ゲーム

スーパーロボット大戦α
for Dreamcast
(バンプレスト発売)

 言わずと知れたスーパーロボット大戦シリーズ。
 その中でも、かなりの異色な印象を受ける。
 ゲーム的には、シュミレーションRPG。
 出演は、ゲッターロボ、マジンガーZ、ライディーン、コンバトラーV、ボルテスX、ガンバスター、ダンバイン、エヴァンゲリオン、ジャイアントロボ、ダイターン3、ダンクーガ、マクロス、ガンダム・シリーズ。
 中でも、凄いのが、バンプレスト・オリジナル。
 魔装機神サイバスターは、風の上位精霊の加護を持つ異世界のロボット。
 ストーリーの中心ともなるRシリーズは、T−リンクシステムと呼ばれる念動能力者でなければ動かせない機体で、合体すると天下無敵のスーパーロボット『SRX』に!
 さらには、プレイヤーの分身となる中国の古代遺跡から発掘された龍王機、虎王機。その2体が合体した龍虎王と虎龍王。技も符を使ったりと、道術めいたものが多い。
 そして、敵は、ラオデキヤ=ジュデッカ=ゴッツォ率いるゼ・バルマリィ帝国監察軍第七艦隊。異星を追いつめることによって、その星の文明を高め、より強大な武力を持ったところで、自分たちの戦力として併合することを目的としているやつらで、そのため地球圏も危機に晒されている。
 分かる人は、分かると思うんだけど、コンセプトは、ユダヤの失われた十二支族に由来しているらしく、敵指揮官の一人の女この名前『レビ』は、ヘブライ語で『律法者』という意味で、ゲーム中も同じような説明がされている。その女の子の機体も『ジュデッカ』といい、これは、堕天使ルシフェルが凍結封印されていると言われている最終地獄の名前。
 加えて、ストーリーも、地球人同士の小競り合いや異星人たちとの戦いもあるが、宇宙にとって、害悪にしかならないような知的生命体の殲滅を本能として持つ宇宙怪獣(元ネタは『トップをねらえ!』)との徹底抗戦があり、宇宙の節理とも言える状況に対し、抵抗して生きようとする人類の姿が描かれていて、話としても、大変面白いものになっている。
 その他にも、ゲッターロボの最終形態(?)『真・ゲッターロボ』は、進化を促すゲッター線の力を操り、人類殲滅が迫る危機的状況に、まるで、意思を持つがごときようすを見せる。
 また、マジンガーZが悪の手に落ちたときのための切り札・魔神皇帝『マジンカイザー』は、神か悪魔かと言われるほどのパワーを秘め、光と闇とがせめぎあう『人』を現している。
 そして、エヴァンゲリオンの『人類補完計画』も、その意味を良く捕らえ、哲学的な雰囲気もかもし出している。
 雑多とも言えるほどの出演作品を一つのテーマでまとめ上げた無理のないストーリーは、見事なものだと言え、また、それを『本来交わるはずのないものたちが集った歪んだ世界』と称し、それを思うがままにしようとするもの、是正するために終焉を導こうとするもの、歪んだ世界の行き着く破滅の未来に抗おうとするもの、など、ゲーコンセプトそのものに対する問題提議的なことも消化している。
 ただのロボット物だと思い、やらないでいる人に是非、プレイしてもらいたい作品。
 まあ、濃ゆいノリについてけないってゆーのなら、仕方ないけど。
 でも、かなり、おススメな作品であることは間違いないです。

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