【98年4月15日(水)】

自動車保険料の低下
(NYTimes 980415)


自動車保険料は過去20年以上、上昇を続けていたが、近年の良好なリザルトを反映し、引き下げを行う保険会社が出て来ている。
III (Insurance Information Institute) の予測によれば、今年は1%低下して、平均保険料単価 $692となると見込まれている。

もちろん、保険料は州・保険会社により様々であり、同一の州でも保険料を上げる会社と下げる会社が錯綜しているが、全体としては、若干下がる、若しくは少なくとも横ばいに止まる見通し。

若干保険料を引き下げても、自動車保険の収益状況は良好な状態が続くものと予想されている。

- State Farm(シェア約25%)は、昨年31州、今年既に12州で引き下げた。
- 全般的に特に引き下げの目立つ州は、Hawaii, California, New York 等。
- 消費者団体からは、値下げへの圧力が高まっている。
- 良好なリザルトは、以下のような要因による。
運転者のマナー向上
車の安全性能向上(エアバッグ・アンチロックブレーキ等)
飲酒運転の減少
- 一方、逆に車両修理費、医療費、弁護士費用は上昇を続けている

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−−−コメント−−−

近年の「極めて良好」なリザルトを考えれば、保険料の引き下げは容易に理解できる。96年、97年のような「異常な収益」が毎年続くことは、決して期待できない。

保険料引き下げのレベルを小さめに押さえ、現在の良好な収益をできるだけ長く享受したいというのが各社の本音。

一方で、契約獲得競争は、ますます激しくなるものと予想される。
「今まで(少なくとも直近2年)の保険料水準が高すぎた。over reserve にしても 隠し切れなくなった。」という評価と言えよう。


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