【98年5月5日(火)】

自動車メーカーと保険会社のタイアップ
(Detroit:AP)


自動車メーカーと保険会社とのタイアップによる自動車保険の販売が増加している。

Affinity Group に対する保険販売は目新しいものではないが、自動車メーカーとの提携は、保険会社に、「より直接的な契約者との関係」をもたらすところが異なる。

BMW ⇒ TIG
30州で実施。97年に3000件を販売。
「契約者によって異なるが、保険料は最大30%安くなる」という。
Ford ⇒ AIG
Floridaで800件を販売。今年中に Ohio と Illinois に拡大の予定。
修理の際に Ford に持ち込むことを条件に、免責金額を100ドルまで引き下げる。
Volvo ⇒ Liberty Mutual
98年4月開始
140万人の Volvo 保有者に販売。
保険料は平均5−10%のディスカウントが可能
(Volvo Owner の低リスクと、マーケティングコスト削減の成果の反映)
Toyota ⇒ Geico
Test Program を昨年終了。
復活させるかどうかを検討中。
GMAC ⇒ National General Insurance (GM子会社)
昨年 Integon Group を買収した際に、自動車保険の保有件数は2倍以上になった。
自動車メーカーからのメリットは
●顧客に対する "one stop shopping" の提供
●ブランドの宣伝
●車の保有コストの削減
●顧客の囲い込み(hang on to the customers)・顧客のロイヤリティの確立。
●車の販売にも役立つ。
というような点である。

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このような販売方法は、基本的には、Niche Market としてとらえられている。

自動車メーカー・保険会社・契約者の win-win-win シチュエーションを どのように作り出すかがプログラム作りのポイント。

そのためには、保険販売(流通段階)における無駄の徹底的な排除と、マーケットの セグメンテーション、付加的なサービス(ほんの「味付け」程度でも良かろう)を 使って契約者・自動車メーカーにアピールしてゆく事が大切。

近年、米国の個人自動車保険マーケットが、「過剰利益」になっていることも、このような動きを加速させる原動力になっている。
現段階では、さほど大きな市場規模にはなっていないが、「自動車メーカーの顧客ベース」は膨大なものであるだけに、潜在的には大きな成長性を秘めている。 一方で、あまり伸びすぎると、もはや "Niche" では有り得ず、長期的には過剰収益は維持し得ないとも言える。
それだけに、「早く始め、稼げるだけ稼ぐ。」というのが採るべき戦略と思う。


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