花  

繰り返しの日常
仕事に追われる日々に
心が錆びて動かない
渦巻くたくさんの感情に
抗(あらが)うことにも飽いて
暑さを照り返すアスファルトを歩き
飽食と享楽に馴れ
明日を探す気もないまま

しかし
そこに花があった
ブロック塀の焼却場の隅
わずかな土に根を張り
陽に向かって
伸びた花が

人に植えられ
鉢ごと捨てられ
不要の烙印を押されても
授けられた「生」を信じ
無心に空へと向かう花

見栄えしない痩せた茎に
生きる喜びが見える
花壇でひしめく花よりも
確かな誇りを感じた
人のための装飾ではない
ただ
ここに「生」があると

胸の奥がキュッと痛んで
「生きたい」と呟いている
この体一つに感謝して
何に惑わされることなく
ひたむきに生きたいと

ゆらり
陽が翳った

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