散る
 

 

花びら舞う夕暮れ


薄白い空に真白い月

花びら散るごとに

心もこぼれる

ひとひら ひとひら


大好きだったけど

うまく言えない

あの朝の言葉から


壊れはじめたふたり
 

戻れない予感は
 

日増しに濃くなり
 

明るい日差しの中で
 

心は夜に閉じこもった
 


 

『夜の底の闇は
 

夜明け前の希望』
 

心に言葉で言ってみる
 

見上げる桜の大木は
 

その花びらで
 

心を洗ってくれるよう
 

やがて葉を出し
 

豊かな緑に包まれること
 

思い出させてくれるよう
 


 

もう泣くまい
 

心の外側に刺さった
 

くすみ色の想いの欠片を
 

花びらとともに散らせば
 

残った気持ちは
 

『感謝』だから
 

 

 

闇を舞う白い優しさを

 

私は飽かずに眺め続けた

 

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