星から星から

凍てつく夜の闇を 山頂へと走る
そこが自分の故郷 誕生の地だと言い出して
「オレは宇宙人との混血なんだ
 そこからなら 父さんの星が見えるから」
いつもの戯れ言 誘いの言い訳
でも どこでも行くさ お前が行きたいのなら

----そこは星の墓場か?
暗黒の闇に無数の白点がまたたきまがら

ひとつ消えたような 落ちたような・・

押し寄せる銀河の圧力に
背中合わせになって
互いを庇いあう
時が止まり
静寂が深まり
感嘆と畏怖の念に
コイツの心の闇を感じた

何年過ぎても分け合えない
わかっていても 融け合えない
お前の寂しさ 俺の寂しさ
その深さだけ感じあっても
言い出さない 言い出せない・・
このまま凍えて 命が消えても

「あ 星が流れた 父さんの星だ」
何でもない声で言うなよ
俺の方が泣きそうなんだ
背中に感じる このぬくもりを
今 振り向けば受け止められるか
空を見る目をコイツに移して
その目を見れば 赦し合えるか・・

寂しさが降ってくる
星から星から降ってくる
二人してこの惑星から飛び去って
星と星の間で 魂の追いかけっこ
永遠に続けてもいい
コイツとなら

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