◆ 鯉、体のしくみ

 

 

 

● 体の構造

(** 各部位の名称 **)

 

 脊椎動物の前肢にあたるのが胸びれで、後肢にあたるのが腹びれです。胸びれは左右の外鰓孔のすぐ後ろにあり、体の平衡を保つ働きをしています。腹びれは硬骨魚類では進化の高いものほど体の前部にあります。背びれ・尻びれ・尾びれは、泳ぐために発達したもので体の正中線に並んでいます。

 

 

● えらと浸透圧

 

 一般的に魚類の体液は、淡水と海水の中間の浸透圧を保っています。淡水系の鯉の体液は、水よりも浸透圧が高いので、絶えず水分が体内へしみこみます。これを体外へ排出しないと水ぶくれになって死んでしまいます。そのため、鯉はほとんど水をのまず、良く発達した腎臓を通じて尿を多量に排泄し、必要な塩類は消化管上皮やえらの表面から吸収しています。

 

 

● 感覚器官

 

 魚類は近視であると言われていますが、遠近調整がおこなえるのでかなり近くから遠くまでピント

を合わせることができます。また、魚眼レンズという言葉通りに視界はかなり広く、片眼で200度近くあり、そのため後方をかなりカバーしています。

 鯉や鯰の表皮中には特殊な細胞があり、仲間に逃避行動をおこさせるような物質を含んでいま

す。この物質はプリンまたはプリテン様物質といい、傷ついた鯉がいるとその傷口から流出した物

質を感じて逃げ出すような行動を見せます。

 「鯉にひげ有り、鮒にひげ無し」といわれていますが、アメリカのバルダックによって、魚のひげは

味覚器官であり、エサを探すのに役立っている事が証明されています。また、口蓋部には味を感じ

る味蕾という細胞が多数有り、甘味・酸味・にが味・から味を区別する事が出来ます。

 魚の側面にある側線は、水の流れや振動を関知する器官です。そのため側線には感覚球と呼ばれる細胞が並んでいます。

 

 

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