ダイ ハード2 原題『DIE HARD2』
お勧め度:★★★★☆(4.5点) 1990年公開
 あの男が、またクリスマスに、トラブルに巻き込まれた。
 B=ウィリス扮するジョン=マクレーンが、今回は吹雪の荒れ狂うダレス国際空港で、よりによって麻薬王奪還に関わるテロに巻き込まれる。
 前作のセミプロ強盗団と違い、今回は麻薬王・エスペランザ将軍奪還を狙う、プロの軍隊で組織されたテロ集団であり、空港管制すらジャックしてしまう能力を持つ。そんな相手に、一介の刑事が勝てるわけ無いやろー!
 な訳なのだが、とりあえず脚本の上手さで、ずるずると作品の中に引きずり込まれてしまう。とにかく引き金引いておけ、みたいな銃の乱射。マクレーン予備弾倉いくつ持ってるの、的なバブリーな撃ち方は、何だか爽快感さえ感じる。まあ、リアルな話をすると、ありえないシチュエーションが多々あるが、まあアクション映画だし、それもいいかな、と思ってしまう。
 相変わらず、マクレーンはぶつくさ文句を言いながら、ひたすら右に左に走り回る。その愚痴る姿が何となくいい。
 マクレーンの妻・ホリーが、事件解決の後、
 「何で私達だけ、いつもこんな目に遭うの?」
と呟く。それは、あなた達が主役だからさ(笑)。
 爽快さ、エンターテインメント性は、かなり高い。クリスマスで無くても、いっといたら?
H190722


ランボー 原題『FIRST BLOOD』
お勧め度:★★★★(4点) 1982年公開
 ご存知、シルベスター=スタローン主演の人気トリガーハッピー映画シリーズ(笑)の第1作目。
 ベトナム帰還兵ジョン=ランボーは、同じ帰還兵の友人が自殺した事にショックを受け、当てもなく近所の町を歩いていた。その町の警官が、そんなランボーをヒッピーとみなし、意味もなく拘束し、暴力を振るった。ガマンの限界を超えたランボーは、警官たちをど突き倒し、逃亡。ランボーの正体を知らない警官たちは、プライドに賭けて「ヒッピーの」ランボーを捕まえようとするが…。
 と言う感じのお話。この映画を初めて観たときには、まだ中学生位だったので、「何故ランボーは、あそこまでぶっきらぼうなのか?」「何故警官たちはランボーを毛嫌いするのか?」など、基本的な設定が理解出来なかった。そこを押さえていないと、ランボーはただのキチ○○に見えてしまう。この頃のアメリカが抱えていた社会的病巣を知って初めて、この映画は意味を持ってくる。
 ただ、意味は分からなくとも、そのアクションにはとても目を引かれた。映画で、ここまで克明に「ゲリラ戦の技術」を映像化したものは、それまでなかったのではないだろうか?特にサバイバルナイフ(後に「ランボーナイフ」と呼ばれ、作品の象徴的なアイテムと化す)の使い方が秀逸で、軍隊用ナイフの使用法に関して、とても啓蒙を受けた。
 作品中では、”自分達の行為の無意味さに打ちのめされた”ベトナム帰還兵、”朝鮮戦争の英雄”の警官、”「戦争の犬達」を育て上げた”グリーン・ベレー教官の大佐、”戦争を知らない世代”のヘッポコ州兵、”権力をかさに着て威張り散らすだけ”のダメ警官など、当時の病めるアメリカを象徴するキーワードがフル活用されていた。今観ると、かなり風刺的ではある。
 この頃、「ベトナム」を経験していた<グリン・ベレー>は世界最強の名を欲しいままにしていた。今のグリーン・ベレーはどうだろう?


ダーティ・ハリー 原題『DIRTY HURRY』
お勧め度:★★★★(4点) 1971年公開
 ご存知クリント=イーストウッドの当たり役映画。マカロニ・ウェスタンで凱旋帰国した彼が、『ローハイド』を経て手にした現代のダーク・ヒーロー像。『マンハッタン無宿』以来の付き合いである西部劇監督ドン=シーゲルと作り上げたこの作品は、現在のこの手の映画がこぞって手本にする古典中の古典である。
 「ダーティ・ハリー」とあだ名されるはみ出し敏腕刑事・ハリー=キャラハンが、サン=フランシスコ市長を脅す「スコーピオン」と名乗るサイコ野郎と対決する、というストーリー。お話の展開は多少ゆっくりだが、その分緻密に練られた脚本は、どっしりとした安定感を与えている。
 警察にも、司法にも味方が居ない孤高のヒーローは、「法律が正義とは限らない」と全身で訴えつつ、我が道を貫こうとする。だが、ひねくれてはいるものの、ハリーは人間が好きで、シスコが好きで、意外に秩序を重んじている。その秩序を破る者には、容赦なく牙を剥く。また、他の警官が手を付けないような汚い(嫌な)仕事もする。そこで付いたのが「ダーティー」の冠である。ある意味ハリーは、スケープゴートなのかも知れない。
 アンディ=ロビンソン紛する「スコーピオン」のサイコ振りは、1971年という時代を考えれば、驚くほどリアルにヤバイ。こんなキャラも、今では当たり前であるが。
 個人的には、クライマックス部分の、採石場でのハリーとスコーピオンの銃撃戦の場面で、ハリーが.44マグナムを撃った時に、その衝撃波で周りからもうもうと埃が立つ。そのシーンが、マグナムの威力を感じる事が出来て、とても好きなのである(変だろうか?)。


