不幸の手紙の対処法

奉「不幸の手紙ってのが届いたんだけどね」

司「へえ、今どき珍しいわね。
  それって、あれでしょ?
  おんなじ文面を何通か出さないと不幸になるってやつ?」

奉「そうそう。
  なんかね、アイダホの少年が手紙を止めて不幸になったから、効果は本物。
  出さないと大変な目に遭うぞって書いてあるよ」

司「誰よ、そのアイダホの少年って……
  んで? どーすんの?
  やっぱ、あんたも送るつもりなの?」

奉「ん〜、なんか手紙出すのも面倒だしな〜」

司「じゃあ、あきらめて不幸になんのね?
  まあ、これで手紙の連鎖も終わるんだから、
 いいことなのかもしれないわね」

奉「不幸もやだな〜。
  なんか色々大変そうだよね、不幸になったら」

司「そ〜ね〜、やっぱ不幸ってくらいだから、痛い思いしたり……」

奉「言われもなく袋叩きにされたときより痛いかな?」

司「お腹が空いてどうしようもなくなったり……」

奉「ええ〜、今度こそ餓死するかもしれないな〜」

司「着る物も住む家もなくして路頭に迷うとか……」

奉「橋の下での生活なら慣れてるよ?」

司「……あんたをこれ以上、どう不幸に出来るのかってのに
 興味が出てきたわ、あたし。
  でもさ、あんたも、もうそんな目に遭いたくないでしょ?
  だったら、誰かに手紙、出すしかないんじゃない?」

奉「んん〜、でも、不幸の手紙ってさあ……」

司「なによ?」

奉「……呪詛返ししちゃえば良くない?」

司「…………それもそ〜ね〜」

奉「やっぱ、そ〜だよね〜。
  んじゃ、準備、準備っと」

司「あたしも手伝う〜!
  ついでにオプションサービスで色々送り返しちゃお!」

奉「そだね〜。
  恩と恨みは十倍返しって、昔から言うしね〜」

 

教訓:人を呪わば、穴百万個。

   あと、ケンカ売る相手が悪かった。合掌。

―了―

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