エピソード1 
「出会い」


二人とも昭和24年生まれの同年齢ですが坪井君が一宮市、私が名古屋市の出身という事でお互い面識もなく昭和43年4月愛知大学(名古屋校)へ入学。
それぞれの学生生活を送っていましたが出会ったのは学内の学生課受付横。
そこの長椅子に暇を持て余して腰掛けていると爪入りの学生服を着た一見硬派そうな男がフォークギターを抱えてやってきた。これが坪井令夫(つボイノリオの本名)との最初の出会いでした。

この男、話し出すと止らない。目を爛々と輝かせて話し出す。落語口調で突然熊さん八っぁんになりきったり、小話が始まったり、かと思うと当時盛んだった学生運動の革マル派の演説を真似て本物より本物らしくやって見せたりして〜おもしろいけど変な奴。でもこれだけ喋れるのは〜〜うぅ〜ん頭よさソ〜。これが第一印象。よく聞くと所属倶楽部は詩武道部、詩吟を詠いながら武道の型を舞うらしい。そんな硬派な倶楽部に所属してなんで軟派なギターを持ち歩いているのかと思ったらギャグソングが始まった。

その当時私はフォークソング同好会というサークルに所属し周りでは生ギター、バンジョー、ウッドベースなどのアコースチックな楽器を使い美しいコーラスで歌い上げると言ったバンドばかりの中、白い目で見られながらギンギラギン度迫力のロックバンドを結成していました。
いつしか坪井君も倶楽部の練習室に遊びにくるようになり得意のブルースハーモニカで参加。いっそのこと正式にバンドメンバーになったらって勧めたんだけど正式にメンバーになると拘束されるからいやなんだそうである。自由にやりたいそうである。
なんとなくその気持ち分かるような気がしたんだけどその先、コンサートなど気が向くと司会兼サブメンバーとして参加してくれました。

一緒に演奏したザ・フーのサマータイムブルース、今でも耳に残っています。
そんなきっかけで坪井君と知り合いいつしか友達となり、なんとなくブラブラするのも一緒、アルバイトも一緒、音楽活動も一緒という生活が始まりました。