『新籠準備』

皇女達が嫁いできた時の新しい御宮を準備する為に、新年早々、ハツとハクを買ったちょっと遠いペット屋へ行く事にした。

皇女達が嫁いできた時に、ひとつの籠で4羽同居させる破目にならないよう、新居一式としての籠とアウターバスとブランコを準備したかった。

これは、皇女が見つかった時に慌てて御宮を買い揃える事の無いようにしたい、という飼主のせかっちな性分を物語っている。

当時の皇子達の御宮はとして、HOEIの〈380鳥かご〉(底が引出し式ではないもの)だったが、今度は、HOEIの〈35角〉を御宮にする事にした。

〈380〉では将来、巣箱を設置した時にかなり狭くなると判断したからだ。

最初に〈380〉を買ったのは、目新しいのと一般的な籠との実際の使い勝手の違いを知りたかったからだ。

近場のホームセンターやペット屋で〈35角〉は売っていなく、売ってる店はハツとハクがいたペット屋1軒しか覚えがなかった。

それと当時、同じケースの中にいたハクとハツの兄弟達は、その後どうなったかも興味があった。

その店にはハクとハツの兄弟と思える換羽中の雛が2羽だけ残っていて、正月セールと称して1羽¥890円位で売られていた。

換羽中なので小汚い姿をしてる為なのか、破格の値段だった。この店の価格規準は、よくわからない。

雛の安さに比べて成鳥は驚くほど高い。長居は無用とお目当ての〈35角〉籠を買って帰宅する事にした。

(往きは30分程だったが、帰りは渋滞の為1時間半も掛かってしまった)

アウターバスは、その店での値段が高かったので、自宅の近くのディスカウントスーパーに寄り道して買った。

残るプラスチック製のブランコは、どちらの店も置いていなかったが、この新籠は、嫁いでくる皇女達用なので慌てる事は無いし、

皇女を探している時にどこかでブランコは買えば良いだろうと考えた。

家に着き、今使っている籠と新籠を比べて見る。でかい、新籠の〈35角〉は奥行きがあり十分な広さだ。

これなら巣箱を設置しても狭苦しい感じはしないだろう。文鳥にとっても良い環境が作れると、1人で満足していた。

翌日、籠カバーの材料を仕入れる為に、家族と外出する。

せっかちな私は中途半端な状態が苦手で、いつでもいらっしゃいと準備が出来てなければ我慢できない性分を持っている。

布地は、将来の事も考えて2籠分とし、材料代込みで仕立て代として嫁さんに壱万円を渡した。

自分で仕立てる事が出来れば、2千円位の費用で済むのだけど裁縫関係は苦手なので仕方がない。

気を良くした嫁さんは、その晩にカバーを仕立ててくれた。

その間、私はアウターバスの下半分を白く塗ったり、缶ビール用ダンボール箱を材料に、籠の下に敷くゴミ受器を

工作したりして準備に勤しんだ。こういう風に色々準備する事は非常に楽しい。

ところが新しい皇女達用にと準備した新御宮にハツを住ませる事にした。

この時期、ハクとハツの喧嘩が益々激しくなってきて、皇子達が怪我などされては堪ったもんじゃないので、

仕方なく別居させる事にし、新籠にハツを移す事にした。広い籠を独占したハツだったが、ブランコがないのが不満そうだった。

我が家の籠の中の構成は、@止まり木2本 Aカバー付き餌入れ Bバナナ型水飲器  C副餌入れ小(ボレー粉用)

 D副餌入れ大(むき餌用) E菜挿し Fアウターバス Gブランコ となっている。これはどこにもある一般的な構成だろう。

籠の掃除は、毎週日曜日に、月末の最終日曜日には、籠と備品を熱湯消毒する事にしている。

実際、このHOEIの〈35角〉は、〈380鳥かご〉より掃除しやすかった。

と、言うよりも、〈380〉が掃除しにくいという事だ。確かに〈380〉は底に敷いた新聞紙の取替えだけをするには便利だけど、

〈35角〉の場合、引出しを引抜いて新聞紙を交換する方法ではなく、金網をプラスティックの底板部から取外してしまえば、

〈380〉と同じ様に掃除しやすい事に気が付いた。

つまり広げた新聞紙の上に、文鳥を入れたまま〈35角〉の金網を乗っけてしまえば、糞きり網の掃除や、

底板部の溝の掃除や新聞紙の交換が伸び伸びとできる。

逆に〈380〉の場合は、糞きり網の掃除がやりにくい。

最初に金網をプラスティックの底板部から外すのだけど、留め具のフックを外す時に、文鳥が驚いて暴れる。

糞きり網を金網から取外す時は、もっと手間がかかる。

一旦、広げた新聞紙の上に〈380〉の金網を置き、糞きり網の留め具を外す。

この時も、文鳥は驚いて籠の中を飛び廻る。その様子を見ると怪我でもしないかと不安になってしまう。

その上、4個あるこの留め具を、いつも無くさないかヒヤヒヤしてしまう。余計な不安を与える鳥籠だ。

そうやって糞きり網を外した金網を、別に広げた新聞紙の上に置いて掃除を開始する。

余計に店を広げる必要が出てくるのだ。掃除が終わって籠を元に復旧する時、特に糞きり網を取付ける時が一番手間が掛かる。

私の段取りが悪いのだろうけど、〈380〉は成鳥にとって、あまり便利の良いものじゃないと思えた。

しかし、糞きり網を外して使えば、有効に活用できるので、雛専用の籠として使う事にする。

次に籠を買う時は、GBの〈375〉を買ってみて、HOEIの〈35角〉との違いを比べてみたいと思う。