ダーク・エンジェル 原題『DARK ANGEL』
お勧め度:★★★(3点) 1990年公開
 ジェームズ=キャメロン監督、ジェシア=アルバ主演のサイバーアクションドラマ。ではない。
 「人間核弾頭(ひどいあだ名!)」ドルフ=ラングレン主演のSFアクション。
 ラングレン扮する刑事が担当していた麻薬密売組織の売人が、謎の死を遂げる。実はそれは、謎の(謎ばっかり!―笑)宇宙人が、人間に麻薬を打ち、それによって脳内に生成されるエンドルフィンを採取していたのである。かくしてエイリアン麻薬密売人、それを追うエイリアン麻薬Gメン、そして人間核弾頭の三つ巴の壮絶な戦いが始まる!
 ま、この内容を読んでいただいておわかりの通り、「バカ映画」である。はっきり言ってストーリーなど、ほとんど憶えちゃいません(大して内容無いし)。ただ、とにかく火薬の使用量が莫大。ちょっと間が空いたから、とりあえずいっとけ、位の頻度で爆破シーン。それもアメ車が空中で縦回転するほどの火薬量。そして善玉悪玉両方のエイリアンの使う銃。キャリコピストルという、装弾数100発(.22口径)のトリガーハッピー垂涎の銃を、とにかく撃ちまくる。映画の半分以上は、爆発とマズルフラッシュで光りまくり。よい子は明るい部屋で、テレビから離れて見てね、なシロモノ。
 武器だけじゃなく、パワーも半端じゃなく強い、辮髪風マッチョエイリアンに、最後は素手で勝ってしまうラングレン。君はやっぱり強かった。極真黒帯は伊達じゃない!流石は「バカ映画」。でも、暇つぶしにはもってこい。いっといたら?


バイオハザード 原題『BIO HAZARD』
お勧め度:★★★★☆(4.5点) 2002年公開
 カプコンのホラーアクションゲーム『バイオハザード』。世界で2000万本売れているらしいが、そのゲームを原作に、ハリウッドが作り上げた映画が、これ。
 監督は、世界に冠たるク●ゲー『モータルコンバット』を映画化、意外と無難にまとめ上げた異能の男・ポール=アンダーソン。主役は、『フィフスエレメント』や『ジャンヌ』など、一連のリュック=ベッソン映画で、その実力を遺憾なく発揮してきたミラ=ジョヴォヴィッチ。一体、どうなることか、と不安も抱えながら、映画館に入った。
 結果から言うと、不安は杞憂に終わった。はっきり言って、とても面白かった。キャラクターやストーリーは、「オリジナルに傷をつけない程度」に変更。特にキャラは、「ストーリーの意外性を保つため、わざとゲームとは変えた」という。しかし、もともとのゲームにあった「T-ウィルス」「アンブレラ社」「特殊部隊」などの設定は、上手に組み込まれている。伏線も綺麗に機能し、どんでん返しも用意され、何より恐怖感、緊張感が持続された。そしてなによりジョヴォヴィッチが美しい(笑)。しかも強い。見ていて痛快である。
 ただ、ジョヴォヴィッチ一人があまりに強すぎる。特殊部隊員という設定ではあるが、他の特殊部隊員より、ずば抜けすぎている。そこら辺が、『ダイハード2』などのように、微妙に見る者を引かせてしまう原因かも。そんなわけでマイナス0.5点。しかし、特に映画館の大スクリーンで見る価値大いにあり。いっとこうか。


ダイ ハード 原題『DIE HARD』
お勧め度:★★★★★(5点) 1988年公開
 ご存知、ブルース=ウィルス(最近ではウィリス)主演のアクション傑作。ここまで無駄のない伏線は滅多にない、と思えるエピソードの数々は、何度見ても面白い。
 ブツブツと文句を垂れ流しながら闘うジョン=マクレーンのキャラは、後のアクション映画にもかなり影響を与えた(はず)。また、「トリガーハッピー」という言葉の定着も、この映画(と、香港の『男たちの挽歌』)の存在に拠るところが大きいと思われる。
 そんなに人気のなかった拳銃、ベレッタM92Fの大流行も、この映画から。それまでの流行は、ブローニングハイパワーだった。
 ちなみに私がアメリカに(一年間)住んでいた時、行きつけの射撃場(笑)で、常に流れていたビデオが、この『ダイハード』と『ロボコップ』だった。
 是非とも観てもらいたい(あ、大体の人が観ているか)。