだったけれど『無くならへん』がとても気に入ったので公演終了後にCDを購入しようと勇んで「くださいなー」とお願いしてみたら「すみません、発売は明日からです」とお姉さんがおっしゃる。
ので、次回公演時には忘れず購入しよう。きっと『無くならへん』やろう。

2009.08.15/下北沢駅前劇場

リボルバー

劇団M.O.P/第44回公演

この劇団は初めて観たのだけれど、フライヤーにいきなり「あと2回!」の文字。え?
あと2回で劇団は解散することになっているのだそう。ぬー、もっと早く出会いたかった。

歴史や年代に大層弱く、去年か一昨年か三年前かすぐにわからなくなるわたしだけれど、それでも十分楽しませてもらえる時代ものだった。
頑張れば自分たちで日本を良く出来る、と信じて疑わず命すら賭ける若者。愛する人のために自分の身を売り渡す女。女の愛に応えるため命を燃やし尽くす男。心の友と定めた男のために誇りをかけて戦う男。

「マダムに任せておけば大丈夫」「お篠さんなら大丈夫」と言われ続ける語り部でもある青猫邸のマダムお篠。彼女のきっぷの良さはハンパじゃない。いつも本気だ。常に全力だ。疲れなんて決して見せない。

誰よりも繊細で誰よりも泣きたかっただろうな。キリリとして格好良くあるためには、とてつもなく努力をしているんだよな。いつの時代だってそれは変わらないよな。

少し前の若者達が文字通り命を賭けて掴み取ってくれたこの平和な世の中をちゃんと楽しもうよ。ちゃんと味わって楽しもうよ、と思うのだった。

2009.08.01/紀伊国屋ホール

ザベストオブ表現・さわやか

表現・さわやか/第6回公演

ついに下北双六のあがりまでたどりついた表現・さわやか。登り詰めたなぁ。なんとまぁ珍しいことに第1回から欠かさず通っていることよ。ただし、第6回の前公演(になるのかな?)である「ザワーストオブ表現・さわやか」は観ることができなかった。なぜならDMが届かなかったから。DM依存症なのな、たぶん。

オープニングとエンディングの構成は「そこそこ黒の男」風。さだっちが芸人で例のあの芸を披露している。
さだっち@芸人、長渕、ボーイスカウト(ガールスカウト追加、富士スカウト増員)、伯爵(侯爵など増員)、山パン祭り!(山車がっ)、長井大、マッスルミュージカル(増員)、モンドセレクション(モンドさんの悪夢が明らかに)、かっぱ(増員)、報兄弟(きゃっほーっ)な流れであった。

「そこそこ」では山パン祭りみたさに、お仕事を早引けして2回目を観に行ったわたしだ。今回もなんとか社長ちゃんを騙くらかして2回目も観られたらいいと思う。
あの山パン祭りをもう一度観られるなんて夢のようだった。あぁ、幸せだ。生きていてよかったよ。

最初にくどくどと全部みた、と書き綴ったのには訳がある。今回は今までの集大成であるため、基本的なネタは一度発表されているものばかりだったのだ。記憶力の低下に定評のあるわたしではあるが、全てのネタが始まるやいなや『ぎゃぁっ!』と叫びたくなるのを我慢しなければならないほど鮮明に「あのネタだっ!あれが始まるんだっ!」とわくわくきゃふきゃふしてしまった。
興味のないことから忘れていくのだろうか、脳みそってヤツは。

何一つ文句などない。全身全霊で笑った。もう笑いすぎ。全米も笑ったと思う。
ただひたすらにおもしろかった。ありがとうっ。

2009.07.04/下北沢本多劇場

バーン・アフター・リーディング

ジョエル&イーサン コーエン監督作品

大好き。コーエン兄弟の作品は大好きだ。
冷静に振り返るとかなり酷い犯罪が起きているのだけれど、観ている最中は登場人物の余りのこっけいさに、その陰惨ぶりを忘れてクスクス笑ってしまうのだ。

