| 日刊どーなんだ? 第4号(2002年6月4日・みずのとう 先負) つれづれニッポン(1) ・日本語の美しさ |
|
小山ジェニファー・ロドリゲスの つれづれニッポン 第1回・日本語の美しさ |
| ふと気付けばこよみは6月。日本には「水無月」という言葉があります。それを聞くたび私は「日本語って何て美しいんだろう」と思うのです。 季節の移り変わりをカレンダーの数字ではなく、言葉で表現する。漢字の持つ意味を考えると、そこに日本人の自然を楽しむ趣を感じます。 私の主人は日本人。写真家として世界中を飛び回っています。事務所を構えるために一緒に日本へ戻ってきたのが5年前の6月。この季節、日本には旅行で訪れたことしかなかったのですが、雨が多くて苦労した思い出ばかりで、どちらかというと嫌いな季節でした。 主人には「単純だ」と笑われたのですが、私の好き嫌いにまで影響を与えるほど日本語は美しいのです。「水無月」という言葉を教えてもらった途端、いっぺんにこの季節が大好きになったのですから。まぁ、梅雨が好きだなんて言うと、大抵の人は「信じられない!」と驚くのですが。 ある老婦人に、海外で見つけた「顔のサビを落とす」というのが売り文句の洗顔石けん(本当に汚れがキレイに落ちるんですよ!)とお勧めしたときのことです。 「あら、私の顔は『さび』だけじゃなく『わび』も付いているから、この石けんで落ちるかしら?」 と老婦人はおっしゃったのです。 なんて素晴らしいんでしょう! 長年放置され、苔むした石が「わび・さび」を感じさせるさまを、年経た自分の顔になぞらえているのです。 冗談の中にもさり気なく言葉遊びを取り入れ、日本語の趣と美しさを楽しむ老婦人のセンスにとても感心しました。 日本語って本当にステキ!!
|
ことばの限界に挑む!「聞き取れ」 Copyright (C)2002 ことばの限界研究会