願い

ゆらりゆら
稲穂が揺れる
時が揺れる
幾度となく繰り返し
実り 与え
授かり 実り
それは僅かなこともあり
それは豊かなこともあり
繰り返し 繰り返し
時を流れてきた

人も生まれ 育ち
感じ 滅する
日照り続きの天に泣き
雨に流れる土に泣き
些細なことに
喜び 悲しみ
そして自分を全うする

大きな流れの中の
小さな自分という瞬間を
過信せず 馬鹿にせず
庇い 突き放し
その短い時を終えるまで
ひたむきに感じていたい
それが
ささやかな願いです                   戻る