ということは、人間が必死にやってる大抵のことは、まぁ滑稽なことですよ、とも言える。
これを受け入れることができると、いっぱいいっぱいになっている誰かもお気楽極楽になれるのじゃないだろうか。

俳優陣もやっぱり素敵。さわり部分にちびっとだけビリーボブソーントンが登場しているのがご愛嬌。
なんと言っても「全身整形」女のコーエン兄妻が好きだよ。ファーゴから変わらず好き。(ブラッド・シンプルには出演していたか失念したので)
ブラピのおばかさん演技を久しぶりに堪能できた。トゥルーロマンスのヤク中っぷりとか、12モンキーズの挙動不審(特に目の玉と指先の素早すぎる動き)っぷりなどを観るにつけ「凄い役者だよなぁ」と思うのだけれど、今回も素晴らしかった。もう、立ち姿がバカ。素晴らしい。

大抵は誰も笑わないで終わるような気がするけれど、今回は微妙ではあるけれど、一人だけ最後に笑うんだよね。大笑いじゃないけど。

2009.05.02

ケープアカハーテビーストの黄昏

BHU第18回公演

そろそろ「毎度おなじみ」感も出てきた岡見氏の脚本によるお芝居を観てきた。
大雨で客足に影響などあるかしら、と余計な心配をしたものだが、まさしく余計な心配だった。満員で始まりはじまり。

おやじギャグを保護して後世に伝える必要があるかどうかは、まぁ何とも言えないところではあるけれど、保護せずとも勝手に残っていくことだろうなぁと思う。知らぬ間に新しいおやじギャグが生まれているのだもの。そもそも古いのに新しいって形容詞もどうかと思うけれど。

それはサイドストーリーであり、そっちは重要じゃないのにそっちばかり気になるのが悪い癖だ。本筋はニエカワを巡る人間達(異星人含む)の物語だろう。
ここに異星人とか含んじゃうから面倒なことになるけれど、地球人も異星人も同じように「大切な人を大切にする」から「大切な人の大切な人も大切にする」し「大切な人の大切なものも大切にする」というようなペイ・フォワードな心に行き着く。

大切な人を大切に出来ない事ほどみっともないことはないように思う。「コレが大切だ」とはっきり認識しているだけで、何か筋がピシィッと通っているように思ったりする。人だったり犬だったり物だったり仕事だったり異星人だったりしてもいいから、何かあるといいね。

2009.04.25/テルプシコール

蜉蝣峠

劇団☆新感線二〇〇九年春興行/いのうえ歌舞伎・壊 Punk

まずは、当日チケットを譲ってくださった見知らぬ貴女へ。愛しています。おかげさまで13列目という素晴らしきお席で楽しませていただきました。

初めての赤坂ACTシアターだったのだけれど、高級だなぁ。13列目なんてすっごく前なんだけど、舞台と座席の間がそもそも空いてるとか、前の椅子とまぁまぁ離れてるとかの反下北的要素により、思ったよりも役者の顔が見えなかったのに驚いた。

しょっぱなからドッカンドッカンお腹に響く音だったので、お腹が空いていると厳しいかと思う。これから観るならば何か食べてから観ることをお勧めする。

気になってしまった小ネタは、「シャモリさん」「あんぱんの旦那」「○の源さん」「呪ごけっこん(のぼり)」あたりか。同じ場面を物理的な見た目と心理的な見た目の角度を変えて見せてくれるのだけど、「源さん」ネタはあまりにも「今度こそ、大工がっ!」と無駄に期待をしてしまうというものだった。お気に入り。

ちんちん丸出しで始まったお芝居だなんて信じられないようなラストを迎え、締め付けられる思いで涙を流すこともできなかった。
闇太郎もお泪もやみ太郎も悲しいじゃないか。苦しいじゃないか。

思い出は『生』なのか。そうかも知れない。成る程思い出を共有したがるよな、わたしたちは。
またきっと行きたい。とにかくシビレた。

2009.04.11/赤坂ACTシアター

少年メリケンサック

弥次喜多に次ぐクドカン満開の映画。ようやく観に行くことができた。

とりあえず『アンドロメダおまえ』に夢中。田辺誠一はどこへ行くのか。大人計画と一緒にどこまでも行ってしまうつもりなんだろうか。いいのか、紫のバラの人よ。わたしはいいぞ。たいそう良いぞ。

