イハドゥルカ

 

一切の暗き幽峡の朱赤い口付け
(いっさいのくらきゆうこくのあかいくちづけ)

 高密度エネルギー球をヴァナルガンドから連続発射する技。
 目標の頭部を掴み動きを封じた後、杖底部からエネルギー球による腹部に対しての零距離射撃を行い、上空へと弾き飛ばす。
 すぐさま目標の真上に空間移動、再度のエネルギー球発射により直下の地表に叩きつけ、更に上空からの追射撃をもって対象を粉砕する。

イハドゥルカ

 多次元に同時存在する生命体「リア」のイ・プラセェルでの名前。
 自らの意志によりその全ての思考は攻撃となり、全ての思考は防御となる。
 行動原理は純粋たる破壊衝動に起因しており、その対象は自身とて例外ではない。
 背中には翼状の大出力魔力放出機関があり、常にそこからは、彼女がイハドゥルカとして存在する為の力場形成素が放射されている。
 「イハドゥルカ」としてのリアを抹消する為にイ・プラセェルへと干渉してきた幽祢の動きを察知し、「リアの欠片」である華麟の力を取り込むべくセツナを召喚する。
 一時的ながらエルツヴァーユに封印されるが、実際にはその枷を解く事は造作もなく、華麟の接触を待っていたに過ぎない。

イハドゥルカ・パーソナルデータ

コピー 絶対存在

年齢 23歳(人間換算時)

誕生日  9月 5日(地球標準歴換算時)

出身 イ・プラセェル某所

身長・体重 175p・52s

BWH 102 58 87

血液型 B型

趣味 なし

好きな食べ物 なし

好きなもの 破壊、幽祢

嫌いなもの オルサ、人間

イハドゥルカ・イル・イメラ

 リアがイ・プラセェルに実体化する為、依坐として選んだ女性。
 元々はエヴナ・アブラク聖神国の宮廷魔導師であり、「ロスト・レガシィ」と「暗黒結界ニグレド」に対して造詣が深かったが、数年前に謎の失踪を遂げていた。
 その自我はリアと共存しているが、その存在方法は何れかによる支配と被支配という形をとる。

イハドゥルカ・イル・イメラ ・パーソナルデータ

年齢 23歳(地球標準歴換算時)

誕生日  2月 9日(地球標準歴換算時 

出身 エヴナ・アブラク聖神国

身長・体重 175p・52s

BWH 102 58 87

血液型 B型

趣味 先史研究

好きな食べ物 ブレーンパスタ

好きなもの デライン・ザァル・デライン

嫌いなもの 夢

イル

 エヴナ・アブラク聖神国の女性宮廷魔導師につけられるミドルネームを指す。
 フィニステール王国における宮廷魔導師のミドルネームである「アル」と同様、任命された際に魔導師長から贈られる。

ヴァナルガンド

 イハドゥルカが自らの胎内に召喚した存在を強制摘出し、羊膜そのものを宝珠として取り付けた「破壊の杖」の名を持つ杖。
 羊膜内の存在は、胎息と呼ばれる胎児が胎内で行う呼吸法により(道教においては、不死の命を得る法とされる)、ある種の永久機関として働き、「ヴァナルガンド」へ魔力の無尽供給を行う。

オルサ

 ラテン語では「ORSA」と表記され、「全てのものの始まり」といった意味を持つ。
 但し、イハドゥルカの言う「オルサ」が何を、もしくは誰を指すのか、その他一切の事象は不明。

欠片

 幽祢、イハドゥルカが華麟を指す際の呼称。
 華麟自身が、かつてセツナの住む世界において幽祢に滅ぼされた「リア」の力の欠片である事から、この様に呼ぶ。

灼熱の内にある虚空の瞬、眠れる冥嘘の戒め
(しゃくねつのうちにあるこくうのまたたき、ねむれるめいきょのいましめ)

 ヴァナルガンド内部に蓄積された魔力を自らの周囲に火炎衝撃球として発生させる技。
 任意により公転距離を変化させる事が可能であり、攻撃・防御性は極めて高い。

千暗の闇に照影する、永劫夕霞の止どなき幻
(せんがのやみにしょうえいする、えいごうせきかのとめどなきまぼろし)

 ヴァナルガンドにより動きを束縛した状態で、重力の枷を無視した軌道で相手を振り回す。
 自らの意志の介在しない空中制動、硬化された身体への地表激突時の衝撃は相手の肉体に過度の負担を与える。

繊麗の灼炎、遺愛の珠箔となりし焦熱の耀き
(せんれいのしゃくえん、いあいのしゅはくとなりししょうねつのかがやき)

 槍状の攻性発光体を相手に連続射撃する技。
 ヴァナルガンドの底部から発射された光の槍は、いかなる遮蔽物をも貫通しながら目標へと直進し孔穴を穿つ。

大過を狂奔せし扉、遠略の証に囚われの彪
(たいかをきょうほんせしとびら、えんりゃくのあかしにとらわれのあや)

 背中に生える翼状の大出力魔力放出機関から、ベンディスとメルティスに施された魔力を照射する技。
 照射される魔力は、それ自体の攻撃力を落とす事なく超広範囲に照射可能であり、防御性に富んでいる。

「封神領域エルツヴァーユ」

第1話「鮮烈の女~」
     VSイハドゥルカ(エルツヴァーユ最終プロテクト)

