らんちゅう飼育におけるトルマリンの効果の検証



トルマリン石を水に入れると弱アルカリ性のマイナスイオン水になり生体にやさしくなる、遠赤外線効果がある、リフレッシュ効果、界面活性効果、消臭効果がある、などなど数々の特長をもつと言われるトルマリン。既に多くの方が、その効果を検証されていることとは思いますが、自分のらんちゅうで効果を体験しないと納得しにくいたちの私は、懲りずに我流の検証をやってみることにしました。これと合わせて、「差し水」の効果も検証していく予定です。

トルマリン石の説明については次のサイトにお任せします。

トルマリン情報館

準備
よく洗浄した小粒のトルマリン石を合計2kg、上の
ような容器に入れます。これをプラ舟ジャンボ180
に入れて水道水180gをはります。
上図のようにエアーストンを埋伏させて、やや強め
に少なくとも12時間エアーレーションします。

左上のプラ舟ジャンボ180でトルマリン処理水を
つくります。
それをエアーポンプのホースで右下のタフブネ(
140g)に左下図のようにして注水します。

向こう側のプラ舟には、普通のエアーレーション
したひなた水を準備します。
トルマリン水および普通のひなた水を左のよう
にして180gすべてを注水します。一日おきに
行います。
@トルマリン水を一日おきに差し水する舟。
A普通のひなた水を一日おきに差し水する舟。
B中4日で普通に9割替えする舟。
(@、Aは週一で糞掃除をします。)
を準備し、それぞれに、うちの6月18日に孵化
した19番仔を30匹ずつ飼育します。
適宜、同数ずつ選別淘汰していきますが、
 8月1日 〜 11月30日まで
の四ヶ月間、生育状態を比較検討していく予定
です。

 稚魚の体長:約3cm。
左のような140リットル入るタフブネでそれぞれ
飼育します。
日当たり具合もほぼ同じです。
餌は、午前中に人工餌料を同量ずつ一回。
午後に冷凍赤虫を同量ずつ二回与えるだけに
します。


8,9,10,11月下旬に経過報告いたします。



8月18日・・・尾まくれ・捩れをどけて、各舟 30→28匹に。
8月19日より、よく食べるので、人工餌料2回、赤虫3回に変更。
8月27日・・・筒伸び、捩れをどけて、各舟 28→25匹に。
8月31日・・・腰の悪いの、捩れをどけて、各舟 25→21匹に。


第1回経過報告(8月31日) @トルマリンさし水 A普通の差し水 B普通の水替え
サイズの測定は、すべての金魚を
ノギスで測り、最大のものと最小の
ものを除いたものの平均値を示しま
した。
サイズ(cm)の平均値 5.6 6.0 5.7
健康状態 良好 一匹だけ背に発赤 良好
考察 一ヶ月経過しただけなので、断定はできませんが、意外な結果となりました。
期待のトルマリン処理水差し水の舟が一番小さいのです。いたって健康ですが。
差し水をしている舟は、浮いた餌がオーバーフローで一部出てしまうので、普通の
水替えに比べてやや不利の可能性がありますが、その不利なはずのAが好成
績をおさめています。@とAでは、糞まで二度食いしているようです。
個体の特性、日照時間の僅かな差が微妙に影響しているかもしれません。
懲りずに検証を続けたいと思います。


9月7日 さらに傷が目立つものを除いて、各舟 21→19匹に。                           
9月23日 いいの抜かれて、 各舟 19→18匹に。
9月30日 思い切って減らして、各舟 18→12匹に。


第2回経過報告(9月30日)  @トルマリン差し水 A普通の差し水 B普通の水替え
測定方法は前回と同じです。
サイズの平均値(cm) 7.9 8.3 7.5
健康状態 良好 良好 良好
考察 二ヶ月経過して、少し変化が出てきました。写真では解りにくいですが、差し水
勢が大きくなってきました。伊達に多くの水を消費していません。一時冷えた時
がありましたが、差し水勢は活発に泳ぎコケをつついていました。普通の水替え
組に給餌ペースをあわせているので体長の差はさほど出ていませんが、差し水
組みはやればやるだけ食べそうです。それにしてもAの普通の差し水組はなぜ
そんなに強いのかと、上の貯水の水をのぞいて見ると、なんとミジンコが湧いて
いて、それらも水と一緒に供給されていたのです。ついでにトルマリン石を入れ
た方も見てみるとミジンコはおろかコケやアオコの残渣も殆ど無く透明でした。
微生物の繁殖を極力抑えているようです。


10月22日 いろいろあって 11匹に。


第3回経過報告(10月末日) @トルマリン差し水 A普通の差し水 B普通の水替え
測定方法は前回と同じです。 No Photo
サイズの平均値(cm) 9.0 9.1 8.4
健康状態 良好(食欲旺盛) 良好(食欲旺盛) 良好
考察 まず差し水の効果ははっきりしました。
また、懸案事項であった@トルマリン差し水とA普通の差し水の生育の
差も次第に埋められ有意差がなくなりました。
サイズ的には決して大きくはありませんが、6月18日生まれで、一切鰓
病になることなく楽々育ちました。
盛んに餌を探しておりまだまだ与えれば大きくなる可能性はあります。
一時冷え込みましたが、他の池の魚がじっとしているときも活発に泳い
でいるのには驚かされました。
以上からトルマリン処理の飼育水は微生物生育を抑制することから、
1)他所から導入した魚を飼育するとき。
2)異種のらんちゅうを合流させるとき。
3)金魚を大きくしたいとき。
4)早く青水になるのを防ぎたいとき。
5)病気を最小限度に抑えたいとき。
に使用するのが有効です。
11月下旬まで検証する予定でしたが、他の魚にも試してみたいので
これで終了させていただきます。


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