コミック

いろは双紙(みなぎ得一著)

1997年ホビージャパンから発行。
京を舞台に妖怪退治をする妖獣・鵺『義虎』が大暴れするお話。鵺っていうのは、頭が猿、身体が狸、四肢が虎、尻尾が蛇の正体不明の妖怪。義虎は、普段は人間のボーイッシュな女の子(一部男の子)の姿をしているけど、身体妖型変換で、妖獣の姿に変わる。
お話は、義虎と後見人のお岩ねーさん(正体は、なんと天宇受賣命さま)の住んでいる山奥の誰もこない御食事処『水簾』に異人さんの女の子『セント・ハーシェル(さんぞ・ほーしと聞き間違えられる/笑)』が助けを求めて駆け込む。吉利支丹寺に悪魔が現れ、神父たちを喰らっていると。その悪魔の正体は、経営難に苦しんだ司祭が喚び出したローマ帝国の死神オルクス(豚面の獣人の神)。さて、その対決や、如何に!?
その次の話では、海に現れたクラーケンを追って、魔界・万魔殿から派遣されたヴェパール大佐(人魚の姿で現れる海の統治者)との対決……は、してないか、口喧嘩はあったけど(笑)。
以上のことで、分かった方もいるかと思うけど、
鵺・義虎=孫悟空 セント・ハーシェル=三蔵法師
オルクス=猪悟能八戒 ヴェパール=沙悟浄 
で、西遊記をモチーフにしています。
他にも、義虎の片割れである鵼(頭が猫、身体が鷹の妖鳥)・義鷹との対決や、妖獣・妖鳥であった二匹のぬえが人の身に転じたエピソードなどがあります。
とにかく、話が面白い! 伏線バリバリで、おおい! 続きが気になるぜ! でも、一巻で完結なんですよねぇ〜。
続きというか、世界観が同じ話が二冊出てます。
ワニブックスの『大復活祭』と『足洗邸の住人たち壹(1)』
意外な人(?)物が意外なトコに出てたりで、みなぎセンセのお話にはまりまくりのボクとしては、嬉しい限りの二冊です。しかも、『足洗邸〜』は、コミック・ガムで、好評連載中なのさ! さぁ、みんなも読んで、はまって、ファンレターを出しましょね!

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