姫野 翠

 

 勁とは人間の動作によって生み出される「力」全てを指す。
 これを体内に蓄積し、体の末端部から放出する事、もしくはその際の肉体動作を発勁という(勁そのものの本質を知る者であれば、人体のいかなる部位からでも発する事が可能)。
 純粋な攻撃の力として用いた場合のそれは凄まじい威力を誇る。

継承の儀

 流派発祥の地と言われる日本国内某所、不韻流の天領地「四鬼陵」と呼ばれる場所にて不韻流後継者が自らの考案した技を以て、継承の可否を問う儀式の事(人格面等で後継者と相応しくないとされる者は、「継承の儀」を受ける事すら出来ない)。
 継承を許された者の生み出した技は考案者の名の一文字をとり、「不韻流継承技」として代々受け継がれる。

光風霽月

 不韻流の心得。
 元々は雨後のすがすがしい景色を表す言葉であったが、宗の時代以降はそれ迄の自然に対しての表現から、心がさっぱり澄みきっている状態の形容として使用されている。
 不韻流の人間は「自らの心が澄んでいれば、これ無敗に通ず」との考えを表した言葉と捉えている。

四鬼陵

 「継承の儀」を執り行う国内某所の不韻流天領地。
 すりばち状の巨大円形闘技場であり、人対人の戦いには不釣り合いなまでの広大な面積こそが、不韻流の持つ破壊的な実力を端的に表している。
 また、南北には闘技場の名の由来である2対の鬼神像が見受けられる。
 因みに、北の鬼神像は「北司・天陰双鬼 乾・坤(あめ・つち)」、南の鬼神像は「南司・天陽双鬼 乾・坤」と呼ばれている。

「絶対熱血! みどりがイチバンっ!!」

ラウンド1
「疾風怒濤! あたしがウワサの熱血ガール!」
  VSラインドウェル・レインリクス

ラウンド2
「快刀乱麻! 賞金稼ぎの挑戦!」
  VSガリィ・'バニッシュ'グレッグマン

ラウンド3
「空前絶後! VSは魔法使い!」
  VSアルティ・アル・ラーゼル

ラウンド4
「問答無用! 正義の味方をぶっ飛ばせっ!?」
  VS完全懲悪ダンザイバー

ラウンド5
「天下一品! 待ってました大勝負!」
  VSエリル・プローズ

ラウンド6
「驚天動地! 対決! あたし対アタシ!?」
  VS姫野 翠(人形)

ラウンド7
「変幻自在! 脅威を運ぶもの!」
  VS幽祢

ラウンド8
「電光石火! 今つけるべき決着!」
  VS天法院 慧矢

ラウンド9
「千載一遇! 一度きりの死闘!」
  VS斎月 セツナ

ファイナルラウンド
「光風霽月! やっぱりあたしがNo.1!」
  VSイハドゥルカ

姫野 翠(ひめの みどり)

 現役高校生にして、不韻流古式格闘術宗家の後継者たる熱血・格闘少女。
 日々、不韻流継承の為の一環として「実戦」を行っている。
 その若さと戦いそのものが好きな性格故、力に溺れないまでも格闘技者然としたストイックさは持ち合わせていない。
 数年前、邪霊に憑依された男の前に大敗を喫し、以後は人外のものをも実戦対象として力を磨き始める(その際、慧矢の気まぐれにより不本意ながら助けられている)。
 この事件以降、妖魔調伏を生業とする慧矢とは度々顔を合わせる様になるが、初めて会った時からその印象の悪さは変わっていない。
 セツナとは幼い頃から家族ぐるみでの交流を持っており、付き合いの長さ故か、彼女の微妙な変化に気付いている。
 左腕に巻き付けているバンダナの下には、幼い頃迷子になったセツナを探した際にできた傷痕がある。

姫野 翠・パーソナルデータ

コピー 熱血格闘少女

年齢 18歳 

誕生日  5月 3日

出身 日本

身長・体重 170p・59s

BWH 90 64 76

血液型 B型

趣味 ジョギング

好きな食べ物 米、納豆

好きなもの 戦い

嫌いなもの 卑怯者

姫野 霜月(ひめの そうげつ)

 不韻流古式格闘術宗家の当代であり、翠の父親。
 現在は不韻流護身術の師範として道場を切り盛りしている。
 当年とって46歳だが、いまだその力に衰えは見せない。
 厳格な性格である事から、翠とはしばしば衝突し、彼女を半人前と言ってはばからない。
 彼の不韻流継承技は「斗月」と呼ばれ、翠はこれにアレンジを加え、己の物としている。

