現地レポート

-チャイルドケア、そして、その後-

    ウイルキンズ・祐子(在カンボジア)

 

 いつも、チャイルドケアの働きのために覚え祈り献げて下さりありがとうございます。多くの方々の祈りと支援によって、今日も世界のどこかで新しい希望を得る子どもがいる事を喜んでいます。

 カンボジアでは30年前の内戦の傷跡が今なお深く残っており、近代化とともに貧富の格差が大きくなっています。特に地方の農村部では、貧しい家庭が多くあり、子どもを学校に通わせる余裕のない家庭、貧しさの故に子供を売ってしまう両親、自分の子どもを路上に立たせ物乞いをさせる母親など、、、、話は後を絶ちません。

 現在、私たちはそのような貧しい農村部に2つのチャイルドケア・センターが与えられ、多くの方の支援と祈りによって178名の子どもたちが、毎日学校へ行き、充分な食事を与えられています。しかし、チャイルドケアの対象となる期間は、高校を卒業するまでで、ある子どもが卒業すると新しい子どもが登録され支援を受けるようになっています。子どもたちは高校を卒業すると同時に全ての支援を受けられなくなります。貧しい農村部では、就職できるような職場はなく、卒業後多くの子ども達が定職を見つけられないでいます。しかし、その子ども達の中には、すばらしい才能を持った子ども達も大勢いるのです。ある子どもは音楽、ある子どもはコンピューター、別の子は英語の通訳など、もし専門の教育を受ける事ができるならば、さらに才能を伸ばしその子どもの生涯を支える仕事につく事ができるかもしれない可能性があるのです。私たちはいろいろな協議を重ねた上で、香港のあるグループから支援を受け、奨学金制度をはじめ、これらの子ども達にさらに上の学びの機会を与える事ができるようになりました。今現在10名の青年たちが、大学の入学試験に合格し、それぞれの専門の学びを始めています。

 また、この事は現在チャイルドケア・センターにいる多くの幼い子ども達に希望を与え「僕は将来英語の先生になりたい」「私は楽器を弾く人になりたい」とそれまでは夢物語だった事を真剣に考えるように新しい希望を与えられているのです。

 私たちは、これから3年内に3番目のチャイルドケア・センターの設立の計画を持っています。 小学校でさえ行く事が不可能だった子どもが、このチャイルドケアの働きを通して、大学までの学びにつなげるという、一人の子どもの生涯を支える可能性があるのです。

 皆さんの祈りと支援を心から感謝いたします。

                                         (写真 左端--祐子師、右端ークリス伝道師)