【97年10月16日(木)】

NAIC97年秋の定例会議


9月20日−24日に Washington D.C.で行われた、NAIC秋の 定例 Meeting の主要ポイントをまとめた。

特記すべき項目は以下のとおり。

1.Codification of Statutory Accounting
(1)今後の実施スケジュールは以下のとおり。
10月8日 : SSAPs(Statement of Statutory Accounting Principles)全文がNAICによって NAICのWEB で公表される。
10月29日 : 利害関係者からコメントをNAICに提出。
12月6−10日 : NAIC冬の会議で採択される。
99年1月1日(1年2ヶ月後) : 実施
(2)業界関係者の中には、「検討のスピードが早すぎる」という声もあるが、次第に賛同が得られるようになって来ている。

2.ALAE・ULAE区分改定関連
(1)98年1月1日実施
(2)取り扱いに関するQ/Aが98年1月1日より、 NAICのWEB に掲示される。
(3)1997年度のNAICのマニュアルに誤りがあることが指摘された。
  (Schedule-P関係の ULAEの取り方。)

3.Combined Annual Statement 廃止の提案
AAI(Alliance for American Insurers)より出された。
理由は、「個々の会社の Annual Statement に比べるとあまり使われていない。」というもの。
しかし、Pooling をしている会社、Inter Company Reinsurance を多く行っている会社などについては有用な資料であるとのことで、継続検討となったが、廃止される可能性は低い模様。

4.RBC関係
(1)Capital/Surplus Notes の取扱
a.一定の範囲内でTAC(Total Adjusted Capital)に算入できる。
b.TACは、RBCの分子となる。これに算入できるということは、RBCの計算上、いわば、自己資本と認められることを意味している。
c.「一定の範囲」とはTACの3分の1を超えないことである。
(2)新設直後の会社の Excessive Growth Charge の緩和方法が検討されている。
  (98.1.1以降採用予定)
  当社でも、Deviation Vehicle, Excess & Surplus Company を 近々作った場合、この緩和規定の恩恵を受ける可能性がある。

4.Catastrophe Reserve Calculation
(1)暫定モデルが検討メンバーに示された(8月8日付け:catprop2.doc TMMは検討チームではないが、入手している)。
(2)Industry で このモデルに基づいてインパクトを調査中。
(3)Feed Back は OCT.15 までにNAIC に送られる。
(4)SSAPs の中では、"pre-event" の Loss を Liabilty としてSet-up することを禁じている。しかし一方で、Cat-Reserve は別のものとして特別に、Liability をSet-Up する案となっている。その際には、積増相当額は Income Statement の一項目となる。
なお、導入は、Tax-Deductibility が認められ、Codification が採用(99年1月1日)されることが条件となる。

note:bf971016.htm


−−−コメント−−−

Cat-Reserve の 案が固まってきた。Tax-Deductibility が認められることが条件とは言え、Liability の一項目になる意味は大きい。
・日本の異常危険準備金の無税分を守る意味
・IAS(Internationl Accounting Standard)の検討
の2点から、特に今後の動向が注目される。

また、Surplus / Capital Note の RBC での取り扱いも興味深い。


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