エピソード4 
「家出」


当時私は、ささいな事から母と口論になり家出をすることになった。原因は傘1本である。私はまたまたどこかへ傘を置き忘れて来てしまったのである。

母「お前は何本傘を忘れてきたら気が済むの!」
私「うるさいな分かったわ!」
母「親に向かってその言い方はないでしょ!親に口ごたえするなら家を出て行って一人で生活しなさい!」
私「出てくわっ!」

とタンカをきってしまった。売り言葉に買い言葉である。これだけである。これだけで私は家を出なければならなくなってしまった。タンカをきった以上とりあえず家を出なければならない。外へ出て考えた「出たはいいがどこへ行こう!?」………「そうだ坪井の家に泊めてもらおう。」
早速、坪井君に電話連絡をとった。

その時の坪井君の言葉「まあ花木もいっぺん外へ出て苦労するのもいいかも知れんな。まあとりあえず僕の部屋に泊まればいいわ。」この言葉、私の味方なのが敵なのか分からない。
坪井君の実家は一宮にあった。私は地下鉄、名鉄電車を乗り継いで一宮の坪井宅に向かった。坪井宅では母屋にご両親と妹さんが住んでおられ坪井君の部屋は離れになっていた。シングルベットで二人で寝ることになったが布団に入るといきなり「プ〜ッ!!」と一発かまされた。
私が「頼むわぁ〜っ!」と大声で叫び掛け布団をバタバタさせると………。
今でも記憶に残る坪井君の一言「いやなら出てってもいいんやで〜。」……行く所が無いだけに私はジッと耐えた。