とにかく笑った。見るしかないと思う。
そして、帰り道には「にゅーよーくまらっそーん」とか「あんどろめぇだあんどろめぇだあんどろめぇだぁ おまえっ」などと、どうしようもない歌を口ずさむがいいと思う。

2009.03.15

ベルゼブブ兄弟

劇団鹿殺し/第十九回公演

忘れられない場面は今奈良さん扮する4人兄弟の父、正造の葬儀での隆子の見る幻想。
4人をつまらない目に遭わせてすまない、と正造が白装束で棺から出てくる。こんなつまらないのは申し訳ないので笑わせたいんだ、と言い出す。その時の長男(コバケン)の煽りがもう。
動物電気公演にてコバケンがいつも「おもしろいことをするよ」と言われて汲々としている様子を見ているだけに「正造が笑わせてくれるよ。おもしろいことをしてくれるよ」と嬉々として言っているコバケンとそれに答えようとしつつ、白装束を脱ぎ捨てる今奈良さんを見ておもしろくてどうにかなりそうだった。あぁ、苦しかった。

ハエ部隊では、必ずかぶせてくるハエがおり、オレノさんが「なぁぜかぶせたのだっ!」と叫ぶのがツボ。
また、もれなく丸尾丸さんがモノローグで軽く噛むというステキな現場もあった。
あぁ、いつもの鹿殺しだなぁと堪能できるお勧めポイントだ。

「人を想う」ということと「想っていることを伝える」ということが余りにもかけ離れているということ。そして、さらに「想いが相手に伝わる」ことが本当にまれであるということ、などを思った。
その場で伝わらなかったとしても「いつか伝わる」と信じて伝え続ける努力を根気よく続けていかなくてはならないのだな。

相手が他人なら出来る努力も、身内だとついつい甘えてしまい「このくらいでまぁ伝わってるだろ」と手を抜いてしまいがちなのではないだろうか。そしてそれが無用な悲しみを産んでいやしないだろうか、などと思った。

相変わらず鹿殺しな作品であったなぁと思うのだった。

2009.02.15/赤坂RED/THEATER

未来大作戦 - かつて日本とよばれたところ -

東京ゲオグランデ/第三種接近公演

本年一発目は東京ゲオグランデの公演。とある場所で知り合いになったこの劇団の作家さんを含む数名と年越しは一緒に飲み散らかしていた。そりゃもう今年はこれで開始するしかないでしょ。
そんな訳で一緒に年越しをした他のメンバーたちと連れ立って劇場へ赴いた。

未来が現在で現在が過去という二つの時間軸で物語は進む。
過去である現在があって未来である現在がある。わたしたちは未来を作っている。つい忘れてしまいそうになるけれど、一人ひとりが創造主なのだ。今が未来を作っているのだ。そのことに囚われることなく、かといって忘れることなく過ごせたらいいのではないのかと思ったりした。

「パねぇ」「パねぇ」と言いつつ、現在とそれに連なる未来をしっかり見据えていた教授のようなスタンスがいいのかもしれない。

ハナコとタロウのように「じゃ、100年後にね」と言って別れられるならば、人はもっと優しく生きられるように思う。

100年後には花が綺麗に咲いていたのだと思う。

そしてわたしは、いまここにいる大切な人たちと「100年後にまたね」と言い合えるように生きているのか、生きていけるのかを自問したりした。

楽しくて切なくて優しい物語だった。次回も楽しみ。

ほとんど演劇をみた経験がないという同行の仲間たちが、とても楽しそうに笑ってそして涙している様子を見て、ライブの素敵さを改めて実感した。更に、こんな風に気持ちを共有できるツールはそんなにあるものじゃないなぁと思ったりもした。彼らに少し近づけたような気もした。いいことだらけだった。

2009.01.10/武蔵野芸能劇場

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