PECOスポーク車輪 2004-10-3
- TMS(鉄道模型趣味)の広告に写真付で掲載されているN用スポーク車輪です。ワールド工芸のスポーク車輪に比べて価格が半額くらいなのと、PECOの分岐器とのマッチングも問題なかろうと思われるので購入してみました。
- 量販店、模型屋で探したが見つからず、PECOの日本総代理店である機芸出版社（TMSの版元）に直接注文しました。在庫確認せず、郵便振込みで代金＋送料を送付、通信欄に品名個数を記入しました。1万円以下では送料がかかるのですが、それほど大量にもいらないので、１０セットにしました。
- 1週間くらいで宅配便で届きました。宅配の封筒の中に、さらに、ダンボールで厳重に保護されていました。
- ワールド工芸のスポーク車輪、KATO（プレート車輪：2軸貨車に使われているものと比較してみました。
左がPECO、右がワールド工芸
PECO NR101 ワールド工芸 WH402-A 参考
KATO（プレート車輪）11-605車輪直径 φ6(※１） φ5.7
φ5.6 車輪厚(実測値） 2.0 1.6 1.85 フランジ径(実測値） 7.3 6.7 7.0 フランジ高さ（実測からの計算値） 0.65 0.5 0.7 材質 黒色プラスチック製
(※２）スポークのみ黒色プラスチック、
車軸、タイヤは金属、メッキ仕上げ金属
メッキまたは黒色仕上げ車輪 8本スポーク 8本スポーク プレート ピボット軸長 15mm(※３） 14.25(実測値） 14.25(実測値）
※１ PECOのは、他に比べても大きめで、国鉄貨車の車輪径φ860のNスケール(φ5.73)に比べてもオーバスケールです。KATOのが小ぶりなのは、フランジがスケールよりも大きいためでしょう。
※２ TMSの広告では、Hardlon Mouldingとあります。車軸に2箇所モールﾄﾞ注入口らしき平らな部分がありますが、スポーク、タイヤ、フランジとも極めてシャープです。
※３ 注文時あまり深刻に考えてませんでしたが、後で大変なことに・・・
- 1番問題なのは、軸長が長くてそのままでは入らないことです。
今回無理やり入れてみましたが、きつくて、軸受け部が少したわんだ状態になり、車輪が転がるどころか、手でも簡単に廻りません。
- 車輪径が大きめですが、あまり気になりません。
逆に直径が大きいので、スポークが見えやすく、見栄えがして気に入っています。
カワイのカに取り付けた場合。
- 旋盤でピボット部分を規定値まで削ってやるのが一番でしょうが、ないものねだりなので、次善策を考えます。
- ワールドのスポークの場合、車軸が車輪から抜けたので、ドリルレースができましたが、今回は一体モールﾄﾞなので、ジグをつくらないとうまくチャックにつかめません。
- ピボットの先に、タミヤのコンパウンドをつけて、貨車に取り付け、ゴムマットの上で、前後に動かして、軸受けを磨耗させます。
多少、動きやすくなりましたが、転がるまでにはなりませんでした。
- 逆に、軸受け側の間隔を広げるという手もありますが、Nの貨車の場合、車体と一体なので、改造は面倒です。また、軸受けをドリルでさらえるという手もありますが、軸受けを左右ばらせないので、穴が垂直にあけれないという欠点があります。
- 真鍮パイプを40mmくらいにカットして、端面をピボットに押し当てて削ることを考えました。
手持ちの外径φ２(内径φ１）と外径φ１（内径φ0.6）、外径φ0.6（内径φ0.4）を組み合わせました。
片側はカットしたまま、もう片方はドリル、丸やすりで少し内径をさらえます。 - この真鍮パイプセットをピボット部分に押し当ててぐりぐりまわして、削るわけです。
ピボット先端はパイプの中空のため削られないため、軸長は短くなりませんが、ピボットとのあたりはよくなるはずです。
- その後、ピボット先端を棒ヤスリを軸方向に軽くやすりがけ、すこしずつ回し、またヤスリがけと、カッターナイフの刃を直角に立てて、軸方向に先ほどのヤスリのざらついた部分をこそげるように動かし、軸を少し動かしを繰り返し、ピボット軸を24.3くらいまで短くしました。
- 河合の貨車の場合、ブレーキシューが車輪踏面にあたるので、ブレーキシューを少し起こしやると 車輪が軽く回るようになりました。
- タミヤアクリルのバフを薄めて、軸受けや床下、車輪のスポーク、裏面を中心にを筆塗り。（土埃の表現と、スポークが黒のままでは 目立たないため。エアーブラシのほうが仕上がりがきれいなはずですが、・・・）
カの場合 - しかし、完全にカンに頼る作業なので、数台（カ、ツム、ワフ、ワム）加工して、一部偏芯した車輪もでてきました。車軸を中央でカットして、こま型にして、車軸をドリルチャックに加えて、いわゆるドリルレースでピボット先端を仕上げて、パイプで左右の車軸を繋ぐのが一番まともな方法かもしれません。
- その後、軸受けにつけたまま、薄い平板のヤスリの端面を軸受けと車輪の間に差し込み、手で車輪を回して、ヤスリがけ、軸受けからはずして、カッターの刃をたてて、ヤスリ目をそぐようにしてやるとかなり軽く回るようになりました。ピボットのテーパー部の角度を鋭角にしてやるわけです。河合とともに、KATOの黒貨車でも回転がかるくなりました。ただ、KATOの場合、軸受け側の広がりが戻ってくると、また回転が重くなります。河合の場合、ブレーキシューが当たっている場合、回転が重くなるので注意。
- スポーク全体に薄めたバフを筆塗り。
- ヤードで４１１０に引かせて遊んでいるとき、牽引運転のときは問題ないが、推進運転のとき、脱線することがあります。
- KATOのワム90000にPECOスポーク交換品で顕著に発生、河合のツム１０００の交換品ではOKでした。転がり安さも原因のひとつのようです。つまり、KATOのワム９0000では、転がり抵抗が大です。とりあえず、KATOの黒メッキ車輪に交換したらOKとなりました。
