『'02年夏(後編)』

6日目:鳥屋巡りの事が嫁さんに遂にばれてしまい、今後、一緒に探索する事になってしまった。

 

この日は出足が遅かった為、郊外にある大型総合ペットセンター1軒しか廻れなかった。

 

そこでは、雛を据え置きしての販売はしないが予約注文販売という方法を採っていた。雛の価格は1羽1,200円で格安だった。

 

しかし、現物を見ないで買うという事に抵抗があったので、購入店の上位にランク付けしておく事にした。

 

ただ、成鳥の文鳥は、爪が短く切られていて好感が持て、成鳥を購入するには良い店だと思えた。

 

7日目:今日は千葉中心東にある総合ペットセンターと稲毛区北部を中心として探索する。

 

街道沿いにあるペットセンターはホームページも開設してあって、情報を少し知る事が出来たけど、更新があまりされていないので

 

どんなもんかい?という不安はあった。

 

そのペットセンターは、犬猫はもちろん流行りの小動物を販売しており、鳥類はモモイロインコを筆頭に文鳥やセキセイインコが売られていた。

 

その他備品や飼料がそこそこ充実している店であった。備品では、「WARA-G」が売られていたのに驚いた。

 

この商品は千葉近辺では、手に入らないであろうから通販で買うしかないと諦めていたので、嬉しい出来事であった。

 

こういったところからも、色々と勉強熱心な店だと感じさせられた。

 

肝心の文鳥だが、桜文鳥が1羽1800円、白文鳥が2300円と超良心的な値段設定であった。

 

小動物・鳥類担当のお兄さんに訊いたところ、「文鳥の雛は再来週当りに入荷するかもしれません。

 

うちの文鳥はすべて国産品なので輸入品と比べて寒さに強く、丈夫ですよ。」と教えてくれた。

 

我が王朝の源流はここから迎える事に取り敢えず決めた。

 

が、始めた事は徹底して、飽きるまで続ける性格から、リストアップした残りの店を廻る事は中止しなかった。

 

2軒目になる稲毛北部の最初の店は、私鉄駅前の商店街にある店だった。

 

ここでは、文鳥の雛は販売しないとの事だった。店の主人は「文鳥の雛はすぐ弱ってしまうから駄目なんだよな。

 

成鳥になっても、最近はあまり売れないし」と言い、そこの奥さんは「折角だから、取寄せてあげたら」と言ってくれた。

 

すると客に対して横柄な態度を取るそこの娘は「チモールなんかいいんじゃない」と馬鹿な事を言い出す。

 

文鳥の雛を探していると言ってるのがわからないらしい。文鳥と名が付けば何でもいいと思っているようである。

 

主人と娘の言動に私に嫌気が差してきたのを見取ったのか、奥さんはセキセイインコの雛はどうだと

 

店先の箱の中に10羽近く居るインコを見せる。インコを買う気は夫婦共々一切無いので、いらないと断る。

 

この店は、奥さんの商売熱心さで持っているのであろう。主人と娘は表に出さない方が、売上増に繋がるのじゃないかと思ってしまった。

 

3軒目の店は、モノレールのある通りから少し入ったとこにある昔ながらの雑然とした雰囲気を持つ店であったが、

 

車内から見た感じで嫁さんが「ここはやめとこ」よ言うので、簡単に素通りした。

 

自分的には、覗いてみたい魅力のある店であったが、店を探すのにちょっと手間取った事も有り、素直に嫁さんの言葉に従ったのであった。

 

4軒目の店は街道沿いにある超雑然、バラック風のこれでも店なのかと思わず思うほどの店構えであった。

 

その店を見た瞬間、ここはやめとこうと嫁さんと意見が合い素通りとした。その店は次に通りかかった時には、閉店してしまったようであった。

 

我が家では、嫁さんの実家から玄米を送ってくれるので、米を精米する必要があり、近場にコイン精米所がないかいつも探していた。

 

以前は、大宮台の方まで出かけていたのだが、この店のお陰で、この近くにコイン精米所を発見し以前より時間短縮が図れた。

 

今は怪我の巧妙で京成津田沼駅近くのコイン精米所を使っている。

 

最後の1軒は、稲毛駅近辺にあるペット屋であったが、HP上でトリミング専門店と謳っているので、

 

たまたま店先を通ったが、素通りとしたのであった。

 

8日目:9月も中旬となり店の候補は残り三軒となっていた。14号沿いにある最初の店は、観賞魚専門店だった。

 

これは管轄外だと思ったが、観賞魚に興味がまったく無い訳ではないので、面白半分で店内を巡回した。

 

2軒目は船橋駅北口から延々と坂を登った場所にある、総合ペットセンターであった。

 

店構えからペットセンターとは到底言える様な店ではなく、どちらかと言うと小動物園といった感じのする店であった。

 

プレハブ造りみたいな細長い店で、鳥コーナーは小鳥の種類が充実していて、数もそれなりに揃っていた。

 

ここで遂に文鳥の雛を発見したのであった。

 

白文鳥1羽と桜文鳥が3羽いた。プラケースの中に居る雛たちは元気良くすこぶる順調そうに育っていたようであった。

 

値段は、桜が1380円、白が1680円であった。安い、超格安だ。生後何週なのかと尋ねると、店のあんちゃんは

 

生後2週間だと答えた。いいないいなと思ったのであったが、9月末の受け入れを想定していた為、

 

我が家での受け入れ態勢が完了しておらず、特に粟玉の準備をしていなかったのであった。

 

市販の粟玉を使う事には抵抗があり、そして王朝の源流となる雛を育てる為には飼主自ら製作した粟玉を食べさせるという

 

どうでも良い様なこだわりを持っていた。その為、ここはぐっと我慢して来週また来る事にしようと決めたのであった。

 

それに、来週また来た時にもし売れてしまっていたら、先日のペットセンターで購入したら良いと余裕もあったのだ。

 

備品関係は価格設定がバラバラで、なあんか高い物があったり、やあすい物があったりしている。

 

バナナ水飲器が1個100円で売られていたので、たいして必要の無いのに3個買ったりと衝動買いをしてしまった。

 

飼主はケチなくせに安物とか期間限定にとても弱い。まったく、しっかりしているようで間が抜けている。

 

(これから王朝記『登極』へ続く)

 

リストに挙げていた最後の店は、14号と16号の境目にあるホームセンター内のペットコーナーだった。

 

その為、日を替えて何かの用事で前を通る時に訪問する事とした。

 

その店は店舗内にテナントとして入居しているみたいであったが、店の鳥揃えはそこそこまぁまぁだった。

 

しかし、店員が鳥の世話にあまり慣れていない様で、ここで売られている鳥たちが、ちょっと可哀相になった。

 

こうやって、2ヶ月に於ける鳥屋訪問の探索の旅は、終了する事が出来たのであった。