公園

 ほら また一人
 孤独を捜しにやってきた
 私は木々をざわめかせ
 灯の色を暖かくする

 私は高台の公園
 疲れた人の心を癒し
 寂しさを 分かち合うのが仕事

 ある者は車から出て
 タバコをふかし
 ある者は柵にもたれて
 暗い海を見下ろす

 ここに集まる人は
 決して言葉を交わさない
 闇と静けさの中で
 誰もが一人きり

 職場から家庭へと急ぐ人
 渦巻く不満や高ぶりが
 時に怒りを駆り立てる

 そんな時は来てみなさい
 日常の煩わしさを 倦怠を
 体ごと 海に投げ出したい衝動を
 抑えきれないような時は

 目を閉じ深呼吸を一つ
 ほら
 風が心を開いてくれる
 無心だった幼い日
 夜空の無数の星の営み
 遙かに想いを馳せて

 心の隅に押し込められた
 何かが自分を揺り起こし
 感動を蘇らせた時
 人は自分を取り戻す

 また誰かが立ち上がった
 灯を見て 微かに笑った
 その心が
 私をも暖めて

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