【97年2月10日(月)】

CNAがRVIの株式の50%を取得
(1月23日付 NEWS-RELEASE )


CNAがQIPからRVI(Residual Value Insurance)の株式の50%を購入し、提携関係に入るとのアナウンスがあった。

現段階は、 CNA, QIP, TCG3社の letter of intent が交わされた段階
株式売却の時期は97年の第1四半期
これにより、RVIの資本は75MIL から100MIL 以上へ増加

RVIは、バミュ−ダベ−スの世界最大の residual value insurance 会社。
自動車、不動産等の資産価値の Catastrophic Decrease に備える保険を提供する。

顧客は主にリ−スの貸し手(lessor)や lendor。
顧客は真の意味の保険カバ−を求める場合だけでなく、保険リスクを最小にしておく一方で、会計上の有利な取り扱い(Favorable Accounting Treatment)のみを目指す場合も多い。

今回の資本提携は、RVIの Underwriting and Product Development とCNAの marketing, Industry Expertise, Financial Strengthを合わせることで、両社の opportunities を拡大するのが目的。

参考:各社の関係

 CNA Financial Corporation
 CNA = CNA Financial Corporation の 100% 子会社
 TCG = The Chatterjee Group → QIP の RVIG に対する投資を supervise
 QIP = Quantum Industrial Partners 従来、RVIG の100%を所有していた。
 RVIG = RVI Guaranty Co. (Bermuda)

Note:951129メモ 「貸し手側から見たリ−ス契約の会計処理」(J-FAS13.doc)
960207メモ 「Residual Value Insurance の商品概要」
(J-RVI1.doc、RVI-1.xls)
FAS13 (Accouting for Leases, 1976)


−−−コメント−−−

RVI社の幹部には、大手ブローカーの紹介で1年前に会った。自動車の中古車価格のデータ収集等について、相当のノウハウを持っている。
(これがマーケットを独占できている理由だろう。)

Residual Value Insurance は、自動車リースの増加に合わせてニーズが増えて来たもの。
(日本の自動車メーカーは、80年代後半から90年代半ばまでの円高に伴い、日本車(特に日本からの輸入車)の新車価格を米国で急速に上げざるを得なかった。そういう中で米国の国産車との販売競争に勝つために、「品質が高く、下取り価格も高い」ことを利用して、リ−ス料金を同じ新車価格帯の車より相対的に低く設定し、リースの形で市場に食い込んだもの。)

 今後も自動車メ−カ−や自動車リ−ス子会社等からのニ−ズが予想される。機敏な対応が必要だ。


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