ビバ!オオキンカメムシ♪

2004年9月7日


********オオキンカメムシの里親になっちゃった!*********


そんなわけでお持ち帰りしたオオキンカメムシの卵ですが,
生きている葉っぱではないので2日もたつと乾燥してガサガサになってきてしまう。

苦肉の策で,卵の周りを切り取り,新しい葉っぱにクリップで留めておくことにした。
卵の色が日を追ってどんなふうに変わっていくかごらんください。


採集時の卵(7月14日)

7月17日夜

7月18日朝

7月20日


20日の夜から徐々に孵化が始まる。真っ赤な幼虫が次々に孵化して,半透明な卵殻と対照的です。
21日にはすべての卵が孵化完了・・・幼虫の大きさは1ミリほど。
孵った幼虫はだんだんに葉の反対側に移動して一箇所に集合している。(7月21日)


すべて孵化,少しずつ裏側に移動してゆき…

葉の反対側でひとかたまりになっている

朝10時頃見たら,かたまっていた幼虫がバラけて葉っぱの上を歩き回っていた!ちょっと焦る。
この時点では,バケツの中にアブラギリの枝先がそのまま挿してあった状態なので急遽飼育箱に移すことにした。
午後になると2箇所に集合。集合するのは習性らしいが,いったいどんな法則があるのだろうか…?(7月22日

一日中動かず,葉っぱに張り付いていた。
翌日も動かず・・・午後4時頃に見たら数頭が2齢になっていた。抜け殻あり。
膨らんで見えるのが脱皮する直前なのだろうか・・・?(7月25日)

   

ほぼ2齢に変わった。飼育箱の底に脱皮スーツが点々と落ちているのがちょっと笑える。
ところで,孵化したばかりの幼虫にはなかったはずのお尻から突き出している突起が…気になる。
脱皮直前の膨らんだ赤い幼虫にはすでに突起が見えているようだ。

夜になったら全員が新しい葉に移動していた。(7月27日


7月28日

8月5日

糸のようなものは…?

お食事スタイル

朝8時半頃見たら実に集まっていた。
さかんに動き回るようになると,蓋の隙間から脱走する幼虫が続出。ひぇ〜〜〜っ!
蓋の代わりにレースのカーテン生地をかぶせることにした。(それでも脱走するのはどうしようもない)(7月28日)

実に張り付いた幼虫を見ていて,お尻の突起のあるものとないものがいるのに気がついた。なんで?
さらに見ていると,突起が出たり引っ込んだりしているものがある。えぇぇ〜〜〜!?
そこでルーペを持ち出してじっくり見てみると・・・面白いことがわかった。

お尻から見えていたのは実は口吻で,普段は腹の下に格納されている。
食事のときはこれをえいやっと前に持ってきて,実の汁を吸うようだ。
体よりも長い口吻を突き刺すのだからほとんど直立姿勢のようになる・・・
そして・・・口吻を抜いたあと・・・念入りに,何度も両前足を使って口吻をぬぐっている。
見ている私は思わず『ほぉ〜〜〜!』と関心することしきりである。(8月5日)



脱皮して3齢になった

一まわり大きな脱皮スーツ

口吻は1本じゃない…?

脱皮したばかりの4齢幼虫

2齢になってからほぼ2週間がたった。脱皮して3齢になるが…高速で動き回るので写真が撮れない!
脱走したり死んでしまったりでだいぶ少なくなってしまった。
脱皮スーツを数えたら,3齢になったもの15頭。大きいもので約5ミリある。(8月9日)

3齢になってしばらくすると…なぜか幼虫が次々に死んでゆく。原因不明。困った・・・
どうしても成虫になるのを見たいので,急遽林道で幼虫を採集することにした。
20頭あまり採集して帰ったら・・・なんと最後に残った1頭が脱皮して4齢になっていた。上の画像右端(8月18日)

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新たに採集した幼虫は3齢と4齢で,大きさは様々だった。
↑で脱皮していた4齢幼虫は7ミリ程度だったが,1センチを越える健康優良児もいる!
そして・・・1週間ほどたつと次々に羽化が始まった。

         
だいたい↑のように黄色い物体がぶら下がっていて初めて気付くので・・・
脱ぎ始めの様子を見る機会はついになかった・・・残念!

   
スーツを脱いでからおよそ3時間ほどで模様がはっきりと見えてくるが,全体に色は淡い。
翌日になると完全にオオキンカメムシ色になっていた。

ところで,
飼育箱の中の4齢幼虫の口吻を見ていると
やっぱり気になるのは…
口吻の付属物のように見える細い糸状のもの。

なんだかよくわからないものの・・・
4齢幼虫の脱皮スーツを見たら
ちゃんと写っていて驚き〜!
カメムシの口吻って,いったいどうなってるの?!


ともあれ,念願だった(裏側の)ショッキングピンクが見られてよかったよかった♪
光線によって,ピンクが紫色に妖しく光ったりするするこのオオキンカメムシだが…
逆さまから見るとなんとなく人の顔のように見えるのが愉快でもある。


☆☆☆☆☆☆☆

結局8月後半から9月初旬にかけて合計20頭の成虫にマーキングして林道に放した。
この冬,不自然な赤い模様のついたオオキンカメムシを見かけた方は
ぜひ掲示板にご一報をお願いいたします!

  



追記

海野さんの小諸日記の解説で,カメムシの口の構造が理解できました。こちら
私が口吻と思っていたものは…鞘状の口器で,硬い実に穴を開けるためのもの。
ひも状の長いものが実は口吻だったようです(^_^;)・・・へぇ〜〜!!
教えてくださったzippさんに感謝〜♪