エピソード2 
「大臣遊び」


名古屋の名鉄百貨店地下食品売り場にある’豊橋名産ヤマサちくわ’の売店で一緒にアルバイトをしていました。当時の時間給130円。白衣を着て二人並んで、「いらっしゃいませ。ちくわですか?1本30円のと15円のと2種類ございますがどちらにいたしましょう?」、「お土産ですから高い方で20本、箱に入れてください。」、「箱代20円掛かりますけどよろしいですか?」なんてね。懐かしい。

そして給料日になると 「おい花木、給料も入ったことだし今日は大臣遊びと洒落込むか?!」、「よっしゃー!」
ということで同じフロアーの両口屋さんや納屋橋饅頭の女の子を誘って笹島交差点近くにある玉喜(たまき)という居酒屋さんへ繰り出すのが慣わしであった。
この玉喜という店、現在でも営業しているがとにかく安かった。当時酒屋でビール大瓶1本135円、ビンを返すと5円返金という時代であったがなんとその店ではビール大瓶一本130円であった。つまみも安いし刺身、すき焼き、カキフライ、名古屋はエビフリャーがうみゃあーと豪勢に、まさしく貧乏学生の大臣遊びである。当然アルコールのまわる前に場は坪井君の独演会会場になる。私は突っ込み役にまわるしかない。

今から思うとあの女の子たちタダどころかお食事、お飲み物つきで生のつボイノリオのトークショーが聞けたんだから随分得しましたね。
さてすき焼き鍋も空になり箸を2本鍋に立てグッと手前に引きながら今でも記憶に残る坪井君の一言「底引き網漁業!あっこんなところに肉のかけらが!」と嬉しそ〜う。