いつの頃からか
痛みを肴に 酒を飲むようになった君の
猫のような ものうい丸さ
怠惰な緩慢さの中で
何故 目だけがそんなに温かい

ある日 人の心に砂漠を見た
花もない 水もない
乾ききった荒野の中で
溢れる涙さえ たちまち風が連れ去る
叫んでも声は届かず
荒寥とした虚しさは
そそけだった肌を 逆撫でした

それでもなお
笑みを絶やさない 無類の寛容さは
求めない優しさか
望まない優しさか

心を包む鈍い痛みと
けだるい酔いの中で
すべてを受け止め 昇華して行く
君を通るすべてのものを

そして君は 人を濾過し
溜まった澱の中で
また うだうだと酔いに漂う
容認することが ただ
生の意味であるかのように

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