第2話「邂逅(わくらば)」
     VSエリル・プローズ

第3話「それが私の生きてる理由」
     VS天法院 慧矢

第4話「エスペラントの背徳」
     VSラインドウェル・レインリクス

第5話「穿たれた跡。または、二つ目の原罪」
     VS完全懲悪ダンザイバー

第6話「隠したるは其の想い、耐えざるは其の痛み」
     VSアルティ・アル・ラーゼル

第7話「何故・・・? 何故と私は言ったのか?」
     VSガリィ・'バニッシュ'グレッグマン

第8話「イハドゥルカ・イル・イメラの名」
     VS姫野 翠

第9話「思い出は万華の如く」
     VS斎月 セツナ

最終話「ねぇ、あの日の思い出は、あなたの心にもまだあるのかしら?」
     VS幽祢

ベンディス&メルティス

 イハドゥルカの背後に位置する2体の硬質球体。
 それぞれ「祝福」と「呪い」の名を持ち、彼女の攻撃と防御の両面に使用される。
 インヤン風の配色がされた表面には魔力コーティングが施されており、あらゆる攻性と耐性を併せ持つ。

崩滅陣

 ベンディスとメルティスにより作り出される、空間歪曲を利用した結界。
 目標の周囲へ五重にわたる環状魔法陣を展開し、極性の空間歪曲率を持つ結界を生み出す事で目標を捕縛する。
 同時に球状結界内部の空間構成物までも捕縛する為、事実上発動者の意志以外による解除は有り得ない。

マテリアルプレーン

 主に、肉体というアストラル体(精神)の器を持つ生命体であるマテリアル体が存在する空間。
 世界の存在階層が違うとはいえ、地球を含む世界やイ・プラセェルもマテリアルプレーンに属する。

無銘(一)

 ヴァナルガンドに相手の頚部を引っかけて宙に振り上げた後、地面へ叩き付ける技。
 右手一本で相手を浮かび上がらせる際、そこに一切の魔力要素は介在しておらず、全てはイハドゥルカの運動能力のみによる攻撃である。
 この事象からも彼女自身が超越的身体能力を有している事が伺い知れる。

無銘(二)

 後頭部を掴んで中空へと放り投げた相手を、それぞれ分裂したベンディスとメルティスによるエネルギー弾の連続挟撃を行う技。
 ベンディスとメルティスの発射するエネルギー弾はお互いが対局に位置し合う最大相違性を持っており、これを交互に被弾する相手は、連続する極度の差異性に肉体が対応しきれず、単独攻撃時とは比較にならない程の負荷を受ける。

依坐

 アストラル体がマテリアルプレーンにおいての仮宿とする生命体を指す(主に人間が多い)。
 器となる人間とアストラル体の間には相性が存在し、誰しもが依坐となれる訳ではなく、アストラル体自身も行使する力に制約を受けたり、最悪の場合は力や自我そのものを失ってしまう事もあり、彼らにとって器の選定は慎重を要する儀式である。
 また、生命体以外の器は「依代(よりしろ)」と呼称して区別を行う。

リア

 多次元に同時存在し、それぞれが記憶・意志を共有しながら、異なる自我を持つ多次元同一生命体。
 その全ての中心存在、「実身」がリアである。
 かつては幽祢と彼女ら以外生きる者のいない空間において、お互いに強い結びつきを持ち、自分達のあらゆる存在方法に必要な要素を補助し合うシステムを構築していたが(幽祢に与えた「オホソラも、その要素の一つ)、別次元に自らの同一体である「仮身」と呼ばれる「イハドゥルカ」、「ギラクルヴァ」等を持つ事によって幽祢の補助を必要としなくなり、一方的に彼女へ別れを告げる。
 この時以降、幽祢はリアの仮身を滅ぼし、彼女の存在を自らと同じく単一に是正する事を目的としだす。
 仮身は同一次元に複数存在する場合もあり、不思議とそれぞれの発音は似通ってはいるが、その目的は「破壊」、「生存」、「監視」等、存在毎に大きく異なる(セツナが華麟と呼んでいる意識体も、セツナのいる世界において遙か以前、リアの仮身が幽祢により滅ぼされた時に残った「力の欠片」に過ぎない)。
 幽祢と同様の理由から、人間に対しては近親憎悪的な感情を抱いている。
 <止まらざるもの=トランジスタシス>という幽祢に対極に位置する性質を持ち、自らの究極を越える事を至純の目的と称している。
 だが、その真意、幽祢に対する秘めたる感情は決して他者の知るところではない。

リア・パーソナルデータ

年齢 10010歳(人間換算時)

誕生日  7月23日(地球標準歴換算時)

出身 不明

身長・体重 179p・54s

BWH 103 56 90

血液型 B型

趣味 なし

好きな食べ物 なし

好きなもの 幽祢

嫌いなもの オルサ、人間

我はイハドゥルカ、悠久なる真如の自在
(われはいはどぅるか、ゆうきゅうなるしんかのじざい)

 崩滅陣へと捕縛した対象を、ヴァナルガンド底部より発生させた巨大エネルギー刃により球状結界内部の空間構成物ごと両断する技。
 4メートルにも及ぶエネルギー刃は、多次元に同時存在するリア達の力をイハドゥルカ個人へと集束する事で生み出された多層霊威干渉力であり、マテリアル体、アストラル体は言うまでもなく、次元すら両断する能力を持つ。
 その為、事実上この刃をもっても切り裂く事のできないものは、ある一つを除いて存在しない(その一つとは、「絶対無」に他ならない)。

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