Sport utility vehicle(ミニバンやジープ等) や pick up truck は、対物や対人事故において相手に大きな損害を与えるという調査結果に基づき、米国の大手損保会社のいくつかは、これらの車に対する賠償保険料の引き上げに動きだした。
値上げの幅は、最大で20%程度と見られている。
逆に、乗用車タイプの車の料率は最大10%程度下がる見通し。
これらのデータはIIHS(Insurance Institute of Highway Safety)の Crash Test の結果にも裏付けられている。
(平均より72%ロスコストが高いというデータさえある。)
この種の車は車重が大きい上に車高が高いため、衝突したときに相手に与えるダメージが大きい。
一方、これらの車は、衝突した際の自車のダメージが小さいことも明らかだが、この要素は既に料率(車両保険)に織り込まれている。また、一般的には契約者自身の傷害保険(搭乗者傷害保険:13州でしか強制付帯となっていないため、全米での付保率は40%)にはこの要素は織り込まれていないが、今回、賠償料率の引き上げとともにこれを織り込んだとしても、それによる保険料引き下げ効果は小さく、全体としては、大きな保険料率アップとなる見込み。
各社間の競争原理も働くため、ライバル社との関係で一般的には保険会社はこのアジャストには乗り気ではなく、どの程度早くこの動きが広まるかはわからないが、大手社が動いたとなると、次第に広がって行くものと思われる。
会社別の動向は次のとおり。
−−−コメント−−−キメ細かな料率の設定、アンダーライティングが競争原理の中でどのように働くかを垣間見る好例。
保険会社にとっては、以下が重要。
・データの蓄積
・分析
・機動的な料率修正
・他社の動向の迅速な把握
・以上に基づくマーケットセグメンテーション
・料率の営業末端・代理店への迅速な伝達