フロントブレーキは、ツーリーディング
では早速、整備開始です。まずは抜けて固着しているフロントブレーキを弄ります。 スバル360は、当然4輪ドラムブレーキです。 リアは、よく見るリーディングトレーリング式ですが、フロントは前進方向のみ倍力作用が掛かる、ツーリーディング式です。これは、40系からのスバル360の装備で、前進方向のブレーキ力を強化したものと思われます。なるほど、ホイールシリンダが2基ありますね。
まずは一度、ホイールシリンダを交換したという、固着していないフロント左から着手。しかし気温は朝9時半ですでに30度! 猛暑の中、蚊もでてきません。そんな炎天下、幸いにも固着していないドラムを抜き、ブレーキを分解します。シューを外し、ホイールシリンダを外し、OH掛ける前に、ついでに用意していたホースを交換してみます・・・・・・でも車体側のねじ山が合いません(泣)。奇跡とも思えるディーラーでのホース調達、ISOピッチのものなら入手できる、とのことで、てっきりこの年式はISO規格のミリピッチ品で良いと思っていましたから発注していました。 しかし、現車はあわなのです。そう、この年式はJISのインチピッチなのです。しかし、そのピッチは見た目ではほとんど変わりません。なぜなら、ミリピッチ品は1mmピッチ、JIS品は約1.05ミリピッチなのです。
そういえばツーリーディングになった年式のものでも、ホイールシリンダにISO刻印のある奴、無い奴があるとどこかのHPで見た気がします。 つまり、1967年あたりの形式は、そのあたりが複雑に交錯しているようなのです。
この一件で暫く、暑さでやる気が失せてしまい、ボォっとしてしまいましたが、モノが合わないものはしょうがない。まずディーラーに電話して、取ったホースが残念ながら合わない旨、説明します。次にJISピッチのホースが入手できるかどうか相談をします。 (後日、フロントだけはディーラーで純正品手配OK)
あつい〜。
クールダウンで気を取り直し、ホイールシリンダをOH、こちらは昔よくやった作業を懐かしみながら、さくさく完了。とりあえずホースは、旧品を装着して右側へ。
右側は、フルード漏れの原因かつ固着しているだけあって、恐ろしいくらい汚い状態です。。。。。シリンダの程度も、左よりは良くないです。
まずはパーツクリーナーで掃除しますが、ここで問題発生。 ブレーキライニングが、シューから剥離しちゃいました!
これはもう、張替えるしかありません。 ライニングの張替は、以前オールドタイマー誌で見た事のある目黒ライニング商会が有名ですから、これも外して依頼する事にします。(左ももう一度分解し、同時に張替え) でも、今剥れてくれたのは逆に良かったと思います。動かしているときに剥れたら、恐いです。
ホイールシリンダの状態、左より見た目が悪いので内部の様子が大変気になっていましたが、内部の劣化は思ったほどではなく、軽くスチールたわしでホーニングします。このとき、間違っても縦方向にスジを入れてはいけません。フルード漏れの原因になります。
カップキットを組み付け、ひとまずは終了。
余りの暑さと雷雨、予想外のアクシデントで、今日の作業、ここまでしか出来ません。ただ、ハンパに残った時間が勿体無いので、共同所有者メンバーに同時作業を御願いしました。内容は、20年間保管していたシビエのヘッドライトリレーの設置、コルクパッキンの作成、エアクリーナの交換、プラグコードの交換です。前者2件はなかなかの出来具合で、ヘッドライトの光量アップはなかなかのモノです。エアクリーナ、旧品はガソリン臭がきつく、オーバーフローか燃料コックの不良の様相が見えます。これは早めに対処が必要です。プラグコード、ウルトラの新品をおごろうと思いましたが、プラグの頭にラグが付いていないと嵌りません。プラグを新品交換してラグ付にする事を考えましょう。ちなみにコイルからデスビ間のコードは、被覆が剥けて危ないのでここだけ交換しておきます。
私は、というと、ついでに20年ぶりにポイントの整備に掛かります。旧品を外そうとデスビキャップを外すと、ポイントは物凄い錆び方です。しかも、なんと板バネが触っただけで折れてしまいました。良くこんな状態で、引き取ってきたときに興味本位でエンジンを回していたものです。 早速、ポイントを新品に交換しますが、昔の記憶が蘇らず、絶縁シートの入れ方を間違ってしまい、しばらくショートさせていました。これも15分くらい悩んで、はた、と気付いて現状復帰、エンジンを回すとエアクリ交換とあいまって一発セル始動、安定したアイドリングになりました。
本日の整備はここまで、後はブレーキのパーツ関係を当たり直しです。
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ブレーキシューは、予定通り目黒ライニングへ。一枚900円と、格安で出来ました。
ホースは、紆余曲折ありましたがフロントはディーラーでISO品と奇跡的に出てきたJIS品を交換、リアは横浜のカーサービスの貴重な手持ち品を譲ってもらいました。さらっと書いていますけど、ここにたるまでの労力はハンパではありません。
このようになると、実はISO品になっている、最終53型のほうが、いろいろとパーツの流用性があるのかもしれませんね。まずネジでこんなに悩まされるとは思いませんでした。
で、リアのホースを調達するときに、確認のため旧品を外し、ショップに持ち込む。ホースを見てもらい、カーサービスの社長に見ていただいた結果インチに間違いないので、譲っていただく。 持ち帰ってすでに調達できていた、フロントのホースを合わせてみると、ネジピッチが見事に一致しました。
ネジピッチ、ビンゴ。