2005年(第5回)カンヌ映画祭パルムドッグに輝いた犬:ツォーホルが活躍する映画 『天空の草原のナンサ』 が、12月23日より全国順次公開となります。 モンゴルの大草原を舞台に、遊牧民一家の素朴な生活・人間と犬の関係・自然とのかかわり方などが描かれた、心あたたまる作品です!
ただいま、DVD発売中


(2005/独/93分) 監督:ビャンバスレン・ダバー(『らくだの涙』) キャスト:バットチュルーン一家

[ Story ]
モンゴルの草原に暮らす遊牧民一家。6歳のナンサはお手伝いの途中、ほら穴で子犬を見つける。ブチがあるので“ツォーホル”と名付けるが、お父さんは飼うことを許してくれない。しかし、内緒で手元に置くナンサ。
ツォーホルを連れて羊たちを放牧していると嵐になり、 あるおばあさんに助けられたナンサは、「黄色い犬の伝説」のお話を聞き、惹きこまれていく。
草原を移動する時期がやってきた。犬は置いていかれることに。ツォーホルが気になるナンサは、世話をまかされていた弟から目を離してしまう。 その頃、弟はハゲワシの群れの方へ向かっていた。つながれたままひたすら吠えて危険を知らせるツォーホルだったが…。



[ Children ]
ナンサとちいさな妹と弟。この三人を見ていると、思わず頬がゆるんでしまいます。 子供たちは幼い頃から責任ある仕事を与えられているため、愛らしいだけでなく、とてもたくましくもあります。 ナンサがひとりで馬に乗り羊を放牧しにいったり、ナンサより更に小さな妹が、弟の世話をしたり。また、子供と犬というのは大人とは違うところで通じ合っているんだなぁというのを映像から感じるハズ。


[ Dog ]
これまでのパルムドッグ受賞犬の中では、いちばん出番が多く、作品の中でも大きな役割を占めてます。
ツォーホルはふかふかとした白い毛に黒いぶちがおしりの上にひとつ、黒い顔の中心に白いライン、つぶらな(でも時々鋭い視線)瞳の小さな犬。かわいくてマイペースなツォーホルは親しみやすく、同時に神秘的な存在感もあります。超然としているというか。 だからこそ、ほら穴にいたり、オオカミと育った犬かも…とお父さんが心配するところも説得力があります。広い草原でツォーホルが走る姿は爽快。緑の中に白い体の犬…色合いも綺麗!

(下の画像は、パルムドッグ受賞犬に贈られる首輪です)

パルムドッグ首輪! モンゴルでは犬は人間に生まれ変わりやすいと考えられていて、オープニングはその輪廻転生の思想がよくわかるシーンになっています。 (うちの犬も人間に生まれ変わってたりして…)作品のモチーフとなっている「黄色い犬の伝説」も、興味深い物語です。また、確実に近代化の波が迫っているモンゴルの遊牧民文化の現状、そこから生まれる犬の問題についても取り上げられています。
犬は子供と同じでカメラを意識しないので、撮るのは楽だったとか。それよりも、人間を警戒するハゲワシの撮影の方が大変だったらしい!
前作でもそうでしたが、監督はラストシーン〜クレジットまでのシークエンスの描き方が特にうまいんです。この作品でも、じ〜んとさせてくれました。ツォーホルの魅力全開の部分でもあります!



[ Pictures ]
ツォーホル写真集!(クリックで大きな画像になります)





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