実行委員長からのお誘い:

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●今回の支部大会のテーマですが、実行委員会では以下のように考えています。
  会員外のかたもお誘いあわせの上、是非ふるってご参加下さい。

大分での医療管理学会九州支部会は、衛生士をはじめとした歯科スタッフの、
こころとスキルの向上の起点となるような学会にしたいと考えています。
メインテーマは「患者さんの語りに耳をかたむける」です。


今回のテーマは、みなさんの診療室や受付で、
患者さんとのさらにより良いコミニュケーションを図るためであると同時に、
近年耳にするNBM(ナラティブ ベイスト メディスン)に関連したものでもあります。

NBM(ナラティブ ベイスト メディスン)とは、
EBMと関連した形で1998年頃から欧米(特にイギリス)で唱えられ始めた考え方で、
科学として根拠のある医療を、適切な技術と継続性を持って提供すると同時に、
もうひとつ忘れてならないのが、病気を持つ患者さんにはその人の「物語り」があるということを
十分に理解して患者さんとのコミニュケーションを図ることである、という考え方です。


わたしたちは「医学のひと」であるとともに、それ以前に「医療のひと」であるわけです。、
医学的に適切な診断や治療法を勉強し、新しい知見を検索し、
批判的に吟味するよう努めるにしても、
そのプロセスの前後では、必ず患者さんとのやりとりがあるわけで、まず患者さんの訴えをよく聞き、
その訴えの意味や患者さんが真に伝えようとするところをよく理解せねばなりません。

また医学的に妥当と思われる診断や治療法が見つかったとしても、
それを患者さんに伝え、納得して治療に入ってもらうためには、
あるいは治療の結果に納得してもらうためには、
「こういう症状なら当然こういう治療になります」というだけではえてして不十分で、
その患者さんの現症や病歴だけでなく、
歯科治療についてのその人の考え方(価値観)や、
日頃の生活やその人の気質を知ることが有効だ、
ということは実際によくあることではないでしょうか。

ときにはその方の人生に対する思いまでも含んで、
その患者さんの病気にかかわるナラティブ(物語)をよく聴き対話をはかることが、
医師・歯科医師の診断、治療のプロセスに役立ち、
そしてそのサポートを行う歯科スタッフのケアのプロセスに役立ち、
しかも患者さんの話をよく聴くことそれ自体に、時には治療的役割、
あるいは治療の限界をも補ってくれる役割が発見されることがあります。


今日、歯科医院に訪れる患者さんの満足度をアップするには、
「患者さんと医療者側の心と心のふれあい」がますます大切になってくると思います。

医学的には妥当なことを行っているから患者さんが満足してるはずだ、
という推論が時代遅れの感覚であることも明白です。
患者さんに「この人なら話してみようか」「ここなら安心できる」という気持ちを持ってもらうためには、
まず患者さんと最初に接するスタッフの心の切り替えが第一です。
具体的には、毎日の診療で衛生士がまず患者さんとお話をすることが多いと思われます。

そのとき患者さんがどう語るか、それにどれだけ耳を傾けることができるか、
その質と量は、わたしたち医療者側の態度や話し方によって大きく異なってくる、ということを、
彼女らに、小手先の技術としてではなく、こころの底から理解してもらいたい。
そしてそのことを、これからの新しい時代の診療に役立てていこう、というのが今回の企画の狙いです。


このような心の伝え方(コミニュケーション・スキル)は一足飛びに向上するものではありません。
まず、人としての心の持ち方とプロとしての誇りをしっかりと基礎にすえ、
今回の企画で先鞭をつけた後、各院が徐々にスキルアップしていくことで、
これからの社会における歯科そのものの価値を向上することができたらと考えています。

                    実行委員長:木村 哲也(大分県)


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