01.02.08

「アレッチ氷河」

  平成11年7月16日

                     

「 アレッチ氷河」(99/07/11 CP-800にて撮影)

  随分昔、何かの本でアルプス最大のアレッチ氷河の雄大で神秘的な写真を見た時の印象が忘れられず、「いつかは実際に見てみたい!」というのが長年の夢だった。

 

 ユングフラウ(4158m)から東南に流れ下るこの氷河は全長30kmは越えていて、ビューポイントのエッギスホルン(2869m)の前で大きく西南の方向に曲がっている。

晴れていればユングフラウやアレッチホルン(4195m)の景観と合わせて絶好の撮影ポイント」とは観光ガイドブックの説明。

 

 1999年7月9日、この夢にまで見たスイスを 妻と訪れる機会がやってきた。

訪れた街や村はどこも綺麗な花が咲き、緑の牧場では大きな鈴を鳴らしながら牛が草を食み、氷河を頂いた険しい山 や点在する湖等、何処に行っても見惚れてしまう光景はまるでお伽の国のようだった。

 

 7月11日早朝インタラーケンをバスで出発し雄大なグリムゼル峠を越え、フィーシュという小さな町へやって来た。 アレッチ氷河はこの上のエッギスホルン(2869m)から眺めるのが一番だというが、山の上 には雲が掛かいた。

 

雲が晴れますように!」と祈りながらロープウエーに乗って山頂に向う も、次第にゴンドラはガスに包まれてしまい、遂に視界が全く利かなくなっていた。

ウーン! 駄目か!」と落胆しつつガスで覆われた山頂駅に降り立った。

  

 駅の外に出た みたが濃いガスが立ち込めて数メートル先も見えない。

 夢にまで見てたのに・・・と唇を噛み締め、恨めしい気持で立ち尽くしていたが、「せっかく来た のだからその辺を歩いてみよう!」と気を取り直し、ガスで霞んだ尾根道を辿って崖の縁迄行っみると、突然谷間のガスが晴れ、雄大な氷河が目に飛び込んできたのだ! 

  この衝撃的出来事に、「おっ 見えた!」と思わず歓声を上げて写真を撮りまくっていたのだった。

   

 そのときの一枚が上の写真である。 上空はガスに覆われ暗かったが、ガスの中で諦めかけた景観だけに思い入れもひとしおなのだ。

 

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