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【18】気になる二人

  ーーーオバマと公田耕一

        

 

 

気になる一人はアメリカ合衆国大統領オバマ氏。ミーハーな私はすっかり虜だ。演説の素晴らしさと格好良さに、ケネディ以来の新鮮な感慨を持って見つめている。最近なるべく本は買わないようにしていたが、CD付き演説集と、写真の多い「オバマの真実」を買ってしまった。

その「オバマの真実」の中に、彼が地域活動家として働いていた頃、くつろげるのは猫のマックスといるときや、蔵書を広げている時・・・というくだりを発見。

勝利演説では、ホワイトハウスに、新しい子犬を連れて行こうと娘たちに約束していたけれど、オバマは犬も猫も好きらしい。 クリントンさんがホワイトハウスで飼っていた猫のソックスを思い出す。

気になるもう一人は、名前を公田耕一という。非現実(頭の中)の世界はいざ知らず、現実ではオバマ氏とは対極の生活をしている人だ。

昨年から何回も朝日歌壇の短歌でその名前を目にした。朝日歌壇では詠んだ人の名前の前に、括弧書きで居住地が書かれている。日本の場合は、盛岡市とか東京都とあり、海外在住の人の場合はアメリカとかオランダと、国名が記されている。

私の好きな歌人の郷 隼人氏はアメリカ。モーレンカンプ冬子さんならオランダだ。でも、公田耕一という人の名前の前には、なんと、ホームレスと記してある。 

公田さんの歌は毎回二人以上の選者が取り上げているほど良い。そして、歌を詠む他の投稿者にも、かなり、公田さんの存在は衝撃であることが解る。

1月26日の歌壇では、3人の選者が

親不孝通りと言えど親もなく親にもなれずただ立ち尽くす

を取り上げていた。同じ日、北九州市の中村テルミという投稿者は歌で、

屋根があるだけの違いよ公田さん年金生活薄氷の上

と公田さんに語りかけていた。

公田さんは一体どんな生き方をしてきた人なのだろう? 1月19日の公田さんの歌は

日産をリストラになり流れ来たるブラジル人と隣りて眠る  とある。

名前は本名でないにしろ、今の生活は間違いなくホームレスらしい。

ホームレスでも、犬や猫と一緒に暮らしている人を見かけるが、公田さんが投稿葉書に歌を書く隣には、毛づくろいをしている三毛猫がいたりするのだろうか?  とても気になる。

今日の歌壇にも公田さんの歌があった。

一日を歩きて暮らすわが身には雨はしたたか無援にも降る

そういえば、先々週は2日ほど雨が降った。(2009/02/02)

 

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