>ゲーム画面 |
「クスクス。おはよう」 俺をのぞき込むように、女の子が立っていた。 見知らぬ女の子であった。 長い髪を束ねた、活発そうな感じの女の子であった。 そこまで見て、俺は少し不思議に思った。 少女の着ている制服はココの制服じゃない。 笑みを絶やさずその子は言った。 「やっぱり、ココにいた」 え? 何か引っかかるものを感じながら、俺は彼女の顔を見つめた。 「お昼寝?」 「ああ、……もう昼は過ぎたけどね」 |
俺はテーブルに座ったまま、遙を見ていた。 腕前のほうは、さすがに自慢するだけのものはある、慣れた手付きであった。 あとは本当に食えるものが出てくるかだな。 「もう少し、待っててね」 「何作ってるんだ?」 「ナイショ」 「って、それ見てチャーハン以外のものなんて思わないぞ」 「へへ〜〜ん、それが素人の浅はかさってね。何チャーハンでしょう?」 「うーん」 この匂いは……… 「カニだな」 「ぶっぶっ〜、ハズレです。正解はエビチャーハン」 |
目を開ける。 俺は……まだ俺は生きているのか…… そう思った。 温かい雫。 それが、俺の熱くなった顔に零れ落ちてくる。 ……咲夜……ちゃん そこに咲夜ちゃんがいた。 俺を見て泣いていた。 立ち上がらなくては、 立ち上がって、にっこり笑わなければ。 立ち上がって『俺は大丈夫だよ』 そう言ってやらなければ。 「……せんぱい…せんぱい……せんぱい……」 |