五介を知っとるか(五介伝説)

          

 むかしむかし、今から300年ほど前、五加の久須見というところに 、五介という山賊が大勢の手下とともに住んでおった。ときどき、何処からともなく現れて村中を荒らしまわり、農作物や金品を奪って行った。何とか五介を捕えようとするが剣の達人である五介をなかなか捕まえることができない。

 その頃、隣村の黒川中之平に又右衛門という人が住んでおった。ある日、五加柏本を訪れた又右衛門は、白川の瀬に踊る鮎を撃とうと苦心していた。すると何処からともなく山伏が現れ、鉄砲の極意を記した巻物を授けて立ち去っていった。やがて又右衛門は、極意を会得し鉄砲の名人となり、その名声は苗木藩の殿様にも聞こえていった。殿様は又右衛門に五介征伐の命を下した。五介の居場所を突き止めようとするが、なかなかわからない。やっとの思いで五介の手下を捕まえ、久須見の滝の洞窟がすみかであることを聞きだした。洞窟へ行くと、五介達は酒盛りをしていた。

「五介覚悟せい」と叫びながら第1弾を放ったが五介は茶釜の蓋を取ってこれを受け止めた。すかさず第2弾を放てば、さすがの五介もよけきれず、あえない最後をとけた。

五介の滝は今も流れ、その辺り一帯は「五介の滝公園」となっている。

 

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