姫野 霜月・パーソナルデータ

年齢 46歳

誕生日 11月24日

出身 日本

身長・体重 176p・87s

BWH 92 90 87

血液型 AB型

趣味 座禅

好きな食べ物 かれいの煮付け

好きなもの 梅花

嫌いなもの 半端者

不韻

 音のしない事、またはその状態を指し、不韻流の名の源泉となった言葉である。
 不韻流においては音もなく相手を倒す事を意味し、その教義の中では「汝、勝利不因。我、敗北不因(汝は勝利する要因を持てず、我は敗北する要因を持たず、の意)」という教えにも派生した。

不韻流 阿修羅(あすら)

 不韻流の基本技。
 後方から相手を上空に蹴り上げ、自らの腕と超高密度により実体化した氣で構成された4本の腕の計6本で、手首、太股、足首を空中でホールド後、着地のインパクトを利用して各部関節にダメージを与える。
 相手を捕らえた際の様子が、六本の腕を持つ古代インドの鬼神「アスラ」をイメージさせる為、その名がとられている。

不韻流第28代継承技 幻翠(仮)(げんすい)

 右掌に体内の氣を収束させ、左回転運動を行う円盤状の物体として相手へ投げつける技(円盤の直径は氣の放出度合いにより、任意に調整できる)。
 円盤状に凝縮された氣は上空から見た場合、掌に対して左回転しており、こえはDNAが左巻き2重ラセンの高分子構造である為、体内細胞に蓄積された氣が最も効率的に空気中を伝達する事実に起因する。
 翠が「継承の儀」に用いる予定の技であり、彼女が不韻流後継者と認められた際は第28代の継承技となる(その時になって初めて、「仮」の文字が外される)。

不韻流 獅子吼(ししく)

 不韻流の基本技。
 相手の首を掴んだ状態でジャンプし、後頭部から地面に叩きつける技。
 首を掴む事で相手の体内呼吸運動を圧迫、これにより軽い硬直状態となった相手の体には、正常に受け身をとった時に比べて強い衝撃が与えられる。
 技名である獅子吼とは獅子の咆吼を意味する。

不韻流始代絶対奥義 牙疾澪討(すとれいと)

 左掌から発した氣により、相手の氣脈を封じる事で身体機能を自由を奪い、体内に蓄積した勁を右の拳より一気に叩き込む技。
 主に目標物を空中に捕縛する場合が多い。
 全身の筋肉を螺旋状に捻る事で蓄積した力を、攻撃時に拳へ集めるという身体操作から「発勁」に区分される技である事は明白である。
 更にその中でも、遠距離の相手を攻撃する特性、ならびに、全身の伸張力である「手動力」と、蓄勁解放と体の急制動を合わせた「射出力」を打撃力に変換する為、「長勁式射出合速法」に区分される。
 考案者は不韻流古式格闘術開祖でもある英代 澪で、その威力は不韻流絶対奥義の名に恥じない物である。

不韻流第6代継承技 亡楼(ぼうろう)

 自らと高密度な氣で形成した分身によって相手の四方を封じ、同時に無数の打撃技を叩き込む技。
 攻撃を受ける相手は、打撃という名の風に吹き散らされる桜の様である。
 考案者は第6代継承者、姫野 桜。

不韻流第9代継承技 瞬雪(しゅんせつ)

 両掌に収束させた氣を実体弾として相手に打ち放つ技であり、左右のそれぞれに個別に、もしくは一つに纏めて任意方向へ発射する事が可能。
 弾速は極めて速く、まさしく「瞬きの雪」である。
 考案者は第9代継承者、姫野 雪弥。

不韻流第13代継承技壱・弐 迅霞・穿霞(じんか・せんか)

 迅霞とは、相手に飛び蹴りを当てた状態で直進し、空中で回し蹴りを行い、進行方向とは直角に相手を蹴り飛ばす技。
 穿霞は相手と零距離の状態から、右掌を通じて勁を相手の水月(鳩尾)に叩き込む、「短勁式勁力合力法」にあたる技。
 両技とも考案者は不韻流において不世出の天才と称えられた第13代継承者、英代 霞。

不韻流第27代継承技 斗月(とげつ)−Midori(e)Mix−

 考案者は第27代継承者であり、同時に翠の父親でもある姫野 霜月。
 本来は相手の懐に飛び込み、上昇しながら相手の上半身に無数の拳打を叩き込む技なのだが、翠は地面に叩き付けるオリジナル要素を組み込んだ、「斗月−Midori(e)Mix」として使用している。

 翠の好きな言葉(座右の銘とまではいかない)。
 室町時代中期に活躍した一休禅師の説いた教えであり、全文は以下の通り。

 この道をいけば
 どうなるものか
 危ぶむなかれ。
 危ぶめば道はなし
 踏み出せば
 その一足が道となる。
 迷わずゆけよ
 ゆけばわかる。

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