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洋館グッズ。
洋風建築をかたちにするために欠かせない小物達をこう命名する。
この小物達は、手のひらに載るものから、一人の力ではもてないものまでいろいろある.洋館グッズ採集には選定基準はない。出合った時に選ばれた理由が語られる。
例えぱ「エロチックなかたち」
洋館グッズ採集は、浜辺で貝殻を捨い集める行為に似ている。拾った貝の価値は拾った本人でなければわからない。宝物集めである。宝物は居るべき所に居るのが一番の降伏な姿である。よって洋館グッズの採集は建物の中で息づいている姿を写真やスケッチに収めることが主な作業になる。洋館グッズ採集の特徴はグッズだけに焦点を絞っていることにある。細部から全体へ。
グッズから空聞を想像していただきたい、
空間に埋もれたグッズ達が今よりも美しく見えるのはなぜだろう。職人の技術のせいか,美的センスのせいか、生産過程のせいなのが、様々な背景が洋館グッズから浮かび上がってくるのである。
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古い洋館ではタイルや陶器だけがふわりと浮いて見える。木や鉄や漆喰やガラスは、時間の経過に従って表情が変化する。生活の手垢も素材から滲み出ている。なのにタイルや陶器からはそれが感じられない。家全体の中でその場所だけがタイムスリップした感じ。
洋館の魅力は時間の歪にある。モザイクタイルや陶器はその役目を担う。
雨の日の街角で洋館が壊された跡を見つけた。そこには玄関のモザイクタイル貼りだけが残っていた。雑草に埋もれながらかたくなに当時の時間を封印していた。
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衛生陶器は大正の初め頃から生産が本格化し、日本の生活習慣を取り入れながら技術力を高めていった。そして昭和初期には世界と比肩するまでになった。 |

広い空間を持て余したように斜めに
洗面台を設けそこに日本の住宅の狭さの
象徴である隅付洗面台を嵌めているのが珍しい。 |

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「いちかわ西洋館倶楽部」訪問記 加藤武志
「いちかわ西洋館倶楽部」は,実は私の事務所から歩いて5分ほどの所にあるが,知る人ぞ知るという存在で,私なぞは近所の人から「どうも御用邸としても使われていたらしいよ」と聴いていたくらいだった.昔の閑静な市川の姿を体現しながらも,1995年に音楽ホールとしてオ一プンするまでは,心の隅に残りつつその実体(?)については謎のままでった.
さて,この西洋館は,日本人の設計・施工によるもので明治・大正の名大工のによるものということである.今からおよそ75年も昔のことで,洋館そのものの資料の入手もままならない時代に織人集団によってこれだけ蜜度のある仕事をしたとは,驚きである.
現在も窓枠に納まるバランサーのおかげで軽く上がる上げ下げ窓は,見せかけではなくまさに"本物"なのである.内部の建具や枠廻りの装飾も格式を感じさせ,全体のバランス感覚は,異国の建築文化なのになぜここまで当時の職人が洗練できたのかと思う. |
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この西洋館のもう一つの見どころは,「洋」に対しての「和」の納め方,いわゆる「和洋折衷」の部分である.おそらく悩みぬいたであろう職人の人間味のある解決策が大小あちこちに見られて75年という年が少し縮まったようで,うれしい.
書院造りの和室中心の2階では,障子で囲われた座敷の回りに広縁をとり,和と洋の緩衝ゾーンとしている.和室からの真壁がどこからか厚い大壁に変化したり,座敷から障子ごしに見る,上げ下げ窓も違和感なく美しい.和洋どちらにもへりくだることなくバランスをもたせることで「和洋折衷」を粋なスタイルにしたてている.日本の大工の誇りと異文化への探求心,そして何よりも,後世に残して恥ずかしくない仕事をしようという織人の心意気のようなものをこの西洋館から感じ取れた.
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(写真及び文:住宅建築 9月号 第318号より抜粋)
いちかわ西洋館倶楽部
市川市新田5-6-21
пF047-322-2012 |

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