中でも一番思ひ出深いのは「ペンF」だ。
確か今から44年前、昭和38年に会社に入って間もない頃に購入したのが E.Zuiko 25mm f4.0
というフルサイズなら50mm相当のレンズを着けたこの「オリンパス ペンF」だった。
当時、趣味の山登りで出会う高山植物を、学生時代にアルバイトして購入したリコーのレンジファインダーカメラで撮っていたのだが、小さな花はどうしても満足に撮れない。 こんな時、一眼レフがあったらなあ・・・と思っても、当時の初任給は1
万6千800円、とてもじゃないが「高嶺の花」で高級カメラを買える身分ではないと諦めていた。
そんな時、オリンパスが世界で最初の35mmハーフサイズの一眼レフを発売したのだ。 値段ははっきり覚えていないが、確か3ヶ月分くらいの給料と同じくらいだったような気がする。 このカタログを取り寄せて眺めているうちにどうしてもそれが欲しくなってしまった。
それでも直ぐに買えるほど貯金も無かった。 僅かな給料の中から懸命に貯金して、多分発売から1年位後にようやく手に入れた・・・と記憶している。
それ以降、貯金が溜まるたびに 望遠レンズ E.Zuiko 100mm f3.5 や外付けの露出計を買い足して、山登りにいつも持って行くようになっていた。 |