春

痛みが
気力も蝕んでいく時
これを弱さというのか
これくらいの痛みなら
いつもの薬で治まる
知っていても
急に薬が嫌いになる

嫌いの連鎖反応
こんな躰はイヤだ
我慢のきかない
自分もイヤダ
薬の苦さもイヤダ
効き目と平行する
めまいもイヤダ
こんなことにすぐ拗ねる
弱い自分が一番イヤダ

そう思いながら
目を凝らすと

季節はようやく春
雪の下で沈黙していた
土の上にも
緑の新しい息吹

「バカだな
抱え込んでいるのは
自分だけじゃない」

萎えた気力に効く薬を
春の風の中に
捜しに行こう

              
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