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【17】知る者は言わず、言う者は知らず

      ----辛抱が足りない

        

果報は寝て待てというけれど・・・

 

亡くなった父は普段からとても口数が少なかった。人の話を聞く時は、何も言わずにず〜っと聞いていた。相手が話し終わった後、一呼吸おいた後にやっと少しだけ発言した。

そして、その一言は本当に的を得た意見だった。私はいつもハッとさせられた。

息子を見ていると、そういう所が亡くなった父に似ているなぁと思う。おっちょこちょいの私は、口に出してしまってから、後で「シマッタ!」と思うことが多い。

息子が高校生の頃、「僕は相手が間違っていると思っても、それが120パーセントか140パーセントくらい確実だと思わなければ相手に言わない」と話してくれた時に、私はひっくり返るくらい驚いた。

日頃おっちょこちょいで失敗ばかりしている私が、彼の反面教師になっていたのかしらん?と、息子を頼もしく思う反面、自分が恥ずかしかった。

人の話を聞くというのは、本当に大切なことなのに、つい話し終わらない相手の話をさえぎってしまうことがある。聞くというのは辛抱だ。まだまだ辛抱が足りないと反省する日々である。

○知る者は言わず、言う者は知らず
[老子第五十六章]深く知りぬいている人はみだりに発言しない、やたらに発言する者はよく知らない者である。

2003年8月2日のつれづれ日記から

 
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